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新潟名物「ぽっぽ焼き」
別名「蒸気パン」とも呼ばれる
「ぽっぽ焼き」は新潟県北部、下越地方の新発田(しばた)市で明治の終わりごろに考案された甘い屋台菓子です。
発祥の地である新発田市は、新潟市に隣接する江戸時代には十万石の城下町として栄えた町で、現在でも風情ある古い街並みや歴史的遺産が随所に存在する、豊かな自然と観光資源が充実した都市です。
下越地方を中心に広まった新潟で人気のぽっぽ焼きは、長細いパンのような菓子で別名「蒸気パン」とも呼ばれています。
名前の由来は、ぽっぽ焼きを焼く器具の蒸気口に笛を付けて「ポーポー」と音を鳴らせて客寄せをしていたことや、蒸気を立ち上げながら焼く様子が蒸気機関車に似ていることなど、諸説あります。
新潟のお祭りには欠かせないソウルフードであり、県内のイベントでは必ず出店される人気の屋台菓子として長く県民から愛されています。
「イカのポッポ焼き」とは違うもの?
ぽっぽ焼きと似ている名前の食べ物で「イカのポッポ焼き」という料理がありますが、こちらは青森県八戸地域に伝わるイカを使った郷土料理です。
イカのポッポ焼きは、イカを胴とゲソに分けて、ゲソと一緒に内蔵部分のゴロや刻みネギ・ショウガなどをしょうゆやみりんで炒めて味を付け、これを胴に詰めて甘辛いつけダレで焼いて作られます。
イカを焼くときに皮がはじけて「ポンッ」と鳴ることやイカから蒸気が出る際に「ポッポッ」と音が出ることから、イカのポッポ焼き、またはポンポン焼きと呼ばれるようになったと言われています。
ぽっぽ焼きの人気の秘密
上品でさっぱりとした甘さが特徴
ぽっぽ焼きは、黒砂糖と薄力粉を材料に水・炭酸・ミョウバンを加え、専用の細長い形状の焼き器で焼き上げる菓子です。
見た目は扁平で細長い形をしており、色は茶褐色。外側は焼き菓子特有のパリッとした、中は蒸し菓子のようなしっとりやわらかくもちもちとした二つの食感を楽しむことができます。
また、黒糖を使用しているので素朴な風味でありながら上品でさっぱりとした甘さがあり、食べ飽きないおいしさです。
新潟のお祭りの際には湯気に包まれた甘い香りが魅力のぽっぽ焼きの屋台が数多く出店しており、素材や作り方はそれぞれの店により異なるため、さまざまな味わいを食べ比べることもできます。
アレンジしても美味
そのままで食べてもおいしく、一日に何本でもサクッと平らげることができるぽっぽ焼きですが、自分なりにアレンジしてもさらに美味しくなります。
例えば、クリームを挟んで、チョコスプレーやフルーツを乗せてパフェのようにしたり、フライパンにバターを引いてぽっぽ焼きに焼き色を付けて、アイスを沿えてワッフルのようにしたり、さらには、その上品な甘さを活かしてスポンジケーキ代わりにすることでオシャレなケーキを作ることもできます。
シンプルだからこそたくさんの活用ができる、それがぽっぽ焼きのさらに嬉しいところですね。
ぽっぽ焼きを通販で
こまち屋 ぽっぽ焼き
新潟県新発田市にある「こまち屋」は、ぽっぽ焼きを30年以上作り続けてきた、ぽっぽ焼き一筋の専門店です。
こまち屋には原料選びから生地作り、焼きの工程までのそれぞれにこだわりがあり、手間を惜しまず丁寧に作られるぽっぽ焼きが人気で、屋台はいつも大行列のお店です。
こまち屋のぽっぽ焼きには5つのこだわりがあります。
甘さを左右する黒糖の使い方
ぽっぽ焼きの甘さを左右する黒糖はブロックの沖縄産黒糖を手作業で砕いたものを使用することで、粉末状のものに比べて風味が格段に上がり、上品な甘さに仕上がります。
厳選された原材料
風味を生かすための厳選された原材料のみを使用し、イーストフードや乳化剤などの添加物を使用していません。
生地の食感を良くする工夫
生地をふんわり・もっちりした食感に仕上げるための工夫として、原料となる薄力粉は一度全てふるいにかけて準備します。
熟練の職人ならではの水分量調整
長年の経験によって作る日の気温や湿度により生地の水分量を変えることで、絶妙の仕上がりになるように毎回調整しています。
特注の焼き器
ぽっぽ焼きにふっくらとした厚みを出すためにオリジナルの焼き器を特注しており、厚みを2cmまで膨らませることが可能です。
これらのこだわりを一つひとつに込めながら作られるこまち屋のぽっぽ焼きを、通信販売で購入できるようになりました。
1袋30本入りで、電子レンジやトースターで少し加熱して食べると、お祭りの屋台の懐かしい味をいつでも自宅で楽しむことができます。
レンジdeスティック焼きメーカー&粉シェーカー
「レンジdeスティック焼きメーカー&粉シェーカー」は、自宅で手作りのぽっぽ焼きを楽しめるセットです。
ホットケーキミックスや牛乳などの材料をコップ状の粉シェーカーに入れて振りながら混ぜ合わせて生地を作り、本体の細長い器具に作った生地をそのまま注ぎ入れ、電子レンジで約1分半温めたらでき上がり。
振って注ぎ入れた生地をレンジで加熱するだけの手軽で簡単な作業のため、お子さんと一緒でも安心して楽しめます。
ぽっぽ焼きから生まれたゆるキャラ「ポポペロ」
ぽっぽ焼きのイメージキャラクター
ポポペロは、新潟名物ぽっぽ焼きのイメージキャラクターです。
公式サイトのキャラクター紹介によると、ポポペロはぽっぽ焼きと同じ茶褐色で細長くへにょへにょとした薄い体で、自由な性格。食べ歩きが趣味で夏のお祭りの時期に出没するとのこと。
ポポペロストラップは10cmほどの携帯電話用のストラップで、細い手足とニッコリとしたゆるい表情が癒しの存在です。
ポポペロがおすすめする新潟名物
新潟名物 みかづきのイタリアン
1960年の発売から新潟市民に親しまれている「みかづきのイタリアン」は、自家製の工場で作られるもちもちの太麺を使用した焼きそばです。
もやしやキャベツと一緒にオリジナルのウスターソースで炒めて粉チーズで味付けされた焼きそばに特製のミートソースをかけた料理で、フォークを使って食べます。
自家製のもちもちの太麺は時間が経っても伸びにくく、炒める際にウスターソースの味を吸収することでミートソースとの絡み具合も絶妙になるようにこだわっています。
オリジナルのウスターソースも特注品で、酸味を抑えてりんごやたまねぎをたっぷり使用した深みのある味わいです。
そして、イタリアンの名にふさわしい特製のミートソースは、味の付いた焼きそばにかけて食べるのに合わせてやや薄めに仕上げてあります。
見た目はイタリアンですが、太麺はうどんのようでどこか懐かしい味が不思議ながらもやみつきに。ミートソースのほか、カレーソースやホワイトソースなど、季節によって別バージョンも出ています。
とんかつかねこ 新潟タレカツ丼セット
新潟で「カツ丼」といえば、カツを卵でとじた丼ではなく、薄めの衣で揚げられたトンカツを甘辛いしょうゆダレにくぐらせてご飯に乗せた「タレカツ丼」が有名です。
タレカツ丼は、1977年に新潟大学前で創業して以来、学生たちに40年近く愛されている名店「とんかつかねこ」の人気メニューで、新潟のB級グルメとしても知られています。
とんかつかねこは、学生に喜ばれるようにボリュームがあって安価なメニューを提供しており、なかでも人気のタレカツ丼セットは、手作りのパン粉を使ったサクサク感が絶妙のカツに、創業時から変わらない秘伝のダシが効いた甘めのしょうゆダレがご飯と絶妙にマッチしたメニューです(商品写真は別店舗のタレとなっています)。
お祭りに欠かせない屋台菓子「ぽっぽ焼き」は、素朴な風味と飽きのこない味わいが魅力の新潟のソウルフードとして、これからも世代を越えて愛され続けることでしょう。