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南高梅の由来
南高梅発祥の地 みなべ町
和歌山県中部にあり緩やかな丘陵地帯が大部分を占める日高郡みなべ町は、南高梅の発祥地。日照時間が長く、黒潮がもたらす潮風によって年間を通して温暖なため、梅の栽培に適しています。
2月中旬には白い梅の花が咲き、その香りが辺り一帯に漂うさまは「一目百万、香り十里」と称されるほど。出荷時期はその年の生育状況によりますが、おおよそ5月下旬から7月初旬になります。
当初は小粒な「やぶ梅」の栽培が主
南高梅というブランドが確立したのは昭和に入ってからですが、みなべでの梅栽培は江戸時代にさかのぼります。みなべは斜面が多く稲作には適さない土地ですが、梅は生命力があるため、この地方を治めていた田辺藩主は在来種「やぶ梅」の栽培を推奨。やぶ梅は小粒だったものの江戸でヒットし、みなべの梅干しは広く認知されることとなりました。
明治時代に入ると、梅干しは軍隊の常備食に使われたりコレラや赤痢の予防や治療に用いられたりしたことで需要が増え、本格的に梅畑を経営する農家が登場。この時代に、高田貞楠(さだぐす)が和歌山県の旧・上南部村(現みなべ町)で果実の大きな梅を発見し、「高田梅」と名付けて栽培を始めました。
「南部高校」と「高田梅」
昭和に入ると、優良品種の梅探しが行われます。そして、1951年(昭和26年)に発足した梅優良母樹種選定会において、5年に及ぶ研究調査の結果、高田梅は最優良品種として選出され、これが現在の南高梅となりました。
その長きにわたる調査に貢献したのが南部高校の教諭と生徒だったことから、南部高校の「南」と高田の「高」より「南高梅」と名付けられたとされています。また、昭和40年には高田貞楠の申請名で正式名称の登録がなされています。高校名が南高梅の由来とは、驚きですね。
2006年には地域団体商標制度の認定第一弾として「紀州みなべの南高梅」を取得し、地域ブランドとして認定されます。
南高梅ってどう読むの?
「なんこううめ」か「なんこうばい」
「南高梅」は正式には「なんこううめ」と読みますが、しばしば一般やメディアなどでは「なんこうばい」と読まれることもあります。
南高梅の特徴
南高梅の重さは1粒25g~35gと大粒で、薄い果皮・ふっくらと厚い果肉・小さな種・豊かな香りが特徴です。また、梅干し用の南高梅は完熟した状態で収穫されるため、甘酸っぱくフルーティーでとろけるように柔らか。
梅干しをはじめとして、梅酒やジュース・梅酢・お菓子などの商品バリエーションが多くあり、贈答品としても人気があります。
南高梅を通販で買うなら
紀州のおいしい梅干し屋さん梅美膳
「紀州のおいしい梅干し屋さん梅美膳」は、さまざまな風味を楽しめる南高梅の梅干しや梅ドリンクなどを製造しています。なかでも人気がある梅干しは下記の4種類になります。
・みかん蜂蜜入り梅干し
和歌山はミカンの産地としても有名ですが、そのミカン畑で採れる蜂蜜を入れた梅干しは、トロリと甘い蜂蜜で梅干しの酸っぱさが抑えられています。非常にまろやかな味わいで人気No.1の商品です(塩分約5%)。
・黒糖和蜜梅
沖縄産の黒糖と希少な日本蜜蜂の和蜜を使用。南高梅の旨みが引き立ちクセになる味です(塩分約5%)。
・低塩しそ漬け梅
天然の紅シソの鮮やかな色と香りが食欲を刺激し、ご飯が進む昔ながらの梅干しです(塩分約7%)。
・梅マイルドうす塩味
マイルドで食べやすく、さっぱりとした後味が好評です(塩分約7%)。
これらの4種類を詰め合わせた商品は一度に色々な味を試せるのでおすすめ。このほかにも味小梅や白干梅・かつお梅などがあります。また、味には遜色ありませんが、不揃いなサイズや多少のつぶれなどで「訳あり」となった各種梅干しもお値打ち価格で販売されています。
福梅本舗 紀州南高梅 かつお梅
最高ランクの南高梅を使用した福梅本舗の「かつお梅」は、さわやかなシソと香ばしいカツオの旨みがたまりません。酸味や塩分が強くないため口あたりが良く、子どもからお年寄りまで幅広い層から支持されている、リピーターが多い逸品です。
丹精込めて作られたかつお梅は、ご家庭やギフトでも喜んでもらえること間違いなし。
梅翁園 紀州南高梅酒
調味梅干しや南高梅を使用した数多くの商品を生み出してきた梅翁園が販売する「紀州南高梅酒」は、樹上で完熟した南高梅をじっくりと漬け込んで作られたお酒です。
こだわりの梅酒は果実感あふれる豊かな風味と優しいのどごしが特徴で、とても飲みやすく、女性にも好まれる味わいです。
不動のうめ 紀州南高梅8種彩りセット
うす塩味梅・はちみつ梅・まろやか梅・かつお梅・白干梅・しそ漬梅・こんぶ梅・キムチ梅の8種類の梅干し(各60g)を楽しめる「彩りセット」は、紀州梅干し専門店「不動のうめ」の人気商品の詰め合わせです。
・うす塩味梅
不動のうめで一番人気の梅干し。塩味、甘味、酸味のバランスが絶妙な自慢の逸品です。
・はちみつ梅
はちみつの甘さと大粒の南高梅のやわらかな果肉が一体となり、とろけるおいしさです。
・まろやか梅
甘くなく、塩味が強すぎず、さっぱりとした酸味で食べやすい梅干し。
・かつお梅
鹿児島県山川産の鰹節と国内産の極上ちりめんジソを使用。お弁当やおにぎりと相性抜群で、おつまみにもなります。
・白干梅(しらぼしうめ)
南高梅と塩だけで作られた、塩味と酸味のキレがある昔懐かしい素朴な梅干し。
・しそ漬梅
極上ちりめんジソを絞った液と天然のシソ色素で漬け込まれた赤い梅干し。オーソドックスな酸っぱい味わいは白ご飯にピッタリです。
・こんぶ梅
日高産の昆布の旨みとマイルドな味わいが魅力の梅干し。
・キムチ梅
はちみつを加えた甘酸っぱい南高梅に、秘伝のキムチ液の魚介風味と唐辛子のピリ辛さがよく合う梅干し。意外な組み合わせとおいしさでメディアにも取り上げられ、話題となりました。
地域ブランド「紀州みなべの南高梅」
8割は紀州梅干しで残り2割は加工品に
みなべ町で採れる南高梅のおよそ8割は紀州梅干しとして出回り、残りの2割ほどは青梅として梅酒・ジュース・ジャムなどの加工用となります。完熟で収穫される梅干し用の実は、水洗いして塩で漬け込み、しばらくすると出てくる果汁に浸漬。
梅雨明けに3日~4日かけて天日(土用)干しが行われた後は、粒のサイズで7段階、品質(傷の有無)で4段階と厳しく品質や等級が選別されます。その後、樽に詰めて保存し加工場へと輸送。味の調整や二次加工がされ、カップに詰められて販売に至ります。
全国に先駆けてトレーサビリティを導入
みなべいなみ農業協同組合は、「紀州みなべの南高梅」の品質やブランドを維持・管理するため、生産から販売の多岐にわたって組織で活動しています。全国に先駆けてトレーサビリティ(追跡可能)システムを導入するなど、安全・安心な商品提供に余念がありません。
みなべ町だけで全国のおよそ2割~3割の収穫量
生産・加工・販売・行政が一体となって最高品質の維持や新商品の開発・品種改良などに取り組んできた成果として、みなべ町は一町で梅の全国収穫量のおよそ2割~3割という高いシェアを誇っています。
安全・安心でおいしい梅のトップブランドとして全国でも認知され、安価な外国産の梅との商品差別化も図ることができています。
温暖で自然豊かな紀州にはおいしいものが数多くありますが、その代表ともいえるのが南高梅です。梅干しや梅の加工品を好きな方もそうでない方も、最上級の南高梅を食卓に取り入れてみたり、大切な方への贈り物としてみてはいかがでしょうか。