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ホッピーとは
ホッピーは、ホッピービバレッジ株式会社が製造・販売しているビールテイストの清涼飲料水です。戦後の大衆居酒屋で日本独特の「割って飲む」文化を確立し、昔からのファンはもとより若い世代にも人気が広がっています。
戦後にビールの代替品として登場
ホッピーは1948年、赤坂で当時のコクカ飲料株式会社が製造・販売を開始しました。ビールを庶民があまり口にできないような時代に代替品として登場したのがホッピーです。
ビールより安く早く酔えるうえに、そのころに出回っていた粗悪なアルコールもホッピーで割って飲むとおいしくなることからたちまち人気となり、アルコールをホッピーで割って飲む方法が自然と広まっていきました。
主に関東圏で販売され、東京・神奈川・埼玉で全体の約8割が消費されており、東京の居酒屋ではお馴染みの低アルコール飲料です。
アルコール度数は?
ホッピーのアルコール度数は約0.8%。アルコール分が1%未満なので日本の法律では清涼飲料水という扱いになります。
健康志向の方には嬉しい理由がたくさん
低アルコール
低アルコールなので、お酒の弱い人はそのまま飲むかノンアルコール飲料と合わせて飲むのもおすすめです。また、健康に気を使っている人やダイエット中の人でも飲みやすいのがホッピーの良いところです。
低カロリー
ホッピーは100ミリリットルあたり約11キロカロリーと、ビールの約4分の1のカロリーです。70ミリリットルの焼酎を割った場合でもビールの約4分の3程度で、ほかのアルコールよりも低カロリーに抑えられます。
低糖質
糖質が低いのもホッピーの魅力。100ミリリットル中に約7グラム、黒ホッピーは約1.9グラムとなっています。蒸留酒である焼酎は糖質ゼロなので、糖質が気になる人は焼酎を割るのがおすすめです。
プリン体ゼロ
ホッピーには通風などを引き起こす原因にもなるプリン体が含まれていません。焼酎にもプリン体は含まれていないので、プリン体が気になるお酒好きな人の強い味方になるでしょう。
低価格
酒屋や量販店などでは1本120円前後で購入できます。居酒屋などではホッピーと焼酎のセットが300~500円となっており、また、ホッピー1本で3杯程度作れるので、大変お得にお酒を楽しめます。
ほかにも、ホッピーの酵母にはビタミンB1・B2・ニコチン酸・葉酸・必須アミノ酸・ミネラルといった新陳代謝を活発にする栄養素が含まれています。通常、アルコールを分解する時に新陳代謝は低下してしまうのですが、それを補う成分が含まれているのは嬉しい点です。
ホッピーについてさらに詳しく知る
ニューヨークにも進出
ホッピービバレッジ社は、長らく首都圏を中心に確固たる浸透を見せていたホッピーを海外でも展開することに決めました。
ホッピーの知名度は高い一方、その裏返しとして、ブランドイメージが変わりにくいという側面も持ち合わせています。固定化された市場の中での戦いを続けていくと販売が先細りしていく可能性もふまえ、新たな国・新たな市場でのチャレンジが検討されたのです。
そして、候補に挙がったロンドン・パリー・ニューヨークの3都市からニューヨークが選定され、2013年7月に正式に海外進出を果たしました。
ビンのルーツもアメリカにあり
1948年のホッピー発売後、その人気はまたたくまに広がります。その結果ビンが急速に不足し、アメリカの進駐軍が廃棄するビールビンを寄せ集めることでなんとか一時的な危機を脱します。こういった歴史もあり、ホッピーのシルエットやロゴは、アメリカのビールに似ていると言われることがあります。
そのため、ニューヨーク進出を果たしたホッピーは、見方を変えれば「アメリカにカムバックした」と考えることもできるかも……?もしかすると、商品のシルエットやロゴなど、アメリカ人に受け入れられやすい要素を備えていることも、この市場がターゲットに据えられた要因の一つかもしれませんね。
また、いまでもビンは貴重な資源。特定の販売方式では、飲み終わった後にビンを返却すると一部のお金を返してもらえます。
ホッピーでよく聞く「なか」と「そと」
居酒屋に行くと、「なかおかわり」「そとください」といった言葉を耳にすることがあると思います。そう、その「なか」と「そと」こそ、ホッピーの正体なのです!
「なか」と「そと」とは?
居酒屋などでは初めからジョッキに焼酎が入った状態で瓶のホッピーとともに提供されることが多いのですが、その焼酎を「中(なか)」、ホッピーを「外(そと)」と呼んでいます。好みの濃さで割っていくので、足りなくなった方を追加で注文することができます。
「なか」に使われるお酒
なかは焼酎が多いホッピーですが、焼酎以外にも色々な飲み物と楽しむことができます。
くせの強くないジンを割るとすっきりとした爽快な味わいに、ラムでは甘味と焦がしたような苦みのある深い味に、白ワインを割るとスパークリングワインのような爽やかさが味わえます。
TV番組の企画で数々の「中(なか)」のうちホッピーに最も合うとされた「レモンチェッロ」は、イタリア生まれのレモンで作ったリキュールです。甘酸っぱく爽やかな風味が飲みやすく、ビタミンCが豊富に含まれていることから美容にも良いと女性を中心に人気となっています。
「なか」で定番の焼酎
宮崎本店 キンミヤ焼酎
ホッピー好きから圧倒的な支持を受ける「キンミヤ焼酎」は、創業1846年の長い歴史を誇る三重県四日市市の「宮崎本店」で製造・販売されています。
甲類焼酎のキンミヤ焼酎は無色透明ですっきりとした口当たり。クセのないまろやかな味わいは、ホッピーと合わせるとその旨みをより一層引き立てます。キンミヤ焼酎をシャーベット状に凍らせた「シャリキン」という飲み方も人気があり、家庭でも手軽にシャリキンを楽しめるようパウチパックのキンミヤ焼酎も販売されています。
ホッピーの白と黒
白と黒の違い
1992年に製造が開始された「黒ホッピー」に対し、通常タイプのホッピーを「白ホッピー」と呼んで区別しています。一番の違いは、白ホッピーの原材料には淡色麦芽が使われ、黒ホッピーには濃色麦芽が使われていることです。
白ホッピーはすっきりとした爽快なのどごしが楽しめ、黒ホッピーはコク・苦みとほのかな甘みが感じられます。
ハーフ&ハーフもおすすめ
ホッピーを初めて購入するなら、基本のホッピーか白黒のセットが良いでしょう。白と黒、それぞれを楽しんだら次に試してみたいのがホッピーの「ハーフ&ハーフ」です。文字通りホッピーの白と黒を半分ずつグラスに注いだもので、きれいな琥珀色の液体が現れます。白の爽快感と黒のコクの両方を一度に味わえるおすすめの飲み方です。
ホッピーの作り方
基本は「三冷」
そのままでもビール風味の飲料としておいしく飲めますが、ホッピーには基本の「三冷」と呼ばれるスタイルがあります。ホッピー・焼酎・ジョッキをよく冷やして飲むというもので、ホッピーと焼酎は冷蔵庫で冷やし、ジョッキは冷凍庫で凍らせます。
氷は入れない
氷は味を損なうので入れません。焼酎を入れたジョッキに勢いよくホッピーを注いで完成です。そうすることで泡が十分に立ち、ビールにより近い見た目となります。焼酎は甲類25度がおすすめです。濃さを好きなようにカスタマイズできるのがホッピーの魅力の一つですが、目安としては、「焼酎」:「ホッピー」が1:5の割合になるようにするとバランスよくいただけるでしょう。
ホッピーに合うおすすめのおつまみ
須田本店 水郷の豚もつ煮込み
余分な調味料を使わず野菜の旨みと濃い目のしょう油でじっくりと煮込み、もつ特有の臭みもなくやわらかく仕上がっているので、もつが苦手な人でもおいしくいただけます。濃い目の味付けはおつまみにはもちろん、野菜などほかの具材を足して煮込めばご飯のおかずにもなる便利でおいしい一品です。
若丸 馬刺し
低脂肪・低カロリー・高たんぱく・高鉄分と良いことづくめの馬刺し。九州に次ぐ馬肉文化が育まれた信州の馬刺し専門店「若丸」の馬刺しは、自然豊かな土地でのびのびと育った健康な馬肉。食べきりサイズの真空パックを瞬間急速冷凍しているので、いつでも新鮮な状態で食べることができます。
コリコリとした適度な弾力とレバー独特の味わいが楽しめる「馬レバー刺し」、一頭の馬から5キロほどしか採ることができない希少部位の「馬タテガミ刺し」、ユッケやカルパッチョなどにしてもおいしい「馬刺し中落」は赤身と霜降の二種類があります。
さえんばニュー山重 ハムカツ
さえんばニュー山重のハムカツは、昔懐かしい薄いハムとは全く違う驚くほど肉厚でジューシーなハムをカツにしています。ハムステーキをカツにしたようなボリュームですが、さっぱりとした旨みのある肉質なので食べやすくなっています。冷凍されたものをそのまま揚げるだけなので、思い立ったらすぐに食べられるのもおつまみには良い点です。
始まりはビールの代替品だったホッピーですが、「ホッピーの方がビールよりも好き」という意見も多く聞かれる人気の飲料になりました。焼酎以外にもさまざまなお酒と組み合わせて、自分だけのオリジナルを探してみるのも楽しいですね。