この記事の目次
モダン焼きとはどんな料理?
モダン焼きとは
焼きそばが乗せられたお好み焼きである「モダン焼き」。ボリュームがあり食べごたえのあるモダン焼きは、お好み焼きと同じく大変人気のある料理です。
モダン焼きには、お好み焼き生地の下に焼きそばを敷いて作る方法と、生地に焼きそばをはさんで作る方法とがあります。
さらに、麺は茹でたものを使うのか、蒸した麺使うのか。麺はお好み焼きにそのまま乗せるのか、鉄板で焼くのか、など、店によって違いがあることも特徴の一つです。
モダン焼きの歴史
諸説ありますが、モダン焼き発祥の地は神戸市長田区にあるお好み焼き屋「志ば多」。1947年(昭和22年)創業の志ば多は、1950年(昭和25年)にモダン焼きを発売しました。当初はお好み焼きに焼うどんという組み合わせでした。
もちもちの生地と太麺の焼きそばに甘いソースという「元祖・モダン焼き」を味わいに、全国各地から多くの人が店を訪れています。
モダン焼きとお好み焼き、広島焼きとの違い
モダン焼きとお好み焼きは、麺のありなしのほか焼き方にも違いがあります。
お好み焼きは時間をかけて生地の中までじっくり火を通しますが、モダン焼きは強火で短時間のうちに焼き上げます。
混同されがちなのがモダン焼きと広島焼きです。どちらも焼きそばを使うことから同じものと考えられていることも多いのですが、それぞれ別の料理となります。
モダン焼きは、お好み焼きに焼きそば乗せたもの。一方の広島焼きは、クレープのような薄い生地に野菜や焼きそばなどの具材を重ねたものです。モダン焼きやお好み焼きのように生地に具材を混ぜることはありません。
また、作り方にも違いがあります。
モダン焼きの作り方
- 手順1お好み焼きの生地を焼くと同時に焼きそばを炒め始める
- 手順2生地が焼けてきたら焼きそばを乗せてひっくり返し、生地と麺がくっつくようヘラで押す
- 手順3生地が焼けたらソースやマヨネーズ、青のり、鰹節などをトッピングする
広島焼きの作り方
- 手順1生地を薄めに、クレープのように丸く広げる
- 手順2生地の上に鰹節粉をふりかける
- 手順3キャベツ、天かす、もやし、薄切りの豚肉などをたっぷり重ねていく
- 手順4つなぎとして生地を具材の全体の上にかける
- 手順5焼きそばを焼き始める
- 手順6生地ができたら焼きそばを乗せる
さまざまな鉄板系粉もの
全国にはさまざまな粉もの料理が存在します。そのなかから、よく知られている粉もの料理をご紹介します。
山形県 どんどん焼き
割り箸にくるりと巻かれているどんどん焼きが山形に定着したのは、第二次大戦前。大正時代より東京の屋台で売り歩かれていたどんどん焼きを山形に持ち帰った人物が大場亀吉です。熱いどんどん焼きを食べやすくするため、大場亀吉は割り箸に巻きつけて販売するようになりました。
名前の由来は、売り歩く際に太鼓をドンドンと鳴らしていたことからきています。
東京都 もんじゃ焼き
お好み焼きと似て非なるもんじゃ焼きは、東京下町のローカルフードです。水分が多い生地には具材やソースが入っており、小さいヘラで鉄板から直接食べることができます。
生地に水分が多いため鉄板にキャベツなどで土手を作り、その土手の中に生地を流し込み焼き上げます。
名前の由来は諸説ありますが、古くからある文字を書いて焼く「文字焼き(もじやき)」が「もんじゃ」になったというものが一般的です。
静岡県 遠州焼き
静岡県浜松市の遠州焼き。多くは丸ではなく長方形をしています。最大の特徴は具材にたくあんが使われていること。たくあんは浜松の特産品であったことから、戦後の食料不足の際にも手に入りやすい食材でした。
薄めに焼いた生地を三つ折りにした遠州焼きは、たくあんのコリコリとした食感を楽しむことができます。
大阪府 たこ焼き
大阪名物たこ焼き誕生の地は、大阪市西成区にある「会津屋」です。たこ焼きの元祖であるラジオ焼きの改良を重ね、1935年(昭和10年)、タコと卵で作るたこ焼きが販売されました。
当初は生地に味をつけたままのものや出汁で食べるたこ焼きが多くありましたが、戦後にソースが普及すると、たこ焼きにも用いられるようになりました。
大阪府 イカ焼き
イカの切り身が入ったイカ焼きも大阪のソウルフードの一つです。たっぷりイカが入った生地を押し付けるように焼き上げ、甘辛いソースをつけていただきます。もちもちの生地とプリプリのイカの食感が特徴です。
せんべい職人のまかないとして誕生しましたが、屋台販売などで知名度を上げていき、1950年(昭和25年)に大阪市生野区の「桃谷いかやき屋」が販売を始めます。1957年(昭和32年)には、大阪・梅田の阪神百貨店にイカ焼き店が登場しました。
兵庫県 明石焼き
出汁でいただく明石焼きは「玉子焼」とも呼ばれています。江戸時代後期にはすでに食べられており、たこ焼きの元になったという説もあります。
たこ焼きのような丸い形をしていますが、卵が入っており生地はふわふわ。やわらかいので平べったくなっています。具材にはタコしか使われていなことも特徴です。
韓国 チヂミ
日本でも人気の高い韓国の粉もの料理、チヂミ。本場韓国では「チョン」や「プチムゲ」と呼ばれています。
小麦粉に卵、ニラやネギなどを入れた生地を焼き上げますが、チヂミもお好み焼きと同じように具材や味付けはさまざまです。日本ではタレをつけていただきます。
モダン焼き発祥の地、神戸市長田区の新たな名物「ぼっかけ焼きそば」
神戸に足を運んだ際、地元の味を楽しみたいと思った時におすすめなのが「ぼっかけ焼きそば」です。
牛スジとこんにゃくを甘辛く煮込んだ「ぼっかけ」を焼きそばにからめたぼっかけ焼きそばは、「モダン焼き発祥の地」でもある神戸市長田区のご当地グルメ。何度でも食べたくなる親しみやすい味は、観光客にも人気のソウルフードです。
ぼっかけとは
全国的にはすじこんと呼ばれることが多いぼっかけは、関西圏ではおなじみの煮込み料理。
砂糖・しょうゆ・みりんで煮込んだ「ぼっかけ」はご飯にかけてもよし、うどんにかけてもよし、酒のつまみにもよし、お好み焼きに入れてもよし、と活躍の場が広いことも特徴です。
家庭でも作られることの多いぼっかけですが、誕生の地である神戸市長田区では多くの店が独自のぼっかけ料理を提供しています。メニューだけでなく出汁の濃淡など味も異なり、さまざまなぼっかけを楽しむことができます。
神戸市長田区の名物 ぼっかけ焼きそば
ぼっかけを使った料理でもよく知られているのがぼっかけ焼きそばです。
とろとろな牛肉と味の染み込んだこんにゃくを乗せたぼっかけ焼きそばを食べられる焼きそば専門店が「長田本庄軒」。ぼっかけはもちろんのこと、麺にもこだわりを持っているお店です。
小麦粉を使った中太麺は店内で製麺され、焼きそばの注文を受けると麺を茹でるところから始まります。茹でたての麺で作られるぼっかけ焼きそばは、コシがありもちもちの食感。甘辛いぼっかけとソースが絶妙な味わいを醸し出します。
焼きそば専門店だけにアレンジメニューも豊富で、オリジナルのぼっかけ焼きそばをはじめ、「ぼっかけカレー焼きそば」「ぼっかけキムチ焼きそば」「ぼっかけとろ玉焼きそば」などが勢揃いしています。
甘辛い味と牛肉とこんにゃくの食感がクセになって一度食べるとまた食べたくなる「ぼっかけ焼きそば」は、気軽に食べられる神戸のご当地グルメです。