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すっぽんのさまざまな効能
すっぽんの歴史は古く、中国では豊富な栄養と優れた効能を持つことから、滋養強壮の食材として3000年も前から王の膳に乗るほど珍重されていました。すっぽん専門の料理人までいたほどです。
また、食材としてだけではなく漢方薬としても使われ、あらゆる部位が効能を持つと「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」にも記載されています。
すっぽんと亀の違い
日本で一般的に「すっぽん」と呼ばれる種類は、爬虫綱カメ目スッポン科キョクトウスッポン属に分類される亀の一種です。姿は亀によく似ていますが、一番の違いは甲羅にあります。
亀の甲羅は丸く盛り上がっており非常に硬いです。甲羅は背骨と肋骨が変形してできている骨の一部で、背中側を背甲、腹側を腹甲と呼びます。一番外側は、人間の爪と同じ成分のケラチンでできている角質甲板で覆われているため、非常に頑丈な構造になっています。
一方、すっぽんの甲羅には亀のような角質甲板がなくゼラチン質の皮膚で覆われているため、触ると弾力があり、やわらかくなっています。全身がツルツルとした皮膚で覆われているので、甲羅と手足の境目が亀ほどはっきりとしていません。
すっぽんに含まれる栄養素
すっぽんには人間に必要なアミノ酸20種のうち、体内で作ることのできない必須アミノ酸を含む18種が含まれています。アミノ酸はタンパク質を作るために必要で、血液・内臓・筋肉のさまざまな組織を構成するための重要な成分です。
ほかにもビタミンA・B群(ビタミンB1・B2・B6・B12・葉酸・パントテン酸)や牛乳の10倍にもなる含有量のカルシウムをはじめ、ミネラル(カリウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛)やコラーゲン、リノール酸など豊富な栄養素がバランス良く含まれています。
健康面での効能
すっぽんにはさまざまな優れた効能が期待されています。
疲労回復・基礎代謝の向上
すっぽんに含まれる必須アミノ酸には疲労回復・筋肉強化・成長促進・新陳代謝促進の効果があり、ビタミンB群には体内でエネルギーが作り出されるための大きな役割があります。
浄血・造血
すっぽんの脂肪に含まれるリノール酸・EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)には、血液をサラサラにして血栓をできにくくさせる作用があります。また、血流が良くなることで血圧を安定させるのにも効果的です。
体内で血液が作られるための鉄・亜鉛・B6・B12・葉酸がバランス良く含まれているので、造血による貧血予防をはじめ、冷え性の改善も期待できます。
骨粗しょう症予防
カルシウム・タンパク質・ビタミンB群・コラーゲンやカルシウムの吸収を助ける鉄・ビタミンDなど、健康な骨が作られるために必要な栄養素がそろっています。丈夫な骨が作られることは骨粗しょう症の予防にもつながります。
美容面での効能
美肌
美しい肌のためにはコラーゲンが効果的です。すっぽんの甲羅のふちをエンペラと言いますが、この部分は多くのコラーゲンでできています。
もともと肌にはコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を作り出す線維芽細胞(せんいがさいぼう)という細胞が存在しており、これが肌の弾力やハリのもとになっています。
しかし、年を重ねることで線維芽細胞の機能が低下してしまうと体内でのコラーゲンの生産量が低下し、肌の弾力やハリも衰えていきます。すっぽんを食べることでこの低下した分が補われ、体の中からみずみずしくきめ細かな肌が作られていくのです。
美髪
頭皮の真皮を良い状態に保つにはコラーゲンが必要です。コラーゲンが不足していると、髪に栄養が届かず美しい髪を保つことができなくなります。また、髪が作られるのに必要なタンパク質や髪の成長に関わるビタミンB2がすっぽんには含まれています。
ダイエット
脂肪を燃焼させるにはアミノ酸が有効です。アミノ酸が体内に豊富にある状態では代謝が活発になり、脂肪が燃えやすいのです。
アミノ酸が豊富なすっぽんは、基礎代謝を向上させて体の脂肪を燃えやすい状態にし、ダイエット中の崩れやすい栄養バランスも補ってくれます。
すっぽんのサプリメント紹介
杜のすっぽん黒酢
「杜のすっぽん黒」は、すっぽんの優れた栄養素を手軽に摂取できるサプリメント。生育環境にこだわっており、広い養殖場を満たす水は地下からくみ上げられ、水質や健康管理も怠りません。
愛情込めて育てられたすっぽんと合わせる鹿児島県産の黒酢は、熟練した職人が一つずつ壺で仕込んだものです。
さらに、疲労回復に有効なクエン酸を豊富に含む沖縄県産の「もろみ酢」と、バランスの良い栄養素を豊富に含む大豆のタンパク質を早く吸収できるように低分子化した「大豆ペプチド」が配合されています。生産者の思いと伝統の技が詰まった逸品です。
自宅で簡単にできるすっぽん鍋
料亭やまさ すっぽん鍋セット
専用の養殖場で2年以上かけて育てられた「料亭やまさ」のすっぽんは栄養豊富。質の良い証拠である黄色い脂が蓄えられています。
出荷される1ヵ月前からはエサを絶ちクセと臭みを抜いているので初めてでも食べやすく、甲羅を煮出して作られる秘伝のだしを使った鍋を料亭やまさ自家製のポン酢でいただきます。レシピも付いているので料亭の味が家庭で手軽に楽しめます。
鬼無里村 高級すっぽん丸鍋
調理されたすっぽんが丸ごと一匹入っているので、温めるだけでいつでも簡単にすっぽん鍋が食べられます。4人前からのセットには、たっぷりのコラーゲンでできている甲羅も含まれているので、すっぽんの栄養を余すことなく摂ることができます。鍋の締めは濃厚なスープで作る雑炊がおすすめ。
服部中村養鼈場(ようべつじょう) 浜名湖 特撰 すっぽん鍋セット「まる」
「服部中村養鼈場」のすっぽんは、3年~4年の月日をかけて浜名湖で養殖されます。有機飼料だけで育てられたすっぽんは、天然のものより肉がやわらかくアクが少ないと評判。質の良い脂の乗った上品な味わいの肉とすっぽんエキスが入っただしの素を使えば、家庭で簡単にすっぽん鍋が楽しめます。
すっぽん鍋の必須アイテム「すっぽん土鍋」
四日市萬古焼 すっぽん土鍋
すっぽん鍋は強い火力で炊き上げます。火力の強い燃料のコークスを使って高温で調理する専門店もありますが、一般的な土鍋では高温に耐えきれず割れてしまいます。
四日市萬古焼の「すっぽん土鍋」は耐熱性能に優れ、厚みのある鍋の遠赤外線効果により具材の中までじっくりと火が通るため、保温性も高いすっぽんには欠かせない土鍋です。
すっぽんの生き血を飲むと良いって本当?
すっぽんの生き血の効能
鉄・亜鉛・カリウムなどのミネラルを多く含むすっぽんの生き血は、栄養価が高く即効性があります。特に精力・スタミナの増強効果が期待できるため、男性の間では高い評価を得ています。
すっぽんの生き血は、コース料理の一品として出されることがありますが、そのままでは生臭く飲みにくいため、アルコールやジュースなどで割って提供されることがほとんどです。
飲む際の注意点
すっぽんの生き血を飲むことで、サルモネラ食中毒や寄生虫に感染する恐れがあります。生き血を飲む場合は、衛生面において信頼できる店を選ぶようにしましょう。
すっぽんは、優れた効能と何よりそのおいしさで珍重されてきました。ストレスも多く、健康に不安を抱える現代人こそ一度は試してみたいスーパー食材でしょう。