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驚くべき梅干しの効果
梅干しは梅の実を塩漬けにしたものです。梅の木の原産地は中国ですが、奈良時代にはすでに食用として日本でも食べられていたという記述が残されているほどその歴史は長く、日本人と関わりの深い植物です。
奈良時代、菓子といえば「果物」のことを指し、梅の実も菓子として食べられていました。現在の梅干しのルーツともなる梅の実の塩漬けが薬として作られるようになったのは平安時代に入ってから。平安中期に書かれた日本最古の医学書には、梅干しの効能が取り上げられています。
その後、梅干しは消毒や薬用に加えて伝染病予防や疲労回復の効果があると周知され、武家社会においては出兵する武士が梅干しを携帯するなど珍重されました。江戸時代になると一般の庶民も梅干しを作って食べるようになり、現在へと続いています。
病気予防
梅干しがもつ健康効果や効能について科学的なデータに基づき医学的に検証・解明を進める研究グループ「紀州梅効能研究会」によると、病気予防等における梅の効能について以下のように発表されています。
胃がん
日本において最も罹患率が高い胃がんの原因の一つと言われる「ヘリコバクター・ピロリ菌」は、胃のなかに住みつき活動する細菌で、粘膜を傷つけ胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんをも引き起こす病原菌です。
このヘリコバクター・ピロリ菌の働きを、梅干しに含まれる物質が抑制する効果があるとされています。
糖尿病
体内の代謝がうまく行えず血糖値が高くなる糖尿病は、食生活の欧米化にともない日本で急増している生活習慣病です。梅干しには、糖質の吸収を遅らせ血糖値の上昇を抑える効果があることが解明されています。
体への作用
高脂血症
高脂血症は、本来弱アルカリ性に保たれるべき人間の体内で酸性化が進み、血液中に含まれる脂質が多くなり、黒く濁ってドロドロとした血液になった状態で、排せつ障害や内臓機能の低下を引き起こします。梅干しに含まれるクエン酸は酸性を中和して体内を弱アルカリ性に戻し、血液をサラサラにする効果があるのです。
疲労回復
梅干しは疲労回復に効果があるとされています。疲れの原因は体内に蓄積された「乳酸」という物質。乳酸は「疲労物質」とも呼ばれ、多くなると体がだるくなったり関節や筋肉がこったりする症状が現れます。
梅干しに含まれるクエン酸には疲労物質の乳酸を炭酸ガスと水に分解・排せつさせる働きがあるため、梅干しを食べることで体内の疲労物質を外に出し、疲労回復効果が期待できるのです。
消化吸収を助ける機能
唾液は消化吸収をするうえで大切な働きをし、胃の動きを活発にして消化を助けると言われています。梅干しを食べることで多量の唾液が分泌され、消化吸収を助けるのです。
殺菌効果
梅干しは古くから腐敗を防ぐ機能があることで知られおり、弁当に梅干しを入れることで殺菌・抗菌効果が期待できるとも言われてきました。黄色ブドウ球菌は強い毒性があり食中毒の原因となりますが、梅干しにはこの黄色ブドウ球菌の増殖を抑える機能があることが実験により証明されています。
同様に病原性大腸菌のO-157でも有効性を示すデータが得られており、このことからも殺菌・抗菌効果に優れていると言われるのです。また、免疫力が低下していて細菌の影響を受けやすい時にも、梅干しを食べることで食中毒を予防できます。
美容への効果
美容効果につながる抗酸化作用という点においても梅干しは優れています。活性酸素は体を酸化させて錆びた状態にし、シワやシミなどの肌の老化やがん、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こす原因になります。
梅干しには酸化反応を抑制する作用があり、これにより細胞や組織が酸化することを防ぎ、美容効果につながるのです。
気になる梅干しに含まれる塩分
梅干しの塩分量はどのくらい?
梅干しは、一般的には6月ごろに完熟した梅の実を収穫して塩で漬け込み1ヵ月ほど置き、7月下旬の土用のころに日光にさらして4日ほど干す作業を経て、その後3ヵ月ほど熟成させて塩角と酸味をまろやかにすることで作られます。
このようにして作られた梅干しは「白干し梅」と呼ばれ、塩分量は20%前後で保存性に優れています。大きさによって異なりますが、大粒(20g)の梅一粒あたりでは4g相当の食塩量となります。
白干し梅を二次加工したものは「調味梅干し」と呼ばれます。「赤じそ梅」や「はちみつ梅」「かつお節梅」「昆布梅」などがあり、白干し梅を水につけて塩分を減らしてから味を加えています。調味梅干しは健康志向をふまえて減塩されたものが多いですが、塩分量が減ることで保存性が低下するために冷蔵保存が必要で、賞味期限も短くなっています。
健康への影響は?
梅干しの塩分が健康に与える影響として考えられるのは高血圧です。塩分の多い食事などにより血液の量が多くなることで血圧が上昇した状態が高血圧で、悪化すると動脈硬化や心臓・脳の血管に障害を引き起こす恐れもあります。高血圧の場合の一日の塩分摂取目標は6gとされているので、減塩の梅干しを選ぶことが大切です。
「プレミア和歌山」のおすすめ梅干し!
「プレミア和歌山」とは、和山県の優良県産品推奨制度のことです。
- 和歌山県内で生産・製造されたもの
- 安心・安全を重視したもの
- 和歌山らしさ、和歌山ならではのもの
これらを審査基準として和歌山県産品を選定・推奨する制度で、紀州南高梅をはじめ飲料品や調味料、さらには伝統工芸品など、生鮮物から製造品など幅広い分野が対象となっています。
勝喜梅(しょうきばい) はちみつ仕立て【極】
勝喜梅のはちみつ仕立て【極】は、紀州南高梅のなかでも厳選された最高級の梅の実を使用した商品です。とろりとしたはちみつの甘さと塩分・酸味を取り除いた梅が生み出す絶妙でまろやかな味わいが特徴で、塩分は約8%と食べやすくなっています。ひと粒ずつ和紙で包んだ贅沢な逸品は高級感があり、贈答品としても人気です。
東農園 五代庵 紀州五代梅
1834年創業の東農園は、和歌山県の「百年企業」にも認定された老舗企業です。五代庵は紀州梅ブランドの屋号で、紀州五代梅はプレミア和歌山にも認定されているほか、さまざまな賞を受賞した逸品です。
五代庵独自の長期漬込製法により完熟南高梅の味を最大限に引き出すことができ、ほどよい酸味を維持しながらも梅のおいしさを感じられるふっくらやわらかで肉厚な梅です。
池本商店 幸梅漬
池本商店が製造・販売する幸梅漬は、はちみつ入りのうす塩味で「ほどよい酸味とほどよい甘味」の食べやすい梅干しです。大粒の南高梅をさらに選りすぐり、丹精込めて秘伝の調味料に漬け込みじっくりと寝かせています。
紀和農園プロダクツ 紀州南高梅 夢葵 彩の舞
「夢葵 彩の舞」は、プレミア和歌山の認定商品です。
- はちみつ梅:はちみつ入りの調味液に独自の製法で二度漬けした甘くてまろやまかな梅
- 桜葉包み梅:甘くまろやかな味わいのはちみつ梅を桜の葉で包んであり、桜の葉の香りと風味がよく合う梅
- しそ漬け梅:しそでじっくり漬け込んだ酸味が非常に強い梅
- 昆布包み梅:昆布入り調味液で漬け込み仕上げた昆布梅をさらに白板昆布で包んだ昆布の風味が際立つ梅
甘さ、酸っぱさ、旨味、香り、食感、個性あふれる上記4種の梅干しが詰め合わせになったセットです。
塩に漬け込んで作る梅干しには体に作用するさまざまな優れた効能が備わっていることが古くから知られており、現代でも健康食品として残されています。
名産地である和歌山にはさまざまな梅干しの逸品が存在し、梅干しの効能についての研究も日々進んでいます。梅干しがもつ効能を毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。