日本一の生産量を誇る広島県の牡蠣をお腹いっぱい食べる!

日本一の生産量を誇る広島県の牡蠣をお腹いっぱい食べる!

瀬戸内に面した穏やかな広島湾で養殖された広島牡蠣は、身が大きく濃厚な味わいが特徴で、日本一の生産量を誇る広島の特産品です。今回は、国内最大の生産地で取り組まれる広島牡蠣の安全対策と養殖方法を紹介します。

生産量日本一を誇る広島産牡蠣のさまざまな施策

生産量日本一を誇る広島産牡蠣のさまざまな施策

広島牡蠣の特徴

広島は牡蠣の生産量が国内一位で、全国の生産量の60%以上を占める国内最大の牡蠣生産地です。

牡蠣は生育環境により殻の形や大きさが変わる特徴がありますが、広島の牡蠣は黒紫色で深いくぼみを持った殻で、一般的に殻の形は小さく、その割に身が大きくプリッとしていて味が濃厚であることが特徴です。

身は「肉重量指数」で評価されますが、広島の牡蠣はその数値が最も高いとされています。毎年10月ごろに牡蠣の水揚げが解禁されて5月ごろまで出荷が続きますが、旬は1月~2月です。

広島牡蠣の安全対策

広島では全国生産量の60%を占める牡蠣の安全対策として、県の主導で牡蠣の取り扱いが適正に行われ、衛生的品質管理の向上や信頼性の確保がなされています。

牡蠣の処理

牡蠣をむき身にする場合、また、むき身にした牡蠣の洗浄・詰め合わせについて「かきを処理する作業場に関する条例」が制定されています。

この条例では牡蠣作業場の運営に県の許可が義務付けられ、2017年には県内の415の施設により安全かつ適切な処理が行われています。

海域の調査

生食用牡蠣の加工基準を遵守するために、11月~3月までの生食用牡蠣の収穫時期に合わせて、海水と養殖海域の衛生状態に関する調査が行われています。

海水の細菌検査、食中毒起因菌検査、サンプリング調査などの実施を通して、牡蠣の衛生と品質向上に向けての取り組みがなされています。

生食用牡蠣の規格基準

内臓まで生で食べられる生食用の牡蠣については、健康被害の防止を目的に食品衛生法で規格基準を設置し、表示についても以下のように細かく指定をしています。

  • 生食用牡蠣は表示事項を緑色で記すこと
  • 白地に赤色の文字で「生食用」と表示すること
  • 加熱調理用の牡蠣は表示事項を黒色で記すこと

また、生食用牡蠣は食品衛生法に基づき、採取海域名の表示が義務付けられていますが、広島県では加熱調理用の牡蠣も同様に採取海域の表示が行われています。

表示については広島湾・広湾・三津湾に分類され、これをさらに小分類した詳細地域までが表示されています。

ノロウィルス検査

生食用の牡蠣について、毎週1回~2回、広島湾の7つの海域に区分してノロウィルスの自主検査を行い、検査結果を表示するなど安全対策に努めています。

 

おいしくておすすめの広島牡蠣

おいしくておすすめの広島牡蠣

かきアイランド 広島県産牡蠣 殻付き

かきアイランドを運営する「有限会社 長船養殖場」は、1952年の創業時から広島牡蠣専門店として牡蠣養殖に取り組んでいます。

広島県北部海域の自然豊かな広島湾で育てられた新鮮な殻付きの牡蠣は、蒸しても焼いても最高においしく、ボリューム満点の60個入りです。

いそはま本舗 牡蠣昆布佃煮

牡蠣昆布佃煮は、広島県産の牡蠣と北海道産の昆布をじっくりと手作りで手間暇かけて焚き上げた佃煮です。風味豊かでご飯のお供や酒の肴にオススメ。

餃子家龍 ひろしま牡蠣餃子

餃子家龍は、1947年に広島市で創業した井辻食産が手掛ける餃子の持ち帰り専門店です。

月間5万食を販売する人気餃子店のひろしま牡蠣餃子は、広島県産のプリプリで濃厚な味わいの牡蠣を贅沢に使用した餡が一つひとつ丁寧に手作業で包まれています。

本物の広島牡蠣のおいしさを味わってほしいとの願いから、牡蠣が旬の時期のみの限定商品で、お酒にもよく合う味付けです。

 

牡蠣養殖の盛んな広島湾

牡蠣養殖の盛んな広島湾

広島湾の自然環境

広島湾は広島県と山口県に囲まれた湾で、四国と本州の間の瀬戸内海に位置しています。流域面積は3743平方キロメートル、海域面積が1043平方キロメートルの閉鎖性の海域で、波が穏やかで島や岬に囲まれた地形が特徴。古くから瀬戸内海航路として発展し、海の幸に恵まれた湾です。

牡蠣をつるした重い養殖用のいかだが設置しやすい、適度に潮の流れがあり不純物を洗い流してくれる、など、牡蠣の生育に適した条件がそろっている湾とされています。

陸地から河川水が流れ込む割合が大きい広島湾は、山からの豊富なミネラルや栄養素に恵まれており、良質なプランクトンを増殖することができます。

また、牡蠣は少し薄めの海水を好む傾向がありますが、広島湾は海水と河川水により塩分濃度がほどよく薄まり養殖に有利な条件なのです。

古い歴史を持つ広島湾の牡蠣養殖

広島湾周辺では縄文時代や弥生時代の貝塚から牡蠣の殻が出てきており、古くから天然の牡蠣が自由に食べられていたと考えられています。なお、広島で牡蠣の養殖が始まったのは室町時代末期ごろからです。

養殖には主に以下の方法があります。

  • 石蒔式養殖法:干潟に小石を並べて牡蠣を付着させることで成育させる方法
  • 地蒔式養殖法:干潟の砂の上に牡蠣を直接置いて成育させる方法
  • ひび建て養殖法:竹や雑木を干潟に立てて牡蠣を付着させることで成育させる方法(昭和初めまで長く行われていた養殖方法)
  • 杭打垂下法:干潟に1.4mほどの棚を作り、貝殻と竹の管を交互に通した連をぶら下げて牡蠣を付着させることで成育させる方法
  • 筏式垂下法:筏(いかだ)に牡蠣の種が付いている貝殻と、竹やビニールなどの管を交互に通した連をぶら下げて成育させる方法

筏式垂下法は、1932年に広島県水産試験場により初めて採用された方法です。当初はスギやヒノキを使用していたため風や波に弱かったものの、改良を重ねて孟宗竹で組み立てた筏により製作費が安く頑丈に作れるようになり、この方法が普及しました。

筏式垂下法により、それまで干潟でのみ行われていた養殖が沖合を漁場とすることが可能となり、広島の養殖牡蠣の生産量拡大につながりました。

自然を守るための「広島湾再生プロジェクト」とは

広島湾再生プロジェクトとは、関係省庁や自治体が連携し、広島湾の保全・再生に取り組むプロジェクトです。

近年の広島湾では、有害プランクトンによる赤潮の発生や海底付近での貧酸素水塊(ひんさんそすいかい)の発生により、漁業被害が深刻化しています。

また、沿岸地域では干潟が消失して自然海岸が少なくなり、さらには海水浴や潮干狩りができる親水空間の減少により観光客が減少しているなど、広島湾に対する関心の低下も懸念されています。

一方で、厳島神社や原爆ドームなどの世界遺産が存在することから、保全に向けての担い手が必要になります。そこで考え出されたのが「広島湾再生プロジェクト」でした。

プロジェクトでは、『森・川・海の健やかなつながりを活かし、恵み豊かで美しく親しみやすい「広島湾」を保全・再生し、次世代へ継承する』ことを行動指針とし、汚水対策や広島湾に対する関心を高めて親水空間の利用を活性化する取り組みが行われています。

貧酸素水塊
生物が生息できないほど酸素の濃度が低下した状態の海水の塊が広い範囲にわたって発生している状態。主に夏場に発生する

 

穏やかな波と島や岬に囲まれた静かで恵まれた環境の広島湾で養殖された広島牡蠣は、地域ぐるみの環境対策や牡蠣の取り扱いに対して適切な取り組みが行われることで、信頼が確保されているのです。これからも、広島は国内最大の牡蠣の生産地として成長し続けていくことでしょう。