この記事の目次
安納芋とは
「安納芋」は何と読む?
スーパーで初めて「安納芋」の文字を見た時に「どう読むか悩んだ」という経験を持つ方は多いのではないでしょうか。安納芋は「あんのういも」と読みます。
どのような経緯で安納芋という名が付いたのか、はっきりしたことは分かっていませんが、第二次世界大戦後にスマトラ島から帰還した兵士が種子島に持ち込んで安納地区で栽培が始まったため、という説が有力です。
「安納紅」「安納こがね」の二品種が安納芋として正式に品種登録されたのは1998年。古くから食べられているさつまいものなかでは新しい品種となります。
旬と産地
種子島で栽培が開始されて品種登録された安納芋は当初、栽培・販売も種子島以外の地では認められていませんでしたが、2013年10月29日に解禁され、その後は種子島以外の地でも栽培されるようになりました。
最もおいしく食べられる旬は10月から1月。収穫は9月から11月にかけて行われますが、1ヵ月から2ヵ月寝かせることでさらに熟成させ、甘みを引き出してから出荷されます。
安納芋の保存方法
13度から15度が最適
安納芋がおいしい旬の時期でも、間違った保管方法ではおいしさが減少してしまいます。安納芋の保管温度は13度から15度がベスト。室温が適温の場合は、さつまいもを一つずつ新聞紙でくるみ、風通しの良い直射日光の当たらない場所で保管しましょう。
13度以下になってしまうとカビが生えてしまうなど傷んでしまうため、冬場は発泡スチロールの箱などに入れておくのもおすすめです。冷蔵庫の保管は絶対にしないようにしましょう。
焼いてから冷凍してもOK
長期間保存したい際は、焼き芋や茹で芋にしてからラップでつつんで冷凍庫に入れるとしっかり保存できます。
安納芋の焼き芋は電子レンジで作れる?
せっかく手に入れた安納芋ですから、ぜひ美味しい焼き芋としていただきたいですね。ここからは、具体的に焼き芋の作り方を見ていきましょう。
トロトロ感を味わうならオーブンで
甘い安納芋はオーブン焼きがおすすめです。中までじっくり火を入れることで、ねっとりトロトロに。おいしく仕上げるポイントは以下のとおりです。
- 手順1安納芋を一個ずつアルミホイルで包む
- 手順2オーブンで焼く時間の目安は170度で1時間ほど(大きさやオーブンの特性によって時間は変わるので、あくまで目安)
- 手順3焼き上がったら庫内に10分ほど置いておき、予熱で仕上げる
少々時間がかかり、電子レンジに比べると電気代もかさんでしまいますが、時間をかけるだけのかいはあります。
電子レンジだとややパサパサになってしまう
基本的に電子レンジはおすすめできません。電子レンジを使用すると安納芋の特徴であるたっぷりの水分が飛んでしまうため、パサパサ感が強い仕上がりになってしまいます。これは、電子レンジが水分子を振動させることで食べ物を温める性質があるためです。
どうしても電子レンジで、という場合は下記の方法で。
- 安納芋を水で濡らした新聞紙でくるみ、500Wで2分
- 解凍モード(200W程度)にして10分
電子レンジのメーカーや機種によって加熱時間が少し変わるため、様子を見ながら加熱しましょう。解凍モードは、時間に余裕がある場合は20分に伸ばすと比較的美味しくいただけます。
トースターだとホクホクに
電子レンジよりもおすすめなのがトースター。電子レンジに比べて時間はかかりますが、中まで火を通すことができます。方法は以下のとおりです。
- 安納芋を濡らしたキッチンペーパーで包み、さらにアルミホイルで包む
- オーブントースターで60分ほど焼く
温度調整ができるオーブントースターの場合、設定温度を低めにしてじっくり時間をかけて焼き上げるのがおすすめです。電子レンジと同じくトースターもメーカーや機種によって加熱時間が異なるため、様子を見ながら加熱しましょう。
安納芋スイーツを通販で
スイーツファクトリー・スリーズ「安納芋トリュフ」
「安納芋トリュフ」は、カラフルな色合いが美しい安納芋のトリュフ。甘みたっぷりの安納芋のスイートポテトをチョコレートでコーティングしています。
ベルギー産チョコレートは、
- チョコレート
- ホワイトチョコレート
- 抹茶
- 苺
- キャラメルチョコ
の5種類あり、味だけでなく見た目でも楽しむことができます。
常温だけではなく、冷やしても温めてもおいしく食べられます。常温では安納芋本来の甘さと香り、冷やすとチョコレートのパリパリ食感、温めると安納芋とチョコレートの甘みを楽しめます。
おいもや「かりんこ」
「かりんこ」は、甘い安納芋の餡をカリカリの生地でくるんだ饅頭です。糖度40度以上の安納芋とサツマイモの二種を使った芋餡は、しっとりと深みのある味。揚げたてのかりんとうのようなサクッカリッとした食感の香ばしい生地には黒砂糖を使用。隠し味に味噌が使われています。
おいもや「イモンブラン」
種子島産の安納芋がたっぷり使われたモンブランです。熟練パティシエがこだわった安納芋クリームは、ねっとりしていながら優しい舌触り。着色料不使用の黄金色が美しいクリームは、安納芋本来の甘さを生かした味わいを楽しめます。
カップに入った「イモンブラン」の安納芋クリームの下は、安納芋クリームを引き立たせる生クリーム・カスタードクリーム・スポンジの計4層構造。両手に乗るサイズなので、食べやすいのも特徴の一つです。
くまもと風土「焼き安納芋ようかん」
色がきれいな種子島産の安納芋を使った煉りようかんです。低温でじっくり焼き、甘みが引き出された安納芋をペースト状にして使用。安納芋本来の甘さのほか、焼き芋の香ばしさも感じられます。
1本50gのスティック状になっており、持ち歩きにも便利。おやつだけでなくオフィスやスポーツ時のエネルギー補給にも活躍します。自然な甘さなのでくどすぎることもなく、老若男女どなたにもおすすめできる羊羹です。
種子島の「安納いも」地域ブランド化への取り組み
2010年に安納いもブランド推進本部を設立
古くから種子島で作られていた安納芋は、おいしさが広まるにつれて島外でも栽培されるようになりました。品質基準がなくばらつきが見られたことから、種子島では高品質な安納芋を供給できるように商標登録を試みましたが、残念ながら却下されてしまいます。
そこで2010年、「安心・安全で、おいしい安納いもをお届けするために」と「安納いもブランド推進本部」を設立。
安納芋の生産者と西之表市・中種子町・南種子町の3市町、鹿児島県、JA種子屋久は、島内で栽培・出荷される安納芋の統一基準の設定を行い、安納いもの地域ブランド化を目指したさまざまな活動を行っています。
部会員は、安心・安全な農林水産物を生産する取り組みが証明される、鹿児島県の「農林水産物認証(K-GAP)」を取得。甘さの基準も審査されており、指標となるブリックス(Brix)値の2倍希釈法において5個のサンプルの甘さ全てが10.7%以上にならなければ、「安納いも」ブランドとして認定されません。
品評会の開催、学生の視察などの受け入れも多く行っており、「島の宝」である安納芋の安定供給のために努力が続けられています。
審査をパスしたものには認証シール
「種子島の安納いも」として基準を決めたことから、高品質の安納芋の出荷体制が整いました。品質審査に合格したものにはブランドの証である認証シールが貼られています。
また、ウイルスフリーの有料種苗を供給する体制も確立。導入生産者会員への安定供給が可能になったことから生産も拡大しました。安納いもを用いた加工品の開発・販売も進められ、加工品と焼き芋の統一基準も設定されています。
トロトロと甘くておいしい安納芋は、ちょっとしたコツでもっとおいしく食べることができます。栽培が始まった地、種子島の安納芋は、厳しい品質基準を超えてきたものばかり。安納芋だけでなく、安納芋を使ったお菓子を食べる際にもじっくり甘さを味わってみてください。