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奈良で定番のお土産
天極堂 くず餅ぷるるん
天極堂は1870年創業以来、吉野本葛を作り続けている製菓食品材料の老舗です。吉野本葛は、寒い時期に吉野の山奥に自生する葛の根を掘り起こして細かく粉砕してデンプンを取り出し、水さらしを繰り返して作られます。
くず粉は豆科の植物である葛の根から取り出したデンプンを精製して作る粉で、奈良県吉野はくず粉の産地として知られています。一般のくず粉はサツマイモのデンプンなどを混合しているのに対し、吉野本葛は葛の根から取り出したデンプンのみが原料で、生産量が少ないことから高価になっています。
吉野本葛は純白色で、きめがとても細かいため口当たりがなめらか。また、独特のやわらかさと弾力が出る点が特徴です。
「くず餅ぷるるん」は、そんな吉野本葛入りの清涼感あふれるスイーツで、手作りのくず餅のようなぷるんとした弾力とのどごしの良い食感が人気です。香ばしいきな粉と黒蜜が添付されており、カップ入りのデザートとして葛を気軽に楽しむことができます。
松月堂 きみごろも
周囲を山々に囲まれた奈良県宇陀市で城下町として発展した松山地区は、伝統的建造物群保存地区にも指定されている歴史ある建物や町並みの風景を楽しむことができるエリアです。
ここ松山地区で創業90年を超える老舗和菓子店である松月堂が販売する名菓「きみごろも」は、厚揚げのような見た目で、口に含むと舌の上で溶けて消えるふわふわの食感が独特の和菓子です。
春日大名漬 奈良漬け
奈良漬けは、奈良発祥の酒粕を使った漬物です。その起源は奈良時代に遡り、当時の木簡にも記述が残されています。室町時代に入ると奈良は酒造りの産地となり、その酒粕を使用して野菜を漬け込んだ漬物が「奈良漬け」と呼ばれるようになりました。
株式会社飯田フーズが手掛ける奈良漬け「春日大名漬」は、国産野菜を塩漬けした後に酒粕漬けが施されたものです。粕を何度も替えて漬け込んでいるため香り高く仕上がっています。
奈良漬けのなかでも最も古くから素材として珍重されたカリカリとした歯ごたえのウリ、酒粕に漬け込むことで旨味と芳醇な香りが閉じ込められるキュウリ、ポリポリとした歯ごたえで漬物によく合うとされる守口大根。このほか、サクサクとやわらかくて食べやすいスイカやメロンなど、漬物に合う6種類の素材を使った奈良漬けがセットになっています。
まほろば 大仏プリン
まほろばの「大仏プリン」は、最高級の生クリームと牛乳・卵・砂糖・バニラビーンズというシンプルな素材のみを使用したプリンです。絹のようになめらかな口溶けと濃厚な味、さらには昔懐かしい味わいを感じられます。
「奈良県観光みやげもの大賞」では3年連続の受賞を果たした人気商品で、奈良市内を中心に店舗があるほか、通信販売でも購入が可能です。
奈良吉野いしい 柿こーり
奈良県吉野に本店を構える奈良吉野いしいは、柿の専門店として柿の菓子と加工品の製造・販売を手掛けています。
「柿こーり」は、全国的にも有名な西吉野の完熟の柿をシャーベットにしたものを地元の特産品である吉野葛で包んだひんやり食感を楽しめる冷菓です。解凍具合によりさまざまな食感が楽しめ、冷たい葛のなかに柿の自然な甘味が広がります。
「日本ギフト大賞」を受賞したほか「ネットショップ大賞」など数多くの賞を受賞し、メディアでも取り上げられている人気商品です。
まやま 桜ジャム
日本一の桜の名所として世界遺産にも登録されている奈良県吉野郡吉野山にある「おつけもの処まやま」が開発した人気商品が「桜ジャム」です。
天然素材で色付けしたほんのりと優しい桜色のジャムには桜の花びらが練りこんであり、甘過ぎずさっぱりしていてほんのりと桜の香りを味わうことができます。
個性あふれる奈良のお土産
柿の葉ずし 平宗 柿の葉寿司
江戸時代末期にあたる1861年創業の平宗は、柿の葉ずしの老舗です。柿の葉ずしとは、鯖や鮭の切り身を一口大の酢飯に乗せて柿の葉で包んだ押し寿司のことで、奈良の郷土料理です。
その由来は江戸時代に遡ります。行商人が担いで持ってくる鯖は山に囲まれた奈良では貴重な海の幸であり、腐らないように塩漬けにされていました。その塩辛い鯖をおいしく食べる方法として作りだされたのが柿の葉ずしです。
・海の恵みの魚
・山の恵みの柿
・地の恵みの米
が合わさった柿の葉ずしは、奈良の伝統的なご馳走でした。郷土の家庭料理として親しまれていた柿の葉ずしを吉野の名物として商品化したのが平宗で、守り継がれてきた製法で伝統の素朴な味を堪能することができます。
古代チーズ 飛鳥の蘇
「蘇」とは古代飛鳥の時代に日本で作られていたチーズに近い乳製品の一種で、当時の貴族や高級官人など限られた人だけが口にできる食材だったと言われています。
「飛鳥の蘇」は古代チーズを再現するべく作られた商品で、さっくりとした歯ごたえとほのかな甘味にかすかな塩気、濃厚な生乳の味が口に広がります。
御神鹿のふん
奈良随一の観光名所である奈良公園周辺は、野生の鹿が生息していることで有名です。奈良公園の鹿は春日大社に祀られている神様の使いであると言われており、国の天然記念物に指定されて大切に保護されています。
そんな奈良公園名物の鹿の糞に見立てたユニークな商品が「御神鹿のふん」です。ピーナッツをチョコレートで包んだ豆菓子で、土産物として人気です。
曽爾高原ビール
曽爾高原(そにこうげん)は奈良県宇陀郡にある標高700mほどの山深い広大な高原で、一面を覆うススキが美しいことで有名です。三重や大阪からもアクセスが良く、キャンプやハイキングで人気の観光スポットです。
大自然が広がる曽爾高原の地ビールは、平成の名水百選にも認定されたおいしい湧き水を使用しています。また、ビールの本場ドイツ・ブルーマイスターから受け継いだ非加熱・無ろ過の天然酵母100%の製法のため、ビール本来のうまみを楽しむことができます。
種類は以下の3つになります。
- ピルスナー:淡黄金色で爽快な香味、さらっとした口当たりのビール
- ケルシュ:さわやかな苦みですっきりしたのどごしのビール
- アルト:黒ビールに近く、麦芽の甘味で素材の味が生きたビール
奈良の伝統工芸品をお土産に
あかしや 奈良筆 水彩毛筆 彩-SAI-
筆の歴史はとても古く、飛鳥時代初期に中国文化伝来とともに日本に輸入されるようになりました。なかでも奈良筆は「日本の筆作りの起源」と言われており、遣唐使の時代に空海が筆作りを学んで日本に持ち帰り、大和の国で技法を伝えたことに始まるとされています。
「あかしや」は江戸時代中期の1716年創業以来、奈良筆の老舗として伝統を守り、匠の技と心を継承して高品質の筆を製造する筆具専門メーカーです。「彩-SAI-」は水彩画を描く毛筆ペンとして開発された筆で、一本ずつ筆職人による手作りで品質の高い商品です。
乾いても色あせず、耐水性の優れた水彩顔料インクを使用しているため水がかかっても文字がにじむことがない点が特徴です。フェルトペンでは出すことができない毛筆のタッチやグラデーションなど、豊かな描写を可能にします。
高山茶筌(ちゃせん) 数穂 70本立(伝統工芸士 久保省三作)
室町時代後期に奈良生駒高山で創業した高山茶筌が製造する茶筌は、長い歴史と技術が認められ、伝統工芸品として指定されています。
「茶筌(ちゃせん)」は、茶道具の一つで抹茶を点てる際に茶碗をかき回して抹茶を均一にするための道具です。「数穂」は伝統工芸士の久保省三作の商品で、穂の数は70本前後で柄が細く薄茶や濃茶におすすめです。
古都・奈良の長い歴史や伝統を感じる名産品から時代に合った新感覚のスイーツ、また、地元で長く愛されている限定品までさまざまな観光土産を紹介しました。日本を代表する観光地である奈良に訪れた際にはぜひ堪能してみてはいかがでしょう。