この記事の目次
アボカドの食べ頃の見分け方
アボカドの旬はいつ?
スーパーで手軽に入手できるアボカドは、基本的に海外からの輸入品です。日本国内でも生産されているものの、栽培されているのはごくわずかなので、店頭で目にすることはまずありません。
輸入品のアボカドの流通は安定しており、通年入手可能なため旬の時期は特になし。国産アボカドは秋に収穫されるので、流通する旬の時期は11月から1月前後になります。
とはいえ、一定の傾向もあります。4月から6月前後は油分が多くマイルド、8月から10月前後は油分が少なめで、小さい割合が増えてきます。濃厚なものが好みであれば前者がオススメです。
食べ頃のアボカドかどうかはココをチェック!
食べ頃を見分けるにはいくつかポイントがあります。
皮の色
黒みがかった濃い緑色のものが食べ頃です。緑が多いものはまだ熟しておらず、黒が多いものは熟しすぎ。すぐに食べる場合は黒みがかった緑色のものを選びましょう。濃い緑の斑点があるものは、あと2〜3日といったところです。
ヘタ
ヘタの周りをそっと触ってみましょう。
- ヘタが少し動くようであれば食べ頃
- やわらかすぎてよく動くようなものは熟しすぎ
です。
ヘタが取れているものは、ヘタの穴がどのような色になっているかをチェックすれば食べ頃が分かります。緑色なら食べ頃ですが、黒くなっているものは避けましょう。
また、ヘタと皮の間の隙間が少ないものは、脂肪分が豊富に含まれています。
形
- きれいな卵型をしているもの
- アボカドの表面に張りがあるもの
- ツヤがあるもの
がおすすめです。シワがあるものは水分が減っている証拠。収穫してから時間が経過していると考えられます。
硬さ
硬すぎやわらかすぎないものを選びましょう。硬いものは追熟すればおいしくいただけます。硬さを確認する場合、グッと押してしまわないよう、そっと確認しましょう。
相性の良いおすすめの野菜
森のバターという別名を持つほど濃厚なアボカド。アボカドだけでも十分おいしくいただけますが、野菜を組み合わせて、ボリュームたっぷりの華やかな料理を作ることもできます。
玉ねぎやレタス・トマトと合わせたアボカドサラダのほか、ジャガイモやアスパラガスと炒めるのもおすすめ。
また、味付けも塩コショウ・わさび醤油・ポン酢・めんつゆ・ソースなど、いろいろな味で楽しむことができるので、アレンジの幅も広がります。
アボカドを食べ頃にするために 〜追熟〜
アボカドは自宅で簡単に追熟させることができます。いただきものや買ってみたもののまだ硬かった、という時には追熟させておいしい状態でいただきましょう。
紙袋を使う
紙袋にアボカドを入れるだけです。袋に入れることで、熟成を促すエチレンガスを逃さず追熟。バナナやリンゴ・トマトを一緒に入れると、さらに熟成スピードが早くなります。切ってしまった場合には種は取らないようにしてください。
紙袋は穴や破れがないものを使用。口はしっかり閉じ、18度~24度の直射日光が当たらない場所で保管しましょう。紙袋がない場合には新聞紙でも代用可能です。その場合には一つずつしっかりとくるむようにしてください。
- アボカドのみの場合は袋に入れてから2日~5日
- ほかの果物を入れた場合は1日~3日
が食べ頃の目安となります。
暖かい場所に置いておく
暖かい地域の果物であるアボカドは、日当たりの良い場所や電子レンジの上に置くと追熟が早くなります。こちらも食べ頃の目安は1日~3日になりますが、状況によって異なりますので、こまめに状態をチェックしましょう。
電子レンジで加熱する
「すぐ食べたいのに、ナイフを入れたら硬かった……」という場合も追熟することができます。
カットした面を下にして耐熱皿に置き、ラップはせずに600Wで1分ほど加熱します。電子レンジのクセもあるので、こまめに皮を押して様子を見ましょう。
アボカドの食べ頃を長く維持するために 〜保存方法〜
次に、熟したアボカドの食べ頃をどうやって長く維持するかをチェックしていきましょう。
冷蔵庫で保存するのですが、そこでもコツがあります。
丸ごと保存する場合
アボカドは15度以下になると追熟が進みにくくなるため、熟したアボカドをポリ袋に入れて冷蔵します。賞味期間は3日前後です。
また、冷凍保存も可能です。アボカドをしっかりとラップして、冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫へ。この場合には1カ月ほど保存が効きます。使うときは常温で自然解凍(約20分程度)しますが、すべて解凍せず半解凍くらいの方が切りやすくなるためオススメです。
半分にカットしたアボカドを保存する場合
料理に使い切れなかった、という時におすすめの保存方法です。アボカドをカットした面にレモン汁を塗り、しっかりラップでくるみ冷蔵します。レモン汁を塗ることで酸化防止になり、きれいな色で保存できます。
また、種を付けたままにしておくと空気に触れる面が少なくなり、酸化防止にもなります。賞味期限は約2日です。
スライスしたアボカドを保存する場合
レモン汁かオリーブオイルをふりかけ、ラップまたはプラスチック容器で保存します。こちらの賞味期限も約2日となります。お酢でもOKです。
また、玉ねぎの切れ端と合わせて、密閉された容器で保存する方法もあります。
食べ頃を過ぎたアボカドはどうやって食べる?
硬いアボカドを食べ頃にするには追熟という方法がありますが、逆に熟れ過ぎてしまったアボカドはどうすればよいのでしょうか?捨ててしまうのはもったいないですもんね。
黒い部分は食べられるが、捨ててもOK
アボカドの切り口が黒くなってしまうことがあると思います。これはメラニン色素によるものですが、食べられないものではありません。ただ、気になるのであれば黒い部分をカットしてください。
ディップソース
汎用性が高いのは、ディップソースにすることです。例えば、熟れ過ぎたアボカドにめんつゆやレモン汁、マヨネーズなどを和えればイタリアンなソースができますし、お好みでわさびを加えると少し和テイストになります。
そのほかにも、アンチョビペーストやカレー粉を混ぜると強い味になり、バケットにマッチするでしょう。
ポテトサラダ
次の方法は、ソースではなくメインの材料として使う場合です。
食感が似たもので思い付くのはジャガイモです。茹でた(レンジでもOK)ジャガイモと調味料を加えて混ぜ、そこに熟れたアボカドを入れてさらにさっと混ぜると簡単な一品のできあがり!
お好みでタマネギやトマトを加えてもよいですね。
食べてはいけない場合
熟したアボカドは食べられますが、その状態をさらに大きく超えてしまうと食べられません。
具体的には、異臭がある・白いカビがある、といった場合です。残念ですが、処分して新しいものを買い直しましょう。
中味と皮の間にすき間があって、簡単に押せてへこんでしまうものも腐っている可能性があるため購入を控えたほうが無難です。
アボカドの種を栽培して観葉植物に?
そもそもアボカドの種は食べられる?
アボカドの果肉には、不飽和脂肪酸やビタミンなど、栄養素が豊富に含まれていますが、大きな種にも栄養素がたっぷり。
抗酸化物質の70%が種に含まれ、水溶性食物繊維も多く、果肉よりも栄養価があると言われています。捨てるのはもったいないと、いろいろな方法で摂取する方も多くいます。
- スムージーに入れる:小さくカットした種をブレンダーにかけ、スムージーに入れます
- 煮出してお茶にする:スライスした種を30分ほど、1~1.2リットルの水で煮出します。赤い色になったら完成。アレンジで、アボカド茶にコンソメを入れスープにする方法もあります
- おつまみにもなるアボカドチップス:種をスライスし素揚げにします。味付けは塩や砂糖などお好みで
ほかにも、ミキサーにかけてふりかけにしたりソースに入れたりさまざまな方法がありますが、アボカドにはペルシンという殺菌成分が含まれています。人間の場合、アレルギーを持つ人以外は無害ですが、動物には毒となります。ペットを飼っている人は、念頭に置いておきましょう。
アボカドの種を観葉植物に
大きな種は食べることもできますが、発芽させて観葉植物にすることもできます。
種の取り出し方
果肉を食べる際に種を取り出す方法と同じです。
- 手順1アボカドの縦方向に切れ目を入れます
- 手順2包丁の刃が種に当たったら、そのまま種の周りを一周させ、切れ目を入れます
- 手順3アボカドを両手で包むように持ち左右にひねり、引っ張ると2つに分かれます
- 手順4包丁の刃元を種に刺し、包丁をねじるように動かしながら種を取ります
種はヌルヌルしているため、くれぐれも手元には気を付けましょう。また、包丁を使うのが怖いという場合は、アボカドを2つにカットしたら、種の両側をグッと押して種を取り出す方法もあります。この方法は安全ですが、多少実がつぶれます。
発芽のさせ方
水耕栽培で発芽させ土に植え替える方法と、最初から植木鉢で栽培する方法があります。
アボカドの発芽に適した温度は15度~20度なので、5月~7月に種まきがおすすめです。また、種は乾燥に弱いため、種を取り出したその日のうちに植えるようにしましょう。寒さにも弱いため、冷蔵庫での保管もNGです。
水耕栽培で発芽させる場合
- 手順1種をよく洗い、果肉やヌルヌルを取り除きます
- 手順2種の上下を確認し、尖っている方を上にし、コップなどに張った水に浸します。その際、アボカドが水の中に落ちてしまわないよう、爪楊枝を3本~4本、軽く種に刺し固定させます。水の量は、種が1/3~半分ほど浸かる程度です
植木鉢で発芽させる場合
- 手順1種をよく洗い、果肉やヌルヌルを取り除きます
- 手順2植木鉢に園芸用培養土や赤玉土を入れ、種の尖っている方を上にし、半分ほど出した状態で埋めます
育成方法
水耕栽培の場合
室温15度~20度、日当たりの良い場所で管理し、水は毎日取り替えます。根が伸び、容器の中で狭いようであれば土に植え替えます。植え替える際は、種を半分ほど出した状態で埋めましょう。
植木鉢で栽培する場合
日当たりの良い15度~20度で管理します。寒い時期は室内で育てると良いでしょう。土の表面が乾いたら、たっぷり水やりをします。
アボカドは大きくなりますので、植木鉢はそれなりの大きさが必要です。地植えする場合もスペースを考慮してから植えましょう。また、幼木は耐寒性がないため、暖かい室内での管理がおすすめです。
栄養もたっぷりで手に入れやすいアボカドは、そのまま食べても、野菜やほかの素材と合わせてもおいしくいただける果物です。大きな種も食べたり育てたりといった楽しみ方ができるので、いろいろ試してみてはいかがでしょう。