グルメ稲庭うどんのおいしい食べ方と日本三大うどんの秘密

稲庭うどんのおいしい食べ方と日本三大うどんの秘密

秋田県の郷土料理でもある稲庭うどんは、県南部で作られる手延べ製法の干しうどんです。

手打ちうどんは一般的に植物油を使って生地が引き延ばされますが、稲庭うどんは油不使用で打ち粉にでんぷんが使われます。綾かけした麺を麺棒でつぶすので、平べったくやや細目でのどごしのよさが特徴です。

高い人気を誇る稲庭うどん

日本三大うどんのひとつである稲庭うどんの歴史は古く、江戸幕府4代将軍・徳川家綱の治世、寛文年間(1661~1673年)以前より製造されていました。

乾麺であることから長期保存が可能で、贈答品やお土産としても人気が高い稲庭うどん。世界各国の製品が集まり品質の優れた製品に賞が与えられる「モンドセレクション」において、16年連続で最高金賞を受賞しています。4つある賞の中でも、最高金賞は評価の平均得点が90点~100点の製品に与えられるもの、稲庭うどんは世界的な評価を得ていることになります。

世界が認める味、稲庭うどんのおいしい食べ方やルーツ・歴史などをご紹介します。

 

稲庭うどんのおいしい食べ方

乾うどんの作り方は茹でて洗うだけなのですが、ちょっとした違いでおいしさに差が出ます。おいしく茹でるポイントを押さえておきましょう。

茹でる時のポイント

  • ・大きな鍋を使う
  • ・水は1人前に対し1リットル以上にして、うどんが踊るように茹であげる
  • ・茹でている最中は、時々箸でかき回す
  • ・差し水はせず、吹きこぼれそうになったら火を弱める

「洗う時のポイント」

  • ・うどんが半透明になったらザルにあげる
  • ・流水で手早くうどんのぬめりを取り、しっかり水切りをする

稲庭うどんは冷やしても温かくしてもおいしく食べられますが、カレーうどんにしてもおいしくいただくことができます。いろいろなつけ汁、さまざまな具材と合うことも稲庭うどんの魅力の1つです。

比内地鶏で食べる

比内地鶏は、いくつもの厳しい規定をクリアしてきたブランド鶏。肉の味がしっかり出ており、脂にうま味があるのが特徴です。こっくりしたスープで食べるつるつるの稲庭うどんを味わってみてはいかがでしょうか。秋田の名物稲庭うどんと比内地鶏を一度に味わうことができるセットをご紹介します。

寛文五年堂・稲庭うどん・比内地鶏つゆセット

稲庭町で稲庭うどんを作りつづけている「寛文五年堂」。どんな高性能な機械にも負けない「人間の手」を使い、丁寧にうどんが作られています。

無限堂「稲庭饂飩(うどん)「一念熟成」比内地鶏つゆセット」

稲庭町の「無限堂」で販売されているセットです。仕込みから乾燥まで3日をかけて作られています。

 

稲庭そうめんについて

稲庭そうめんについて

稲庭そうめんとは

「寛文五年堂」では稲庭そうめんも製造販売されています。

稲庭そうめんは、豪雪地帯である秋田県湯沢市稲庭町で作られている寒作りそうめんです。寒い時期に作られるため「加水量は多く塩分は少なくコシは強い」という特徴を持っています。

一番の特徴は、そうめん作りで使われる油が使われていないことです。油はそうめんを細く・長く延ばし、そうめんの食感を生み出しますが、油の臭いを抜く作業に1年ほどかかるため小麦の風味が飛んでしまいます。

良質な小麦粉と食塩、栗駒山麓の伏流水を原料として作られるそうめんは、職人の手で丁寧に丹念に作られています。

「無限堂」や「ほりえ」などでも稲庭そうめんは製造・販売されています。テレビで紹介されたこともあり人気はさらに高まっています。

稲庭そうめんの茹で方

稲庭そうめんの茹で時間は1分。お湯に入れたらあっという間なので、そうめん同士がくっつかないように混ぜながら茹でましょう。

 

稲庭うどんのルーツに迫る

稲庭うどんは、当時の秋田藩稲庭村小沢集落に住む佐藤市兵衛が陸奥国(現・宮城県)から稲庭に移り住んだ際に一族に製法が伝わったと言われています。

稲庭は小麦の産地であり名水の地。塩も手に入りやすく、うどん作りには最適な環境でした。郷土史研究家・神道家の佐藤清司の書物である「稲庭古今事蹟誌(いなにわここんじせきし)」には、稲庭の地名の由来、民族、風俗などとともに、稲庭うどんについても記されています。

「稲庭古今事蹟誌」には、代々伝えられた市兵衛のうどんは秋田藩主に献上され、佐藤吉左衛門(きちざえもん)によって技術が受け継がれ、研究と改良により干温飩製造業が興されたことなどが記されています。

また、藩主から、吉左衛門のうどん以外は「稲庭うどん」と名乗ってはいけない、という「お触れ」が出ます。この頃から将軍家や各藩への贈り物として用いられるようになり、明治時代に入ってからも宮内省へ献上されるなど、市民が口にすることは難しい高級品でした。このことからも稲庭うどんが秋田の名品であったことが分かります。

 

日本三大うどんとは

日本三大うどんとは

「日本三大うどん」と言うとまず名前が挙がるのは稲庭うどん、讃岐うどんですが、あとひとつは何でしょうか?実はいまだに決まってないのです。

うどんが名産という地域は日本各地にあり、3つに絞るのは難しいといわれています。明確な定義はないのですが、「秋田県の稲庭うどん」「香川の讃岐うどん」のほか、「長崎県の五島うどん」「群馬県の水沢うどん」「名古屋のきしめん」「富山県の氷見うどん」がよく候補に挙がります。

そこで、「日本五大うどん」と呼ばれることも多いご当地うどんの、それぞれの違いを紹介していきます。

讃岐うどん

806年、弘法大師が中国から帰国した際に持ち帰ったといわれる讃岐うどん。江戸時代・元禄年間に描かれた狩野休円清信の「金毘羅祭礼図(こんぴらさいれいず)」には、うどん屋が3軒も描かれています。讃岐はしょう油生産地の小豆島も近く質の良い小麦の生産や製塩が行われていて、うどんを作って食べる環境が整っていました。

基本的にうどんは各家庭で打たれるもので、うどん専門店が増えたのは1970年前後といわれています。コシの強さが特徴の讃岐うどんは全国一の消費量を誇ります。

五島うどん

五島うどんが他のうどんと違う最大のポイントは、椿油が使われていることです。産地である長崎県五島市は椿の産地としても知られています。

五島うどんは、棒状にした麺に食用の椿油を塗りながら延ばしていく手延べ麺です。丸く細い麺には椿油の風味があり、ぷるぷるした食感のうどんになります。

遣唐使時代に五島列島に伝わったなど多くの説がありますが、古くから五島の人々に食べられており保存食としても好まれていたといわれています。

水沢うどん

水沢うどんは伊香保温泉で知られる群馬県渋川市の伊香保町・水沢の伝統料理です。

水沢には、飛鳥時代に創建されたとされる水澤観音があります。水沢うどんは400年ほど前、水澤観音の参拝者向けに提供されたといわれており、やや太めで透明感のある麺が特徴です。

上州の小麦、上州の銘水を使って作られるうどんは、小麦粉・塩・水沢の水だけで作られています。基本的に冷たいざるうどんで、しょうゆやゴマなどのつけ汁をつけて食べられています。

きしめん

きしめんの特徴は、見てすぐにわかる薄く幅広の麺です。一般的に提供されるサイズは幅7~8mm・厚さ1mmほど。茹で時間が短く、つやつやした透明感があり、弾力がくせになるきしめんですが、のびるのが早いという欠点もあります。基本的にはダシに青味・味付けあげ・かつおぶしを盛っていただきます。

誕生の元となったものが何なのかはっきり分かっていませんが、江戸時代の書物には「三河国芋川の名物」と記されています。また名前についても諸説あり、碁石型だったので碁子麺となったというものや、藩主に献上した雉子肉をのせた麺が元になった、というものもあります。

氷見うどん

富山県氷見市の名物「氷見うどん」は、稲庭うどんと同じく油を使わない手延のうどんです。

コシのよさはもちろんですが、餅のような食感とのどごしのよさも特徴です。うどんの太さが提供される店によって異なることも特徴の一つでしょう。

氷見うどんの元となったのは、お隣石川県の「輪島素麺(りんとうそうめん)」です。戦国時代から作られており、江戸時代・天文年間(1532~1555年)以降になると幕府や朝廷に献上されていました。

輪島素麺の製法が氷見市に伝わりうどん作りが始まったのは、江戸時代・宝永元(1751)年と言われています。

 

いかがでしたでしょうか。古くは献上品として一般市民が口にするのが難しかった稲庭うどん。現在も伝統の製法で丁寧に作られているうどんは、日本国内のみならず世界中から評価されています。

シンプルだからこそ、おいしさがよくわかるのがうどんです。作り方にも気を使いおいしい稲庭うどんの味を堪能してください。