食品・食材ハーブのなかでも人気の高い「タイム」の効能と栽培方法

ハーブのなかでも人気の高い「タイム」の効能と栽培方法

ミントやローズマリー、コリアンダーやローリエなど種類が豊富で、料理好きであれば一度は煮込み料理やお菓子に使ったことがある「ハーブ」。今回はそのなかから「タイム」にスポットを当ててみたいと思います。

多くの種類があるなかでも人気のハーブ「タイム」

多くの種類があるなかでも人気のハーブ「タイム」

ハーブとは

ハーブは「草」または「野草」「草木」を意味するラテン語の「herba」が語源で、ヨーロッパでは古くから香料・保存料として用いられ、香り・辛味・苦味など、風味を味わう料理に使われるキッチンハーブを指します。

広い意味で解釈すると、ハーブは「人間の暮らしに役立つ植物」。一般的にイメージされるハーブは、ハーブティーでお馴染みのカモミールや肉料理などに入れるオレガノなどヨーロッパのものが多い印象を受けますが、しそ、生姜、山椒、わさびなども「日本古来のハーブ」と言えるでしょう。ですから、それぞれの地域に固有の「ハーブ」があることになります。

タイムとは

【学 名】Thyme
【分 類】シソ科イブキジャコウソウ属
【別 名】タチジャコウソウ
【種 類】常緑小低木
【草 丈】20cm~40cm
【原産地】ヨーロッパ・北アフリカ・アジア
【精油成分】チモール、カルバクロール

タイムはヨーロッパ・北アフリカ・アジア原産で、高さは40cmほどの小低木です。日本ではタチジャコウソウのことをタイムと呼ぶことが多く、約350品種があるなかで代表的なのはコモンタイム、シトラスタイム、ワイルドタイム。白やピンク、紫の花を咲かせます。

タイムは古代ギリシヤ・ローマ時代の人にとって勇気や品位、優雅であることの象徴でした。持ち主に勇気を与えると信じられていたことから、男性は入浴後にタイムの香りを胸に付けたり、女性は騎士や戦士にタイムの葉を添えて贈り物をしたりしていました。

古代エジプトにおいてはミイラを作る際の防腐剤・保存剤としても使われ、来世へ無事にたどり着けるようにと葬儀では棺に入れられるほどでした。

タイムの特徴・効能

タイムには古代エジプト時代から知られるように防腐剤・保存剤としての強力な効き目があり、現在でも標本や植物標本の保存用、紙の虫食い防止用に使用されています。また、冷蔵庫がない時代にはタイムを加えて料理をすることで保存効果を高めていたほか、中世ヨーロッパでペストが蔓延した際には、タイムの枝を焚いて空気を浄化したり風呂に入れたりして感染を防止していたと伝えられています。

タイムの精油成分は主にチモールとカルバクロール。ツンとした香りを持つチモールは消毒力が強く、ハーブのなかでも一番と言われるほどの強い殺菌効果と抗ウイルス作用を備えています。口内清涼剤、歯磨き粉、石けん、トニック、男性用ローションなどによく利用され、香水の原料や十二指腸虫駆除薬、鎮咳薬にも活用されています。

食品加工や料理の際には、風味付けや肉・魚介類の臭み消し、保存力を高めるためによく利用されます。

タイムを効果的に利用する

のどが痛いときや風邪・インフルエンザなどの感染症の予防にはタイムを入れたハーブティーでうがいをするのが効果的です。また、タイムには痰(たん)を取り除く去痰作用や鎮痙作用もあり、気管支炎やぜんそく、咳の症状も和らげてくれます。さらに、心身の疲労回復や不安・抑うつ状態の改善にも役立つと考えられています。

料理としておすすめなのは、ローストやスープ料理などの時間をかけて火を通すもの。素材に乗せたり詰めて焼いたりすることで肉や魚の臭みが消え、保存力もアップします。ソテーや蒸し物に加えると香り付けになり、フランス料理のようなアクセントを与えてくれます。

 

人気のハーブ「タイム」の栽培方法

人気のハーブ「タイム」の栽培方法

育てるにあたって

タイムは日当たりや風通しが良く、比較的乾燥した気候を好みます。水はけが良い場合にはやせ地でも育つので、砂利混じりの植え込みにも向いています。

夏の高温期には蒸れて葉が枯れたり株が腐ったりすることもありますが、寒さに強いため関東以南では防寒対策はほとんど必要ありません。積雪下で地上部分が枯れても根は生きているため、春になると芽吹きます。特に寒い地方では、霜や寒風対策のために軒下や室内などの風を防げる場所に置きます。

土は水はけの良いものが適しますが、水分管理ができれば用土は特に選びません。草花向けの培養土やハーブ用の培養土も販売されているので、これらを利用するのも便利です。酸性の土壌は苦手なので、地植えの場合には苦土石灰をまくなどして調整をすると良いでしょう。また、長雨や多湿の状態が続く場合には軽石や鹿沼土など山野草向けの用土もおすすめです。

タイムの育て方

苗は適度に日の当たる売り場で管理されているものを選び、下葉が蒸れて痛んでいないか確かめましょう。種をまく際は、土をあまりかぶせず押さえるようにしましょう。

剪定・切り戻しを行う際は、花の後に株元で切り戻します。また、株元が蒸れて株が汚くなったときにも切り戻します。葉がある間は常に収穫ができますが、花が咲くと葉の香りが弱まるため、余裕を持って収穫しましょう。

栽培のポイント

タイムには害虫の心配はほとんどありませんが、多湿には弱く蒸れて株が弱ってしまうことがあるため、やや乾燥気味に育てます。土の表面が乾いてきたら水を与えるのがベストです。

注意
肥料は特に与えなくても成長しますが、生育が悪い場合には夏を除いた春から秋にかけて2週に1回程度液体肥料を使用するか、緩効性の固形肥料を根元に与えます。しかし、肥料を与え過ぎるとタイムの香りが弱くなってしまう。

 

ハーブで地域活性化!地域ブランド「播磨物語」とは

ハーブで地域活性化!地域ブランド「播磨物語」とは

兵庫県姫路市にある「香寺ハーブ・ガーデン」は、ハーブにおける関西の草分け的存在として1984年に開園しました。農薬や除草剤を使用せず自然と環境に配慮したハーブを育てる一方で、独自のハーブの抽出技術と発酵技術を開発しています。

播磨物語とは

香寺ハーブ・ガーデンが手がける「播磨物語」は、原材料から容器まで、できる限り播磨の素材を使用した化粧品・浴用剤・食品・飲み物などの共通ブランド名。安心して利用できるようにしっかりとした生産履歴にこだわっています。ゆずやお茶を利用したパン・クッキー・ケーキのほか、ゆずのエッセンシャルオイル、クリーム、浴用剤、ハーブティーなどの商品があります。

素材のハーブは姫路市香寺町の無農薬一貫栽培のもので、お茶・ゆずも無農薬栽培、ケーキなどに使う小麦粉は生産履歴が確かな北海道産のものを使用。こだわりの素材を使い、播磨の土地で一つひとつ大切に作られています。

播磨物語の取り組み

香寺ハーブ・ガーデンは、農薬や除草剤を使わずにハーブを育てる一方、大学や研究機関の指導のもとで抽出技術や発酵技術の研究も行っている研究開発型のハーブ園です。ハーブの有効成分・色素・香りを個別に取り出す独自の抽出機の開発によって、ハーブティーやハーブパウダー、ハーブを使った化粧品だけでなく、ゆずやお茶にハーブを加えて発酵させた高機能のエッセンシャルオイルの製造も可能になりました。

お茶は廃棄される葉や茎などの有効利用のため、パウダーを練り込んだパンやクッキーを商品化。ゆずはパンやケーキ以外にも、口に入れても安全なゆずのエッセンシャルオイルを抽出し、ゆずクリームやゆずの石けんの開発も行っています。

商品紹介

エッセンシャルオイル 播磨物語 柚月

  • エッセンシャルオイル(播磨物語 柚月) 10ml
  • ブレンド内容:ゆず、レモン、ローズマリー

爽やかなゆずとレモンの香りに、スパイシーですっきりとしたローズマリーの香りが調和しています。ローズマリーの香りの後からゆずとレモンのみずみずしい香りが広がります。ハンカチに付けてさりげなく香りを楽しんだりお風呂に入れてリラックスすることもできます。

拭き掃除の際に使うと、床やガラスがピカピカになるだけでなく空気まできれいになったような気持ちにさせてくれます。

ハーブシャンプー しなやか

初めて石けんシャンプーを使う人にもおすすめで、ボディーシャンプーとしても使用できます。乾いた後の髪がまとまりやすく、グリーン系のすっきりとした香りが特徴的。洗う前にはしっかりと髪をブラッシングし、十分に髪を濡らしてから使います。きしみが気になるときには、ドラックストアで販売されているクエン酸リンスやお酢をお湯に薄めたものをリンスとして使うこともできます。

 

ハーブは、料理やお菓子に使って香りを楽しめるだけでなく、石けんやシャンプーなどの身の回りのものにも活用されています。日々の生活に上手に取り入れて、素敵な香りに包まれた暮らしを送るのも楽しいかもしれませんね。