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カビの見分け方
干し柿は、作る際にも保存する際にもカビの生えやすい食べ物です。しかし、
- カビに似ているだけで実は全くの別物
- カビの部分を取り除くことで食べられるようになるもの
など、見分け方を知っているだけで、捨てる必要のないものを無駄にしてしまうこともぐんと減るでしょう。
表面に出る白い粉
たまに、干し柿の表面に白い粉が付着していることがあります。実はこれ、カビではなく「柿霜(しそう)」というもので、古くから砂糖よりも甘い甘味料として大変貴重に扱われていました。
この柿霜、中国では生薬としても使われており、
- 渇いた喉をうるおす
- 熱を下げる
- 喉に詰まったたんを取る
などの効果に期待されています。表面に白い粉が付着することは、食べても何も問題のない、むしろ健康に良いことなのです。
ただ、カビの中には白い色をしたものも実際にあるため、それぞれを見分けられるようにしておかなければなりません。
カビと柿霜を見分けるためのポイントは見た目と臭いの二つで、
- 表面の色が青や緑:基本的に白以外の色が表面にできていた場合は、カビです。ただし、黒ずみは直射日光による変色なので問題ありません
- 異臭がする:カビが生えてしまった場合はひどい異臭がします
- 表面が毛羽立っている:干し柿にできるカビの中には、まるでタンポポの種のようなふわふわのワタ状の見た目をしているものもあります
このような場合には注意が必要です。
カビが生えていても食べられるの?
カビが生えてしまった場合でも、侵食された部分が少しであればその部分を取り除くことで食べられるようになりますが、異臭がひどい場合には、すでに内側にまでカビが侵食している恐れもあります。
もしカビを食べてしまったら、体内で繁殖して腹痛の原因ともなるため食べない方が得策と言えるでしょう。
もしカビを食べてしまったら
カビは細菌の一つではあるものの、日本に生息するカビは食べただけで命に関わるものはいません。また、胃酸で殺菌されるため繁殖してしまう恐れもまずありません。
もしカビを食べてしまっても、下痢と腹痛におそわれる程度の症状で済むでしょう。ただし、それでも細菌を口にしていることには変わりないため、殺菌を補助する食べ物を食べることは重要です。
おすすめの食材は以下のとおりです。
- 梅干し
- シソ・大葉
- たまねぎ
- リンゴ
- ショウガ
カビの取り除き方
カビの取り除き方は大きく分けて二つあります。
アルコールで拭き取る
アルコール度数が35度以上のお酒をハンカチやペーパータオルなどに浸してカビを取り除きます。1日~2日空けて、再度カビが生えてこないようであれば、食べても問題ありません。
包丁を使ってカビをそぎ落とす
表面を拭き取るだけでは不安な人は、カビの部分を包丁で全てそぎ落としてしまう方法がおすすめ。食べる量は減ってしまうものの、カビの付着部分を排除できるため安心感があります。
ただし、目に見えていなくても浸食が進んでいる場合もあるため、異臭がしないかの確認だけは必ず行いましょう。
また、これはあくまでカビが付着した部分が少しの場合に限りますので、カビが干し柿の全体に及ぶ場合には効果はありません。
干し柿を作る際の防止・対処法
自宅で干し柿を作る場合でも、カビが生えないように対策はしっかりと行いましょう。
除菌・殺菌の徹底
事前に熱湯消毒を行ってから柿をつるすと、カビ予防の効果に期待ができます。また、高度数のアルコールを定期的に吹き付けることもカビの発生を防ぐうえでは重要な役割を持ちます。
柿との間に余裕を持たせる
柿同士の接触はカビが生える原因となります。柿との間隔を一つひとつ十分なスペースを確保し間隔にゆとりを持って干せば、空気が通りやすくなり湿気てしまう心配も減るでしょう。
また、干し始めのタイミングは、湿度が低く乾燥した日が多い週を天気予報でチェックするのもおすすめです。
湿気や水分から守る
干し柿は雨水が付着すると、その部分から腐る恐れがあります。雨の日には必ず室内に避難させるようにしましょう。湿度にも注意が必要で、除湿機や扇風機を使って湿気から守ってあげることが大切です。
直射日光は避ける
見た目以外にはあまり影響がないものの、日に当たりすぎも干し柿を黒く変色させる原因となるので注意しましょう。また、気温が高すぎるとカビが繁殖しやすくなるため、できるだけ気温の低い場所・時期を狙って干すこともポイントです。
干し柿の効能はこんなにたくさん!栄養について深掘り乾燥させることでおいしさをぎゅっと閉じ込め、独特の食感と深い甘みを生み出す干し柿。
カビなのかどうかをしっかりと見極め、カビであったとしても適切な方法で取り除き、おいしい干し柿を存分に味わえるようにしましょう。