ごみ処理だけじゃない!埋立地で行われている驚きの取り組み

ごみ処理だけじゃない!埋立地で行われている驚きの取り組み

海面に埋立後の外周となる堤防を築き、そのなかに建設残土やゴミを入れて地面とする海面埋立は、江戸時代から住宅地開発とゴミ処理との双方の事情で積極的に行われてきましたが、建設廃棄物を利用して埋め立てられるため、土壌汚染の心配があります。一方、安価で広い区画は大規模な開発を必要とする高層住宅や工業用地としての魅力があります。

人工的に作られた土地「埋立地」

人工的に作られた土地「埋立地」

埋立地は、土砂や廃棄物を大量に積み上げて造った土地のことを指し、陸に面した海面や湖を埋め立てた「水面埋立地」と、谷や窪地を埋め立てた「内陸埋立地」とがあります。

単に埋立地と言う場合は、地図上から埋め立て前後の違いが分かりやすい水面埋立地を指す場合が多くなります。

埋立地とは

埋立地の歴史は古く、小規模なものは古代から造成されていたと考えられていますが、大規模なものとして記録に残っている事業は、海岸線整備を目的として江戸時代の1592年に始められた日比谷入り江の埋め立てが最初と言われています。

また、人工島の造成については、平安時代の1173年に始められた平清盛による「経が島築島」が最初となります。世界に目を向けると、ドバイの「ザ・パームジュメイラ」のような大規模な都市開発も埋め立てで行われています。

埋立地はどのようにして作られるのか

埋立地の造成は、埋立予定地の環境調査、埋め立てによる潮流変化の調査、動植物への影響調査、人と自然のふれあい活動への影響調査から始まります。これは、埋め立てにともなう漁業補償費の算定や動植物の移転にかかる費用を見積もるためです。

次に、工事用兼ゴミ運搬用航路の浚渫(しゅんせつ)を行い工事開始に備えます。

その後、埋立地の外周を囲む護岸を建設し、ゴミの受け入れを開始。ゴミの受け入れ期間中は、受け入れるゴミの量や内容を確認・記録しておき、水質検査などにより処分場外に有害物質が漏れ出ていないかを監視することも行います。

そして、処分場が満杯になると覆土(ふくど)をして跡地を活用します。

浚渫
埋立予定地は浅瀬であるため、船が通れるように海底を掘り下げて土砂を取り除くこと
覆土
土を上からかぶせること

埋立地における住居のメリット・デメリット

メリット

  • 通常の平地に対して、安価で入手可能
  • 根を張る植物を避けて、農作物を育てることも可能
  • 外観上は平地と変わらない
  • きれいな区画の新しい街である

デメリット

  • 臭気やガスが発生する可能性が高い
  • 有害物質が見つかるリスクが高い
  • 津波の被害を受けるリスクが高い
  • 液状化が心配される

 

ゴミ処理のための埋立地

ゴミ処理のための埋立地

1900年代前半の日本では、ゴミ処理の中心は河川・海洋への投棄と野積みであったため、ハエや蚊の大量発生、伝染病の拡大など、衛生問題が発生していました。

しかし、都市への人口集中が進み、この問題も徐々に大きくなっていったため、ゴミの排出者個人の責任では対応しきれなくなったことから、「汚物清掃法」の制定・改正を経てゴミ処理が市町村の義務とされました。

この後、市町村は都道府県と協力し、大規模な海面埋立方式の最終処分場を増加させていきます。

最終処分場としての埋立地

最終処分とは、「収集・運搬・中間処理」を済ませ、再使用・再利用・焼却・破砕をしても残ってしまった廃棄物を埋め立てることです。

この処分方法には「海面埋立」と「内陸埋立」がありますが、人口集中による住居不足と廃棄物増加の両方を解決できる海面埋立が江戸時代以降は続けられています。

市町村による大規模な埋立による廃棄物処理が始まった当初は、生ゴミが焼却されずにそのまま廃棄されていたため、ハエや蚊、ゴキブリ、ネズミの大量発生や鳥の大量飛来が社会問題となっていました。

そのため、害虫害獣の発生を抑えて最終処分場の寿命を延ばすために、清掃工場でゴミを焼却し、焼却灰を埋め立てる方式へと変わっていきました。

ゴミの処理方法

ゴミ処理は、収集・運搬→中間処理→埋立・覆土の順に進められます。

  • 手順1
    収集・運搬
    可燃・不燃・粗大ゴミ・資源ゴミなどの種類別に分けられて収集され、定められた搬入先へ運搬されます。
  • 手順2
    中間処理
    可燃ゴミは焼却場に搬入されて焼却、不燃ゴミは破砕・資源物を回収し、残りは最終処分されます。粗大ゴミは再使用できるものはリサイクルされ、それ以外は不燃ゴミと同様に破砕・資源回収、その後は焼却または最終処分されます。このように、収集されたゴミを直接埋め立てずに中間処理を行うことでゴミの量を減らし(減容化)、最終処分場の残余年数を延ばす取り組みをしているのです。
  • 手順3
    埋立・覆土
    搬入されたゴミを計量・記録し、種類別に指定された区画に積み上げ、そのゴミが一定量に達すると覆土を施します。この作業はゴミの層が一定の厚さに達するごとに繰り返され、ゴミの層を土の層で挟んでいきます。これを「サンドイッチ工法」と呼びます。

埋立地の寿命は?

環境省が2017年3月に公表した「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成27年度)について」では、全国の最終処分場の残余年数は20.4年となっています。

 

埋立地で行われる取り組み「北九州エコタウン事業」

埋立地で行われる取り組み「北九州エコタウン事業」

海面埋立の最終処分場跡地は、大規模な区画を安価で購入できるため、メガソーラー風力発電の集積地として活用しやすい土地です。これを利用し、北九州市ではエコタウンやエネルギーパークを埋立地に誘致しています。

北九州エコタウンで行われている事業

ゼロ・エミッション達成を目指す循環型社会を構築する事業がエコタウン事業です。北九州市は市全体でこの事業に取り組んでおり、その中心は、リサイクル工場を集積した「総合環境コンビナート」、製品別に専門性を持った中小企業・ベンチャー企業がリサイクル技術の高度化を行っている「響リサイクル団地」、パチンコ台・自動販売機など特殊製品のリサイクルを行う「響灘東部地区」の三つから構成されます。

これらについて、大学・研究機関が基礎研究を支援、企業や特殊法人が実証研究を支援しているため、高度な技術力を必要とするリサイクルを事業化できているのです。

次世代エネルギーパークでのさまざまな発電設備

2017年3月の時点で全国に64施設ある次世代エネルギーパークは、複数種類の再生可能エネルギー設備を有し、再生可能エネルギーを学びながら楽しく遊べ、多くの見学者に自然の力をエネルギーに変換するための情報を提供する場所です。

次世代エネルギー施設としては、

  • 風力発電施設
  • メガソーラー
  • 木質ペレット製造
  • 木質バイオマス熱利用

などが設置されており、グリーン投資減税、再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金、環境・エネルギー対策貸付の対象となっています。

そして、再生可能エネルギーで作り出した電気・熱をパーク内や周辺地区で利用し、施設内を見学させることで、子どもから高齢者まで、日本のエネルギー問題を広く理解することを促進する取り組みがなされています。

 

国土の狭い日本において、住居の確保と増加する廃棄物処理のために利用されてきた海面埋立最終処分場は、人口減少と循環型社会への転換を迎えて、大規模な自然エネルギー開発と廃棄物リサイクルの拠点へとその姿を変えつつあります。

また、埋立処分場には、1997年から2001年の平均価格に換算して毎年約960億円の銅・鉛・亜鉛などの非鉄金属が埋め立てされているとの統計(財団法人クリーン・ジャパン・センター:2012年に産業環境管理協会が業務引継)もあり、将来、都市鉱山としての役割も果たす宝島に変化していくことでしょう。