食品・食材日本人がよく食べる発酵食品の種類はどれくらい?

日本人がよく食べる発酵食品の種類はどれくらい?

日本では、古くからさまざまな発酵食品が生み出され、そして食べられてきました。種類も豊富であることから、毎日食べているという人も少なくありません。実際にどのような発酵食品があるのか、代表的なものから地域限定のものまで紹介していきます。

代表的な発酵食品

代表的な発酵食品

日本には数多くの種類の発酵食品が存在します。なじみの食べ物にも発酵の工程が含まれていることが分かります。

納豆

さまざまな発酵食品

納豆は、蒸した大豆を納豆菌で発酵させて作られます。五大栄養素」と呼ばれる栄養素が全て含まれているため、偏った食生活を改善するのにおすすめです。

さらに、納豆に含まれているナットウキナーゼという酵素たんぱく質には、血液の流れを悪くしている血栓を破壊し、血液をサラサラにさせる効果があります。

五大栄養素
炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルのこと

ヨーグルト

ヨーグルト

ヨーグルトは、牛乳や脱脂粉乳を乳酸菌で発酵させて作られます。腸内環境を整え、下痢や便秘を改善させたり調の免疫力を向上させたりとさまざまな効能を持つ乳酸菌。現在では400種類を超える数が発見されており、活用に向けて研究が行われています。

ぬか漬け

ぬか漬け

ぬか漬けは、生ぬか(米ぬかなど)を乳酸発酵させてぬか床を作り、その中に野菜を入れて発酵させた漬物のことです。自宅で簡単に作れ、漬け方も豊富で、保管状況によっては長持ちするため、家庭に優しい食品です。

鰹節

鰹節

あまりイメージはないかもしれませんが、鰹節も実は発酵食品です。鰹節には、かつおを煮込んだ後に煙で燻して作られる「荒節」と、荒節を鰹節菌で発酵させた「枯節」の二種類があり、発酵食品なのは後者の枯節のみです。

また、旨み成分として含まれているイノシン酸には、細胞を活性化させて新陳代謝を良くする効果があります。

キムチ

キムチ

韓国料理では定番のキムチ。こちらも乳酸によって発酵させて作られています。キムチに含まれるペディオコッカス・ペントサセウスという成分は胃酸にも負けないほどの強い酸性を持っているため、効果が腸にまで届きやすく腸内環境の改善に役立つでしょう。

甘酒

甘酒

甘酒は、米麹もしくは酒粕を発酵させた甘い飲み物です。主に、米麹を使って作られた場合はソフトドリンク、酒粕を使って作られた場合はアルコール飲料として扱われます。

近年では「飲む点滴」とも呼ばれるようになり、美容や健康のために日常的に飲む人も増えてきています。

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紅茶

紅茶

茶葉からさまざまなお茶を作る際に酸化させる工程があり、これを酸化発酵と呼んでいます。そのうち、全く酸化発酵させていないものは不発酵茶・少し酸化発酵させているものは半発酵茶・完全に酸化発酵させているものは全発酵茶と分けられています。

種類については以下のとおりです。

  • 不発酵茶:緑茶・抹茶・玄米茶・ほうじ茶など
  • 半発酵茶:ウーロン茶
  • 全発酵茶:紅茶

上記から、紅茶は全発酵茶に分類されているため発酵茶と呼ばれています。

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地域特産の発酵食品

地域特産の発酵食品

次は、地域特産の発酵食品を見ていきましょう。

へしこ

へしこは鯖などの魚をぬか漬けにしたもので、福井県など日本海沿岸における越冬の保存食。

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通好みの味わいで、酒の肴やご飯のおかず、お茶漬けと相性抜群です。

すぐき漬け

千枚漬け、しば漬けと並ぶ京都三大漬物の一つ。京野菜であるスグキナと塩だけを使用して乳酸発酵によって作られます。

スグキナは京都の上賀茂を中心に生産される京の伝統野菜で、短い大根のような形をしています。独特の酸味が特徴で、地元の京都では冬の味覚として親しまれてきました。

かんずり

「できあがるまでに4年はかかる」とも言われる「かんずり」は、なんと唐辛子を発酵させた調味料塩漬けされた唐辛子を米麹で発酵させたかんずりは、辛いだけではなく甘みと旨みもあるのが特徴です。薬味や調味料・隠し味としても活躍する新潟の郷土料理です。

 

発酵のまち上越の発酵食品

発酵のまち上越の発酵食品

「発酵のまち上越」とは

年間を通して多湿の新潟県上越市では、発酵に適した気候風土であることを活かし、昔から家内工業のように発酵食品が製造されてきました。

発酵・醸造の研究において世界的に有名な坂口謹一郎や「日本ワインの父」と称される川上善兵衛といった、発酵に造詣が深く実績のある人物を多く輩出してきたことからも、発酵が上越の文化として根付いていたことが伺えます。

上越の発酵食品の種類

上越には全国的にも高く評価されてきた清酒や味噌のほか、豊かな山の幸・海の幸から作られる数多くの発酵食品があります。以下に主なものを列挙します。

  • 野菜類果実加工品:漬物・キムチ
  • 穀物加工品:味噌・醤油・納豆・パン
  • 魚介類加工品:寿司類・魚醤・麹漬け・粕漬け・味噌漬け・名立(なだち)漬け
  • 飲料:日本酒・焼酎・甘酒・どぶろく・ワイン
  • その他:唐辛子味噌・塩麹・甘酒の素・三五八(さごはち)の素

上越の発酵食品

浮き糀味噌

味噌文化が発達してきた上越には、味噌の種類も数多くあります。そのなかでも「上越の黄金味噌」と呼ばれるのは、上杉謙信が活躍した戦国時代から作られてきた「浮き糀味噌」です。大豆とほぼ同量の米糀が使用されており、味噌汁にした際、ふわふわと白い米糀の粒が浮かび上がるのが特徴。

雪国の良質な原材料・精魂込めた糀作り・徹底した品質管理によって作られる浮き糀味噌は、米糀の甘みと大豆の旨みによって生み出されるコクや上品な味わいがたまらない逸品です。

なますかぼちゃの味噌漬け

金糸瓜、糸かぼちゃ、そうめんかぼちゃなどとも呼ばれる「なますかぼちゃ」は、黄色い実の部分が繊維状にほぐれるのがユニークな上越野菜。なますかぼちゃの味噌漬けは、シャキシャキとした独特の歯ごたえと味噌の風味がクセになります。刻んだり薄くスライスしていただきます。

たらこの糀漬け

良質なたらこと糀を原材料とし、発酵によって味がまろやかで濃厚になった「たらこの糀漬け」は、ご飯やお茶漬けのお供、お酒のつまみにピッタリ。

たらこに付着した糀は洗い流さずにそのまま適当な大きさに切っていただきますが、アルミホイルで包んで焼くと糀の香りをより楽しめます。生でも焼いてもおいしくいただける珍味です。

清酒

頸城杜氏(くびきとうじ)の伝統技によって仕込まれる清酒は、頸城平野で採れる酒米をよく磨いて作られる、味と品質にこだわった贅沢なお酒です。

どぶろく

清酒とほぼ同じ製法ながら濾していないのが「どぶろく」。乳白色に濁ったどぶろくは芳醇な香りと米本来の甘みに爽やかな酸味が特徴で、アルコール度数は発酵の度合いにより12度~17度とさまざまです。

国の構造改革特区制度を受け、飲食店や民宿を経営する兼業農家が自家栽培米でどぶろくを製造することが可能となり、上越は全国で最も早く「どぶろく地区」に認定されました。多様で個性豊かなどぶろくを飲み比べてみるのも一興です。

 

納豆やヨーグルトなどの定番の商品から、へしこやかんずりなどの地域限定の商品まで、さまざまな地域で愛されている発酵食品。100種類以上あるとも言われる豊富なバリエーションをぜひ試してみてはいかがでしょうか。