ライフスタイルハトムギ茶の効能|健康に嬉しいけど副作用ってあるの?

ハトムギは美容に良い?美容液にも使われるその効果や副作用

雑穀米の中に入っていることもあり、最近では化粧水でもよく見かけるハトムギですが、お茶にしてもクセがなく美味しくいただけます。そんなハトムギ茶にはどのような効能が期待できるのでしょうか。副作用がないかも合わせて見ていきましょう。

ハトムギってそもそも何?

ハトムギってそもそも何?

ヒエやアワと同じ救荒作物

ハトムギはイネ科のジュズダマ属の一年生作物で、原産地はインドからミャンマーにかけてです。茎は約1.5mまで成長し、やせた土地でもよく育つので、ヒエやアワなどと同じように救荒作物(きゅうこうさくもつ)として利用されてきました。

殻を除いたものは薬用に、茎や葉は飼料として活用されています。精白して炊いたりお粥にして食べられ、インドシナ半島・インドネシアなどでは常食とされている場所もあります。製粉されたものはビスケットやクラッカーとして食べられたり、小麦粉と混ぜてパンを焼く時にも用いられています。

ハトが好んで食べるからハトムギ?

ハトムギの名前の由来として有力な説は「ハトが好んで食べるから」というもの。もう一つは「1反あたり8斗も収穫できたことから八斗麦(ハトムギ)」という説です。少ない土地でも多く収穫できるハトムギは、日本でも年間約1,100トン生産されています。

品種には「はとむすめ」「はとじろう」「はとちから」「はとひかり」など「はと」の名が付いたものがあるほか、「あきしずく」「とりいずみ」などがあります。加えて、品質が良く収量の高い品種の開発も進められています。

紀元前1500年ごろからの長い歴史

ハトムギは古くから栽培されてきました。古代インドの聖典「リグ・ヴェーダ」にハトムギに関する記載があることから、紀元前1500年ごろには、すでにインドでハトムギが栽培されていたと考えられています。

その後ハトムギは中国に伝わり、米のように炊いたり粉にして団子を作って食べられていたことが、6世紀の書物に記されています。

司馬遷の『史記』のなかにもヨクイニン(後述:ハトムギの実の殻を取り除いた種子から抽出する成分で作られる漢方薬)が滋養強壮食品として重宝されていたという記述があり、さらに、世界三大美女として有名な楊貴妃もハトムギを愛用していたと言われています。

マクロビオティックブームで注目

中国から日本にハトムギが伝わったのは、亨保年間(1716年~1735年)。当時は「チョウセンムギ」、「シコクムギ」、「トウムギ」などと呼ばれており、食べ物というよりは漢方薬や滋養強壮の料理に使用されていました。

江戸時代の医師「貝原益軒」は、産後や大病を患った後の体力回復の効能を期待してハトムギを処方し、『大和本草』にも、ひどいニキビにはハトムギを煎じて飲むと効果があると書いてあります。

ハトムギは漢方の医師に用いられるほか、肌の改善やイボ取りの民間薬の一つとして多くの人に重宝されてきました。さらに、近年のマクロビオティックブームにより、ハトムギ茶を始めとして、ハトムギの栄養素や効能が再び注目されています。

 

ハトムギ茶とは

ハトムギ茶とは

ハトムギ茶に使われているハトムギは多くの栄養素を含んでいます。まずはその特徴から見ていきましょう。

ハトムギは「穀物の王様」と呼ばれるほど

ハトムギ100gあたりの栄養価はおおよそ、

  • エネルギー:360kcal
  • 炭水化物:72.2g
  • 食物繊維:0.6g
  • 脂肪:1.3g
  • タンパク質:13.3g

となっており、ビタミンB1・B2・B3・B5・B6のほか、葉酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄分、亜鉛、銅、不溶性食物繊維などが多く含まれています。

ほかの雑穀に比べるとタンパク質やカルシウム、カリウム、鉄、ビタミンB1が豊富に含まれており、なかでも食物繊維は精白米の約2倍で「穀物の王様」と称されるほど栄養素の高い穀物です。

麦茶との違い

ハトムギ茶は香ばしい香りと少し甘味のある味で、クセがなく誰でも飲みやすいのが特徴です。また、ハトムギ茶と麦茶は名前が似ていますが全く別のお茶です。

麦茶はその名前の通り麦を原料としたお茶で、一般的に六条大麦を原材料にしたものを指します。六条大麦の収穫時期は5月〜6月で、主な産地は富山県、福井県、茨城県、栃木県です。

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ハトムギ茶はハトムギを原料としたお茶で、麦茶の原料である六条大麦と同じくイネ科の植物ですが、麦というよりは「トウモロコシ」に近いと言われています。収穫時期は9月〜10月で、主な産地は栃木県、富山県、岩手県、島根県などです。下にある関連記事のコーン茶はトウモロコシ茶ともよばれ、ハトムギ茶と同じくさまざまな効能が期待できると考えられています。

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例えばこちらの「山本漢方製薬 大型はとむぎ」は、ハトムギをおいしく飲みやすく焙煎したもので、ハブ茶と烏龍茶がバランス良く配合された健康茶です。

ティーパックで包装されているので、いつでも手軽に香ばしいハトムギ茶を飲むことができます。夏はアイス、冬はホットで一年中楽しめます。

 

ハトムギ茶の効能

ハトムギ茶の効能

ハトムギ茶を飲むことで、そのなかに含まれる栄養を手軽に摂ることができます。ハトムギを食べるのと同じように、美肌効果・利尿作用・体内の老廃物を排出する作用があるほか、むくみの軽減やイボの解消、血行・代謝の促進効果もあるとされています。

皮膚のターンオーバーを促進

ハトムギのタンパク質に含まれるグルタミン酸、ロイシン、チロシン、バリンなどは、肌の新陳代謝を高めて皮膚のターンオーバーを促進するため、肌荒れや乾燥肌の改善といった美肌への効能が期待できます。

抗腫瘍作用でイボを改善

ハトムギに含まれる成分「コイクセノリド」には抗腫瘍作用があり、イボを取る効果や皮膚の角質層の新陳代謝を促進する作用もあります。ハトムギの実の殻を取り除いた種子から抽出する成分で作られる漢方薬「薏苡仁(ヨクイニン)」は、むくみや下痢、消炎、イボ取りなどに効果的です。

ハトムギを使ったアトピーに対する試験では、ヨクイニンエキスの投与で改善が見られたという報告もあります。

便秘の解消

食物繊維には腸を綺麗にして便秘を解消する作用があります。便秘が解消されると体内に溜まっている毒素の約7割が排出されるとも言われ、体の内側から美しい肌になれる可能性も高まります。

余分な水分と老廃物を排出

カリウムは体内の余分な水分と老廃物を排出して血流を良くし、筋肉の活動のサポートや血圧を下げる働きをします。また、利尿作用によって体内の水分量が調節されるため、むくみ解消にも効果的です。

注意
ハトムギ茶には上記のとおり利尿作用がありますが、その結果として体を冷やしてしまうため、冷え性の方や妊娠中の方は飲み過ぎに注意してください。

血管の老化を防ぐ

ビタミンB群は老化を引き起こす活性酸素から体を守る効果があり、粘膜や皮膚も保護します。このなかでもハトムギには、血管の老化を防ぎ、血液を正常に保つ働きをするナイアシンが多く含まれています。

副作用はあるの?

ハトムギは安全性が高い食品だと考えられており、副作用は特になく、薬との相互作用もありません。

 

ハトムギ化粧水はニキビに効能アリ?

ハトムギ茶には多くの面で効能に期待が持てそうですが、最後に、最近よくドラッグストアーで見かけるハトムギ化粧水にも効能があるのかどうかチェックしてみます。

お財布に嬉しい化粧水

ハトムギ化粧水は、どの肌タイプにも使用できる万能化粧水です。大容量でたっぷり使えるうえに、身近なドラッグストアにて低価格で販売されているのも魅力。特にニキビ肌の人には人気があります。

新陳代謝が上がってターンオーバーを正常に

ハトムギがニキビに効果があると言われているのは、余分な水分や老廃物の排出作用が高まることで、排膿、解毒作用、皮膚の浄化につながり、症状が緩和されると考えられているからです。新陳代謝が良くなるので肌のターンオーバーが正常になり、厚くなった角質も新しい皮膚に生まれ変わります。

ニキビだけでなく、肌荒れを防ぐ、清浄効果がある、日焼けの火照りを防ぐ、肌を引き締めて化粧崩れを防止する、といった効能も期待でき、アトピー性皮膚炎やアレルギー、敏感肌、乾燥肌の人にも愛用されています。

 

ハトムギ茶は、スッキリと飲めるだけではなく、健康や美容にも多くの効能が期待できることが分かりました。いつまでも若々しい肌を保ちたい方や肌トラブルに悩んでいる方にとどまらず、年齢を問わず多くの方にもぜひ楽しんでもらいたい飲み物です。上手に日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。