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母子家庭の平均収入
平成28年度の調査によると、母子家庭全体の母親の平均年収は243万円です。この中には、養育費や支援金も含まれているため、就労による収入のみで考えると200万円ほどになります。
では、シングルマザーとなった理由別にも見ていきましょう。
理由別の母子家庭の収入
シングルマザーとなった理由と平均収入は以下のとおりです。
離婚
シングルマザーとなる理由の中で最も多いのが離婚。シングルマザー全体の実に79.5%は離婚が原因です。
離婚による母子家庭の平均収入は205万円。母子家庭全体の平均よりは5万円ほど高い数値となっています。
死別
死別によってシングルマザーとなったケースは、全体の8%ほど。
平均収入は186万円と全体平均をやや下回る数値となっています。これには、もともと専業主婦だった人が夫と死別後に非正規雇用で働いている、ということが理由として考えられます。
未婚
未婚のままシングルマザーとなった世帯の割合は、全体の8.7%ほど。
平均収入は177万円と、上記二つよりもかなり低い金額となっています。考えられる理由としては、未婚のままシングルマザーとなる人は年齢が若いことが多く、定職に就く前に子どもを産んでしまっているケースが多いためでしょう。
このように、最も平均収入の高い原因である離婚でも、就労では205万円しか稼げていません。

母子家庭で受け取れる手当て一覧
母子家庭では、就労による収入だけでは生活が難しいため、さまざまな支援を受ける必要があります。以下より、どのような支援が受けられるのか見ていきましょう。
児童手当
0歳から中学生までが対象。受給額は月額で、3歳未満は1万円、3歳以上は5000円(第3子以降になると3歳以上でも1万円)です
児童扶養手当
一人親家庭が受けられる支援。4万円~5万円ほどが支給されるが、所得制限がある
児童育成手当
子どもが高校卒業するまで月額1万3500円の支給を受けられる制度。こちらも所得制限がある
特別児童扶養手当
子どもに障害が見つかった場合に支給される。1級の場合は5万円・2級の場合は3万3000円ほど。こちらも所得制限がある
遺族年金
夫と死別した場合に受け取ることができる。ただし、夫がすでに年金を受け取ってしまっていた場合には無効となる
一人親家庭の住宅手当
未成年の子どもを持つ一人親家庭で、家賃が1万円~6万円の場所に住んでいる場合、最大で1万円まで助成される
ひとり親家庭医療費助成
自治体ごとに多少の違いはあるが、扶養人数ごとに指定されている所得制限を満たしている家庭の場合は、医療費の全額が負担される。ただし、虫歯の治療・風邪の診断などは問題ないが、美容医療などの保険適用外の治療は当然保証されない
寡婦控除
所得税と住民税を計算する際に、最大で35万円が控除されるというもの。ただし、所得による制限はある
生活保護
どうしても自力で生活できない場合は、生活保護を受けることも可能

母子家庭の生活費の平均
では、母子家庭の生活費はどれくらいかかるのでしょうか。
子ども一人の場合にかかる費用
母子家庭のうち、子どもが一人の家庭は全体の31.9%ほど。その子どもが小学生だと仮定して生活費を見てみましょう。
- 家賃:二人で生活する分には、4万円~6万円の家でも十分生活が可能です
- 水道:光熱費:待機電力を減らすなどで節約していても、1万円~2万円はかかってくるでしょう
- スマホ代:子どもに持たせるとなると、月に6000円~1万5000円はかかります
- 食費:育ち盛りの子どもを満足させるためには、外食を削ったとしても2万円~4万円はかかります
- 日用品・趣味費用:新しい服やレジャーのことを考えると月に2万円~3万円は確保しておきたいところです
- ガソリン代:自動車勤務の場合は月1万円は消えるでしょう
- 給食費:平均で4000円ほどかかります
- 習い事:子どもを水泳・ピアノなどに通わせようと思うと、月に1万円はかかってくるでしょう
このように、子どもが一人の場合であっても生活費はだいたい16万円は必要になってきます。これ以外にも、車の車検費・保険費用・PTAの会費などの出費も考えておかなければなりません。
どのような節約ができるか
少ない収入で生活するためには、お金を使いすぎないように節約していくことが大切です。以下より簡単に実践できる4つの節約方法を紹介していきます。
食費の節約
食費は、出費の中で削りやすい部分ではあるものの、そのせいで体調を崩してしまっては意味がありません。健康を維持しながら節約を行うには、外食をほとんどしないというのが重要です。
ただし、月に1回~2回はごほうびとして好きなものを食べに行く、と決めたほうが節約は続きやすいです。
また、ネットスーパーが普及したことで、無駄に時間を消費せずに計画的に買い物ができるようになりました。子どもがお菓子を勝手に買ってしまうのを防ぐのにも役立ちます。
美容・ファッションにお金をかけない
洋服・化粧品はブランド品が多いため、こだわりだすときりがありません。「気が付いたら10万円使っていた」なんてことも。安価な洋服・化粧品でも使い方次第では十分うまく活用できますので、月1万円以内に収まるように購入すると良いでしょう。
スマホは一番安いプランで
最近では小学生もスマホを持つ時代です。しかしながら、外出先で過度な通信をすることはほとんどありません。また、自宅にネット回線をつないでいればWi-Fiが使えるため、モバイルデータでの通信は行われません。
家族以外で電話をかけることも今ではあまりありませんので、スマホの料金プランは電話料金もネット料金も一番安いプランで問題はないでしょう。
家賃は安いところで
家賃は、住む地域・駅からの距離によって大きく変わります。家賃を節約するのであれば駅から離れた住居を選ぶようにしましょう。
駅まで徒歩10分~15分の距離であれば1DKのマンションであっても5万円~6万円程度で借りることができます。少し郊外の場所であってもバス停が近くにあれば長い距離を歩く必要はなく、不便であるとは感じないでしょう。
母子家庭で収入が低くても、さまざまな手当てを活用しつつ生活コストを低くしていれば、十分に暮らしていくことはできます。そのためには、親子で協力し、普段から節約を心がけて生活することが大切です。