この記事の目次
スーパーフードとは
スーパーフードとは、一般の食品よりも
- ビタミン・ミネラルなどの必須栄養素が豊富
- 健康維持に効果的な成分が多く含まれている
という特徴を持つ、植物由来の食品のことです。
スーパーフードの定義
2014年に発足し、日本国内でスーパーフードを普及・啓発する活動団体「一般社団法人日本スーパーフード協会」では、スーパーフードの定義を以下のように定めています。
- 一般的な食品よりも栄養価が高く、栄養バランスも良い
- ほかの食品と比べて、ある一つの栄養成分がずばぬけて多く含まれている
- 一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材と健康食品、二つの用途を併せ持つ
スーパーフードの種類
日本スーパーフード協会では、以下の10種類をプライマリースーパーフード10として推奨しています。
- アサイー
- 麻の実(ヘンプ)
- カカオ
- カムカム
- クコの実(ゴジベリー)
- ココナッツ
- スピルリナ
- チアシード
- ブロッコリースーパースプラウト
- マカ
これらは、スーパーフード発祥の地アメリカにおいて、何世紀にもわたり私たちの健康に貢献し、人体への悪い影響は全くないと認められた、さまざまな分野で信頼を勝ち取った食品なのです。
太古からのスーパーフード「スピルリナ」
スピルリナとは
スピルリナとは水中に生育する藻の仲間で、約35億年以上も前に誕生した地球最古の植物と言われています。
スピルリナは、高温・強アルカリ環境という動植物が繁殖しにくい環境で強い太陽光を浴びながら育つ大変生命力の強い藻で、1927年ドイツの藻類学者のドゥルピン博士が発見・命名しました。
スピルリナの大きさはとても小さく、0.3mm~0.5mmほどしかありません。また、顕微鏡で見るとねじれたらせん状の形をしています。
スピルリナは学術的には植物に分類されるものの、本来であれば動物の体内に貯蔵されるグリコーゲンを主要成分として持っているため、動・植物両方の特徴を併せ持つ珍しい生物と言われています。
スピルリナに含まれる栄養素
スピルリナには良質なタンパク質やビタミン・ミネラル・食物繊維など60種類以上もの豊富な栄養素・健康成分が含まれています。
なかでも特筆すべき栄養素は以下のとおりです。
タンパク質
筋肉や臓器など体を作る主成分であり、生命維持においてとても重要な働きをする栄養素です。
主に大豆と肉類に多く含まれていますが、スピルリナには大豆の2倍もの含有量があり、18種類ものアミノ酸がバランス良く含まれた良質なタンパク質が豊富です。
β-カロテン
ニンジンやほうれん草など緑黄色野菜に含まれるβカロテンは、抗酸化作用が高く美肌にも効果的ですが、スピルリナにも多く含まれています。
ミネラル
体の調子を整えるナトリウムやカルシウム・鉄・マグネシウムなど、非常にバランスの良いミネラルの数々がスピルリナには豊富です。そのほか、リノール酸・アラキドン酸とともに必須脂肪酸の一種であるγ-リノレン酸や食物繊維の含有量が多いこと特徴があります。
スピルリナの効果
スピルリナの細胞壁は薄くて壊れやすいものの、消化吸収率が高く効率的に豊富な栄養を吸収できることから、健康効果に優れた食品と言えるでしょう。また、期待できる効果は以下のとおりです。
健康的なダイエット
ダイエット中で肉類を控える必要がある場合でも、スピルリナで良質なタンパク質を効果的に吸収することができるため、筋力低下などを阻止し健康的にダイエットを進められます。
さらに、スピルリナは水分の吸収力が良いため、摂取するとお腹の中で膨らみ、満腹感が得られることから食べすぎ防止にもつながります。
デトックス
スピルリナに含まれる水溶性の食物繊維の働きにより、腸内環境を改善し、お腹の中をデトックスしてくれる効果があり、便秘改善にも期待できます。
また、スピルリナ特有の「フィコシアニン」という青色色素には、体の中の免疫力を高め、毒素を追い出す効果もあります。
貧血防止
レバー以上に含有量が高いと言われているスピルリナの鉄分により、貧血防止にも効果的です。
高い栄養価「チアシード」
チアシードとは
チアシードはシソ科サルビア属のミントの一種「チア」の種子のことを指し、主にメキシコなど南米で栽培されています。
見た目は直径2㎜ほどの黒ゴマのような形状の種で、無味無臭ですが、
- αリノレン酸
- 食物繊維
- 鉄分
など、「栄養素の宝庫」と言われるほど多彩な栄養を豊富に含んでいます。
- チアとは、マヤの言葉で「強さ」や「ちから」
- シードとは、「種」
のことを意味しています。そのため、古来より「強さの種」と呼ばれ、貴重なスタミナ源として食されてきました。
チアシードは、水分を含むと約10倍に膨れ上がって種の周りがジェル状になり、タピオカのようなプルンとした口当たりとプチプチとした種の食感を楽しむことができます。
また、少量で満腹感が得られ、栄養価が高いことからダイエットをサポートする食品としても人気です。
チアシードに含まれる栄養素
古くから「人の生命維持にはチアシードと水があればよい」という言葉があるほど、その栄養価は高く重宝されてきました。また、見た目はゴマに似ていますが、ゴマのように固い殻をすり潰さずそのまま摂取しても栄養を吸収することが可能です。
なかでも、特に豊富な栄養素は以下のとおりです。
α−リノレン酸
人の体内で作ることができず、不足しがちと言われている必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)がチアシードには豊富に含まれており、わずか大さじ一強で一日の推奨摂取量をクリアすることができます。
食物繊維
大腸の働きを活発にして腸内環境を整え、便秘対策やデトックス効果にも有効な食物繊維がチアシードには豊富に含まれており、大さじ一杯ほどで約3.4g摂取できます。
鉄分
チアシードの鉄分含有量は100g当たり約7.7mgで、ほうれん草の約3倍以上にもなります。
そのほか、抗酸化作用が非常に高く、過酸化脂質の分解・抑制、老化予防、アンチエイジングに効果的なミネラルの一種「セレン」も豊富に含まれています。
チアシードの効果
チアシードで最も期待できる点は、ダイエット効果です。
豊富に含まれる食物繊維はダイエットの大敵ともいえる便秘予防にもなり、デトックス効果も期待できます。
また前述のとおり、水分を含むとことで種子のまわりが約10倍に膨れ上がることから、少量で満足感を得ることができ、食べすぎを防ぐことが可能になるのです。
ビタミンC含有量No.1「カムカム」
カムカムとは
カムカムの原産国は南米ペルーで、標高200mのアマゾン川流域の流れが穏やかな熱帯雨林の水辺に生えている、フトモモ科キブドウ種の木です。
自生地域のアマゾン川は雨期には3ヵ月~5ヵ月近く水位が上がってしまいますが、カムカムは水の中に沈んでも育つことができ、雨期が終わった後に新芽を出して白い花を咲かせます。
果実は「カムベリー」と呼ばれ、この果実部分が収穫され食用とされているのです。
果実は直径3cmで丸く、表皮は滑らかで成熟すると濃い赤から紫色になります。とても強い酸味があり、このカムカムの実に含まれるビタミンCの含有量が非常に高いことから「スーパーフード」として人気となりました。
カムカムは、安定供給と現地の人の生活向上を目的に栽培が進められているため、ペルー政府によって種・苗・青果が輸出禁止とされており、海外では果汁やパウダーとして出回っています。
カムカムに含まれる栄養素
カムカムの特徴的な栄養素といえば、ビタミンC。含有量はレモンの約56倍もあり、果実の中で最も多く含んでいると言われています。
そのほか、活性酸素を抑え抗酸化作用が期待できるポリフェノールや、カルシウム・リン・鉄などのミネラルも豊富に含まれています。
カムカムの効果
カムカムに含まれる豊富なビタミンCにより、
- コラーゲンを生成する
- 免疫力の働きを助ける
- 粘膜を補修する鉄の吸収を促進する
など、病気から体を守る効果があります。
また、ポリフェノールにより、抗酸化作用と活性酸素を抑えることで、美白・美肌などの美容効果・アンチエイジングにも効果的です。
良質なタンパク質など60種以上もの豊富な栄養を持つスピルリナ、ダイエット効果が高いチアシード、果実のなかで最もビタミンCが豊富なカムカムなど、健康的な生活をサポートしてくれるスーパーフードは、これからますます注目されていくことでしょう。