食品・食材海の宝石とも呼ばれるホタルイカの旬とおいしい食べ方

海の宝石とも呼ばれるホタルイカの旬とおいしい食べ方

全身が青く光るという特徴を持っているホタルイカ。春の夜になると海岸に幻想的な光景を造り出すため、海の宝石とも呼ばれています。美しい光を放つホタルイカの特徴や習性、おいしい食べ方などを紹介します。

ホタルイカの旬はいつ?

ホタルイカの旬はいつ?

そもそもホタルイカとは

ホタルイカは、ツツイカ目ホタルイカモドキ科に属す、胴体長が約5cmというたいへん小さなイカです。

  • 腕発光器
  • 眼発光器
  • 皮膚発光器

と3つの発光器を持っており、全身が青白く光ることでも知られていますが、なぜ発光するかについては未だにはっきりしたことは分かっていません。

産卵期の春に誕生し、寿命は一年。古くから食用として用いられており、日本産地として知られる富山県・滑川市では、1585年(天正13年)ごろから漁獲の記録が残っています。

松の木の肥料として使われることが多かったため「マツイカ」と呼ばれていましたが、1905年(明治38年)、富山県の光るイカの研究をしていた東京大学教授・渡瀬庄三郎博士により、ホタルのように発光するイカということで「ホタルイカ」と命名されました。

MEMO
ホタルイカの学名は、「Watacenia sintillans(ワタセニア・シンティランス)」と、渡瀬博士の名前にちなんで付けられています

旬の時期と産地

ホタルイカは、日本海と太平洋側の一部に生息しています。日本有数の産地とされる富山県のほか、兵庫県・福井県・京都府・鳥取県の水揚げ量も多く、太平洋側では相模湾や駿河湾でも水揚げされています。

通常水深200m~600mの深海に生息していますが、春になると産卵のために浮上。4月~5月が最盛期となる富山県では、明け方に定置網漁にて捕獲します。

また、富山と漁獲量を競っている兵庫県では、漁船に付けた網を引く「底引き網漁」で捕獲されています。

春の風物詩「ホタルイカすくい」

一般の人が海岸付近でただようホタルイカをすくうことを、ホタルイカすくいといいます。釣りや潮干がりと同様、海のレジャーとして親しまれており、春の夜、海岸には懐中電灯とタモ網を持った人の姿が多く見られるようになります。

しかし、ホタルイカは毎日たくさんすくえる訳ではありません。最も適した日はホタルイカの身投げの日。

ホタルイカの身投げにはさまざまな条件があります。

  • 時期は2月下旬~5月下旬ごろまで。3月~5月のゴールデンウィークまでは高確率
  • 新月の前後の深夜
  • 深夜から未明に満潮を迎える日
  • 晴天で波が穏やか。海中がきれいな日
  • 南風が吹いている日

条件が整うほど確率が高いと言われていますが、条件がそろっていても確実にホタルイカの身投げが起こる訳ではありません。

ホタルイカすくいにチャレンジする場合は、安全に配慮して行うことが大切です。また、身投げの見物をするおすすめスポットもあるので、見物希望の人は、富山市の観光サイトを参考にしてみてはいかがでしょう。

ホタルイカの身投げ
産卵期、深海から浮上し海岸へ集まってきたホタルイカが岸に打ち上げられること

 

ホタルイカに含まれる栄養とおいしい食べ方

ホタルイカに含まれる栄養とおいしい食べ方

ホタルイカの栄養と効能

大きさは小さめですが、ホタルイカには栄養がたっぷり含まれています。まずカロリーですが、ホタルイカ100g当たりのエネルギーは84kcal。三大栄養素ではタンパク質が多く、100g当たり11.8gとなっています。

主成分ではビタミンB12と銅が非常に多く、ビタミンAであるレチノール、ビタミンEも多めです。

  • ビタミンB12:葉酸と協力し、赤血球のヘモグロビンの生成を助ける。脳から司令を伝える神経を正常に保つ
  • :赤血球を造るため、必要な場所に鉄を運ぶ。活性酸素の除去、骨の形成の働きもある
  • ビタミンA(レチノール):皮膚の健康維持、のどや鼻・胃腸の粘膜を正常に保つ働きがある。視覚の暗順応改善や成長促進作用もある
  • ビタミンE:強い抗酸化作用があり、動脈硬化と生活習慣病の予防が期待されている。毛細血管を拡張させるので、血行不良の改善も見込まれる
暗順応
明るい場所から暗い場所へ移動した際に、周りがちゃんと見えるように視力を確保させる人間の機能

ホタルイカのおいしい食べ方

煮物・炒めもの・酢味噌和え・天ぷら・唐揚げなど調理方法は多岐にわたり、アレンジ料理もさまざま。定番の煮物のほか、炊き込みご飯・マリネにしてもおいしくいただけます。

生食もおいしいですが、ホタルイカは腐敗が早く、内蔵に寄生虫がいることもあるため、刺身でいただく場合は新鮮なホタルイカの内蔵を厚生労働省が指定した方法で除去する必要があります。

スーパーで販売されているものの多くはボイルされているため、そのまま調理に使うことが可能ですが、目やくちばし・軟骨を取る下処理をすると食感が良くなります。

越中氷見屋 ホタルイカ 魚醤干

酒のつまみにぴったりの魚醤漬けにした新鮮なホタルイカです。口に入れてすぐはちょっと苦味を感じますが、かめばかむほど卵とワタのうま味をじっくり感じられます。

食べる際は、フライパンやホットプレートで軽くあぶるとうま味がアップ。それも面倒という場合はライターでもOKです。

とにかく日本酒とよく合うクセになる味と口コミ評価も高く、リピーターも多い商品です。

釜庄 ほたるいか醤油漬け

兵庫県山陰産の新鮮なホタルイカを、丸ごと樽漬けにした商品です。あっさりした醤油味の甘口で仕上げてあるホタルイカは、やわらかい食感でうま味がたっぷり。

冷凍で届くホタルイカは冷蔵庫で解凍し、そのまま酒のつまみにしても、アツアツのご飯に乗せてもおいしくいただけます。

・500g入り
・1kg入り
・1.5kg入り
・2kg入り

があり、晩酌用・ご飯用で購入する人のほか、贈答品としても高い人気を誇っています。

 

ホタルイカから寄生虫?

ホタルイカから寄生虫?

旋尾線虫(せんびせんちゅう)とは

旋尾線虫は、ホタルイカやスルメイカ・タラ・ハタハタの内蔵に住み着いている寄生虫です。茶褐色をしており、幼虫の体調は5mm~10mm。極めて細い糸くずのような体幅のため、肉眼での確認は難しい虫です。

特にホタルイカに寄生すること多く、漁獲年度や海域にもよりますが、寄生率は3%~7%とも言われています。生のホタルイカを内蔵ごと食べたり、踊り食いをしたりすると感染・発病の恐れがあります。

ホタルイカに寄生するのは、幼虫タイプⅩ(テン)と言われるもので、1974年(昭和49年)に秋田で出た症例が初。その後、一時は途絶えていましたが、1987年以降、再び数十件の症例が報告されています。

感染の症状

旋尾線虫に感染した場合、主に

  • 急性腹症型
  • 皮膚爬行症(ひふはこうしょう)型

の2つの症状が見られます。

急性腹症型

ホタルイカの生食後、数時間~2日の間に発症し、激しい嘔吐や腹痛、場合によっては腸閉塞を起こす場合もあります。基本的には対症療法となりますが、腸閉塞の場合は手術となる可能性も。

皮膚爬行症

ホタルイカ生食後、約2週間前後に発症する場合が多いです。腹部にミミズ腫れができ、1日に2cm~7cmと速い速度で伸長。小さく隆起したり、水疱(すいほう)ができる場合もあります。治療方法は虫体の摘出となります。

予防策

  • 生でホタルイカを食べない。特に踊り食いは厳禁
  • 購入する場合、内蔵が付いている未冷凍のホタルイカは避ける(旋尾線虫はホタルイカの内蔵に寄生するため、内蔵を除去することで危険性が少なくなる)
  • 生で食べる場合は、厚生労働省指定の方法で内蔵を除去する
  • 旋尾線虫はマイナス30度で冷凍すると死滅するため、冷凍済みのホタルイカを購入するようにする
  • 冷凍ホタルイカも加熱処理を行う(沸騰した水に入れ30秒、または中心温度60度以上での加熱)

 

海の宝石・ホタルイカ、いかがでしたでか。青い光を放つホタルイカの身投げが見られるのは春先のみ。幻想的な光景を見に、富山に足を運んでみてはいかがでしょうか。海岸で眺めるだけでなく、観光船からホタルイカ漁の見学をできるコースもあります。