食品・食材誰でも簡単にできるレモングラスの育て方

誰でも簡単にできるレモングラスの育て方

レモングラスはイネ科の多年草でほんのりとレモンの香りがする、お茶や料理の香り付けにも利用される万能ハーブです。今回は、レモングラスの植え付けのポイントやお手入れ方法、収穫や保存の仕方など育て方全般について紹介していきます。

レモングラスの植え付けのポイント

レモングラスの植え付けのポイント

レモングラスの入手方法

レモングラスは、一般的に苗で購入します。出回る時期は4月~5月からで、植え付けの時期は霜の降りる心配がなくなる5月以降に行うようにしましょう。

レモングラスはもともと熱帯地域が原産の植物であるため寒さには弱く、5度以上の気温がないと越冬できません。冬を越すのはなかなか難しいハーブの一つであると言えるでしょう。

本来は多年草であるものの、地上に出ている葉の部分をそのままにしておくと寒さでやられてしまうため、冬を迎える前に刈り込む必要があります。

最近よく聞くレモングラスの驚きの効能とは 最近よく聞くレモングラスの驚きの効能とは

育成に必要なもの

レモングラスを育てる際に最低限必要な道具は以下のとおりです。

植木鉢(プランター)

鉢植えの際に必要です。できるだけ底が深いものを選びましょう。

育苗ポット(ポリポット)

苗が大きくなるまではこちらで育てます。紙コップやプラコップでも代用が可能です。

ガーデニング用ハサミ

収穫の際に使うと便利です。

ガーデングローブ

手荒れが気になる人や葉で手を切ってしまう不安がある人にはおすすめです。

ジョウロ

もともと自宅にあるもので問題ありません。

ハンドシャベル

こちらも、もともと自宅にあるもので構いません。

栽培の環境

日当たり・置き場所

レモングラスはもともとが熱帯地帯が原産のハーブのため、日当たりや風通しの良い場所で育てるようにしましょう。

温度

暑さに強いレモングラスですが、寒さにはとことん弱いため、晩秋から早春にかけては室内で日当たりの良い場所へ移動させて栽培しましょう。

用土

レモングラスは土質にはあまりこだわりませんが、水はけの良い土を好みます。鉢植えの場合は市販のハーブ用の培養土で育て、地植えの場合はすでにほかのハーブを育てている場所に植えると良いでしょう。

レモングラスの植え付け方法

種と苗、それぞれで購入した場合の植え付け方法を見ていきましょう。

種まき

種で購入した場合は、4月~6月の間にまくようにしましょう。種まきの手順は以下のとおりです。

  • 手順1
    種まき用土を育苗ポットに入れて軽く湿らせる
  • 手順2
    深さ約1cmの穴を掘って種を2粒~3粒まく
  • 手順3
    その上に軽く土をかぶせて水を与える
  • 手順4
    土が乾いてしまわないよう注意しながら明るい日陰で管理する
  • 手順5
    草丈が5cmほどになったら一番大きな芽を一本だけ残してほかを間引く
  • 手順6
    草丈が10cmを超えたら鉢や庭に植え替える

地植え

地植えの場合は4月~9月の間が適切です。草の丈が1メートルほどにもなるため、十分な高さが確保できる場所を選びましょう。また、レモングラスは酸性土壌を嫌う傾向にあるので、有機石灰などを用いて酸度を減らしておく必要があります。

鉢植え

7号~10号ほどの深鉢に苗を植えます。苗の根に付いている土を崩さないように水はけの良い土に植え付けて管理しましょう。

 

レモングラスのお手入れ方法

レモングラスのお手入れ方法

水やり

地植えのレモングラスは、植え付け後にしっかりと根付いていることが確認できれば特に水やりを必要とはしません。ただし、日照りが続き土の乾燥が見られる場合や猛暑が続いた場合には水を与えるようにしましょう。

鉢植えのレモングラスも、水をあげ過ぎると根が腐る可能性があるため、土の表面を触って乾いているようであれば与えるようにしましょう。

肥料

レモングラスを植え付ける前に、あらかじめ堆肥をすき込んでおくことが重要です。食用として育てることがほとんどのため、可能であれば有機肥料を選ぶのが良いでしょう。

また、地植えを行ったレモングラスは、植え付けた土が肥えている場合には肥料をあげなくてもグングン育つことがあります。その場合は、葉の色が悪くなったり元気がなくなったりするので、適宜様子を見ながら追肥が必要かを判断する必要があります。

株分け

あまり大きくない鉢で育てている場合や株の数を増やしたい場合には、株分けを行うと良いでしょう。株分けとは、大きくなった根株を分けて植え替えることで小さな新しい株をいくつも作り出す作業。こうすることで養分を取り合うことも減り、植物もリフレッシュされます。

株分けの時期

レモングラスは寒さに弱いため、夏から秋口にかけて行うのがおすすめです。

株分けの方法

まずは、根を傷つけてしまわないように株を鉢または地面から引き抜きます。根に付いている土は丁寧に落としましょう。

次に、茎と根がしっかりと残るように株を切り分けていきます。レモングラスの株は密集しており手で分けるのは難しいため、ガーデニング用ハサミを使って切り分けましょう。ある程度小さくなってきたら手でも簡単に分けられるようになります。

株分けが完了したら、それぞれを育苗ポットに植え付けていきます。株分けしてすぐはレモングラスも弱っている状態のため、2日~3日は大事を取って日陰で育成するようにしましょう。

害虫対策

レモングラスに含まれる「シトラール」と呼ばれる成分は害虫避けに非常に有効と言われていますが、場合によってはダニやナメクジ・アブラムシによる被害に遭うこともあります。見つけ次第すぐに葉水などで駆除しましょう。

 

レモングラスの収穫

レモングラスの収穫

収穫方法

5月に無事植え付けが終わると、6月にはもう元気に成長しています。葉が15枚~20枚程度になったら収穫。夏場に入るとさらに勢いを増していくので、根元から10cm~15cmほどの箇所をカットします。

レモングラスの葉の両脇部分はとても鋭利で手を切ってしまう恐れがあるため、慣れないうちはハサミを使うのがおすすめです。

保存方法

生で保存

レモングラスを生で使用したい場合は、刈り取ったらすぐに冷蔵庫で保管しましょう。また、あまり日持ちはしないため早めに使うのがベスト。茎の部分は小分けにして冷凍することで、香りを残したまま1年間は保存することができます。

乾燥させて保存

刈り取った葉を水でさっと洗い流して水気をしっかりと拭き取ったら、室内で吊るして乾燥させます。ハーブティーなどで細かくしてから使いたい場合には、吊るす段階であらかじめカットしておくことで乾燥の時間を短縮できます。

注意
乾燥が終わったら密閉容器に乾燥剤を入れて保存。高温多湿の場所に置かないようにする。

 

レモングラスは、一度根が張ってしまえば手間はあまりかからず育てやすいハーブの一つです。健康や美容・リラックス面にも効果があるため、ぜひ育ててみてはいかがでしょう。