まずは育てるバラの種類を決める
バラの種類
バラの種類には、イメージしやすい真っ赤でトゲのあるものから、驚くような見た目のものまで数多くあります。また、花のサイズが大きいものを「大輪」、小さいものを「中小輪」と呼びます。
まず、大輪のなかで育てやすいもの紹介します。
グレーンフィン・ディアナ
「グレーンフィン・ディアナ」は、2013年のスイスジュネーブ国際コンクールで入賞を果たしています。咲き始めは暗い色をしているのですが、開花していくにつれて情熱的な赤色に変化していきます。香りもフルーティで病気に強い特性を持っていることから、初心者にはおすすめの育てやすい品種です。
宴(うたげ)
「宴」は、太田喜一郎が生み出した日本製のバラです。ほんのりとした香りがあり、咲き始めから満開まで輝きのある赤色がずっと続くため、長く楽しむことができます。あまり手をかけなくても丈夫に育ってくれるので、こちらも初心者におすすめの品種です。
マイガーデン
「マイガーデン」は、暑さに強く寒さにも強いバラです。気候変化が激しい日本の環境にもフィットしています。フランスの調香師からその上質な香りを評価されたこともある上品で素敵な品種です。
次は、中小輪のなかで育てやすいものです。
岳(がく)の夢
「岳の夢」は、2009年に病気や耐寒性があるバラを評価する国際的なコンテストでADR賞を受賞しているバラです。色は真紅とは多少異なる深い赤をしており、一房から10輪以上も蕾を付ける「房咲き」をすることでも有名です。咲いているだけで花束のように見える様は必見です。
ノックアウト
「ノックアウト」は、奇抜なネーミングですが、れっきとしたバラの種類です。「どんな病気もノックアウトさせてやろう」という意味を込められた名前に恥じない、抜群の耐病性を持っています。色はオーソドックスな赤から白・ピンクとさまざま。
四季咲き性の強さも認められ、こちらも2002年にADR賞を受賞しています。
グレーテル
「グレーテル」は、「ヘンゼルとグレーテル」が名前の由来となったバラです。色は中央部分が黄色で、花びらが薄いピンク色をしています。花が咲いている状態でも新しい枝を成長させて、次々と花を咲かせていきます。
バラの育て方
バラの植え付け時期
地域によって気候に多少の差があるため大まかな目安にはなりますが、植え付けの時期は4月から5月が適しています。
鉢の準備
鉢の材質には主に下記の2種類があります。
プラスチック
根が放射状に伸びるために発育が良くなります。これは鉢のスリットと呼ばれる形が関係しています。しかし、プラスチックは熱がこもりやすく全く風を通さないため、最悪の場合には根が腐ってしまう恐れもあります。
素焼き
素焼きは陶器のことを指します。プラスチックとは異なり熱はこもりにくく、抜群の通気性で湿気を吸い取ります。しかし、鉢の下に穴が空いているために虫が入ってしまうという欠点もあります。雑菌が入り、病気にかかる割合も高くなります。
どちらにもメリット・デメリットはあるため、状況に応じて使い分けるようにしましょう。
バラの植え方
土は、初心者の場合にはホームセンターで売られているバラ専用の培養土がおすすめですが、慣れてくると自分で赤玉土などをブレンドして作ることもできます。
そして植え付けです。まずは新苗の大きさを考えながら鉢にある程度の土を入れましょう。植え替えの際にはポットからそっと苗木を取り出してください。根鉢を崩さないように移動させたあと、土をさらに加えます。
花のお手入れ方法と注意点
水やり
水やりはさじ加減が難しく、土を触って判断する必要があります。鉢の表面の土が湿っているときには水はやらないでください。半日から一日程度、表面が乾くまで待ちましょう。
表面が乾いている場合には土を少しだけ掘ってみて、乾いていたら水をやります。表面だけで判断せずに中まで触ることが大切です。
ベーサルシュートのピンチ
「ベーサルシュートのピンチ」とは、素手で枝先をちぎってしまうことです。「ベーサルシュート」は、根本から伸びた成長が早く太い若い枝のことで、これを野放しにしておくと土からの栄養が散ってしまい、どれが主役の枝なのか分からない状態になってしまいます。バラの形を整えるためには非常に重要な作業です。
なお、ピンチには素手で行う「ソフト」とハサミを使用する「バード」があります。
薬剤散布
虫にとってバラは良いご馳走です。一つのバラが病気になってしまうと全てに伝染してしまう恐れもあるため、薬剤散布は必要不可欠な作業となります。
薬剤散布を行う必要がないのは12月と1月の寒さが厳しい時期だけです。時期により対策を行う虫は違うので、その都度有効なものを選びましょう。
剪定と誘引
「剪定」は枝を深めに切ること、「誘引」は成長の方向性を整えることです。12月から1月の間に実施すると良く、丁寧に行えば春に良い結果が待っています。
葉っぱと花を全て取り除き、枝の途中から伸びた細い枝も切ります。太くて新しい枝は芽の少し上5ミリほどを目安として切ります。断面が地面に対して平行になるようにしましょう。
芽かき
「芽かき」は、春ごろに行う、最も元気な芽だけを残してほかを刈り取ってしまう作業のことです。これを実施することでどこに栄養を回すかを決める、林業に例えると「間伐」に似た作業です。
寒肥(かんごえ)
「寒肥」とは、冬の時期に肥料をまくことです。冬には植物も冬眠するため、部分的に掘り起こして肥料を与えます。このとき、根の近くを掘り起こさないようにします。
花がら切り
「花がら切り」とは、花そのものを切り落とすことです。これを怠ると、枝に栄養がいらないと判断されて栄養が送られなくなってしまいます。花びらがくすんできたら、次の花が咲くように一気に切ります。
プレゼントにも喜ばれるバラの選び方
花言葉
バラには色別に花言葉があります。
- 赤いバラ:「愛情」
- 白いバラ:「純潔」
- ピンクのバラ:「上品」
- 青いバラ:「奇跡」
- 黄色いバラ:「友情」
はるか昔から想いを伝える手段として用いられ、そのほとんどが恋愛に関するものです。
色や本数の説明
さらに、バラは本数によって違った意味を持ちます。
- 1本:「一目惚れ」
- 3本:「愛しています」
- 7本:「密かな愛」
- 11本:「最愛」
- 40本:「死ぬまで変わらぬ愛」
- 99本:「永遠の愛」
- 108本:「結婚してください」
渡し方
バラは想いを伝える手段として用いられますので、できれば親密な間柄になってから渡すようにしましょう。家の中でも、外でも、ショッピング中に気軽に買うのでも構いませんが、できれば記念日に渡したほうが相手の心にも残りやすいはず。
もちろん自分の気持ちをしっかりと言葉で伝えることも忘れずに。勇気は必要ですが、ぜひ一度チャレンジしてみたいですね。