この記事の目次
栃木レザーとは
「日本最高峰」とも評される革製品
栃木レザーとは、1937年9月1日に創業した栃木に所在する皮のなめしを行う皮革製造メーカーで、もともとは「栃木皮革株式会社」という名前の会社でした。
栃木レザーは、自社で皮の仕入れからなめしまでを一貫して行う日本でも数少ないタンナー(皮革素材製造業者)として有名で、日本最高峰と言われる革のなめし技術を持っていることから、数多くのユーザーに注目されています。
植物タンニンなめしと絶妙な染め上げが魅力
栃木レザーは、有害な物質を出す薬品類を一切使わず、アカシア系の樹木であるミモザの樹皮から抽出したエキスを使って「植物タンニンなめし」という伝統的ななめしを行っています。「皮」から「革」へのなめしの工程は20から25もあり、機械だけではなく職人の確かな技術によって6ヶ月もの時間をかけて加工しているのです。
栃木レザーの最大の特徴としては経年変化が挙げられます。植物タンニンを使用して時間をかけてゆっくりと作り上げ、昔ながらの製法を貫き通して作られた革には、まさに「革は使い込めば使い込むほど味が出る」という言葉がぴったりでしょう。
ここで見逃せないのが、染色工程における絶妙な加減で染め上げていく職人技です。この確かな技術により、強度があるにもかかわらずしなやかで、使えば使うほど風合いに深みが出てきます。世界の一流アパレルメーカーから強い支持を受けているのも納得です。
かつては「固くて商品にならない」と言われていたヌメ革ですが、栃木レザーの職人たちが昔ながらの製法を大切にしながら試行錯誤を重ね、それまではできなかったヌメ革の独特の風合いをそのままに、柔らかくしなやかで、それでいて丈夫なものを作り出しました。ヌメ革は「革の中の革」と評されることがありますが、まさにその言葉どおりの品質です。
栃木レザーのエイジングを生み出すお手入れ方法
エイジングを楽しむための注意点
栃木レザーを使う楽しみの一つに経年変化があります。経年変化とはエイジングとも呼ばれていて、革を使い込んでいくうちに出てくる独特の風合いのことを指します。財布などを長く使っていくと手になじみ風合いも渋く変わっていく過程は、タンニンなめしの革でしか味わえない醍醐味です。
しかし、この経年変化を楽しむためには日ごろのお手入れが大切になります。特に、下記の3点には注意しましょう。
- 汚れは柔らかい布などで優しくふき取る
- 革製品は雨など水に弱いので、濡らさないようにする
- もし濡れてしまった場合はすぐに乾いた布でふき取り、陰干しをする
基本のケアはブラッシングで、汚れをためないようにしましょう。こまめにいたわり、栃木レザーの素敵な経年変化をお楽しみください。
オイルケアはしなくてOK
また、通常の革製品と違い、オイルケアの必要がない栃木レザー。その理由は、皮のなめし工程でタンニンのビット槽につけて左右に揺らしながら長い時間をかけて加工しているため、油が革の中に残っているからです。このため、革本来の油で十分なオイルケアがなされています。
栃木レザー選びで迷ったら…評判の良い商品をピックアップ
U-STREAM 財布 二つ折り メンズ ラム革「大人の本革」
「フランスのパリで」をキャッチフレーズにラム皮を使用したお洒落な財布です。イントレチャート(編み込み)された大人の雰囲気を味わえる飽きのこないデザイン。収納力も高く耐久性に優れています。
色は合計で7色。素材はシンプルなものから「サファイアーノ」と呼ばれるシボ加工のようになったものまであります。
huspace 栃木レザー 本牛革 日本製 最上級レザー財布
熟練の職人が一つひとつ手作りした最高級の長財布です。男性のズボンのポケットにすっぽり入るサイズで使いやすさも抜群。使い込むほどに柔らかくなり艶や風合いが増すため、お財布を育てる楽しみを味わえます。
デザインはシンプルながら洗練されており、奥深さを感じさせる一品。ご自身で使われるのはもちろん、プレゼントにも最適です。手に取れば、デザイン・素材・機能性のどれをとっても秀逸であることがお分かりいただけるでしょう。20もの色合いがあるので年代も選びません。
レザーウォレット「freely」CM-2 コンチョと皮ひもセット
栃木レザーの特徴を生かした職人自慢の手作り財布です。革ならではの使い込みによる柔らかさや使用感が楽しめる個性的なデザイン。人気が高く、生産が追い付かないほどの製品です。
財布にはコンチョ(飾りボタン)と皮ひもがセットにされており、ベルトやバッグなどに通しておくと財布をなくす心配もなく、名前の由来でもある大きな飾りボタンがひときわ目を引くハイセンスなデザインです。
色は11色あり、革の素材は2種類。紐は3種類からお選びいただけます。
東京OSHARE 日本製 ビジカジベルト33 栃木レザー ベルト メンズ
世界に誇る栃木レザーの植物タンニンのなめし本革を使用し、東京下町の職人による手作りならではの絶妙な風合いが、ビジネスシーンでもプライベートでもさまざまなシーンに使えます。
ベルトの裏側には信頼の証である「WE LUCK」のロゴが箔押ししてあります。シンプルでありながらさりげなく主張する上品なデザイン。細かい縫製も職人ならではのこだわりがあり、バックルにもセンスが光ります。希望があれば箔押し職人による名入れもできますので、世界で一つだけのプレゼントにもご利用ください。
栃木レザーと姫路レザーの違い
栃木レザーと同じく地域の名称が含まれる革製品として、姫路レザーがあります。最後に、この二つの違いについて説明したいと思います。
姫路レザーとは
主にクロム化合物をなめし剤に使う姫路の100を超えるタンナーが製造している革を総称して「姫路レザー」と呼び、国内シェアの約70%が姫路レザーの革によって占められています。
姫路レザーの特徴
姫路レザーの最大の特徴として挙げられるのは「なめし加工」の方法。姫路レザーは効率よく革を作るために開発されたクロム化合物をなめし剤として使用する「クロムなめし」です。クロム剤は「塩基性硫酸クロム化学薬品」というもので、タンニンを使う場合よりも効率的に生産できます。
下の皮の色に左右されることなく着色できるので、希望通りの鮮やかな色に加工できます。色も自然素材のタンニンと違い変化することが少なく、さらに柔らかく伸び縮みしやすいために耐久性も高いので、加工に適しているのも特徴の一つです。
衣料品やバッグに使われることが多く、効率良く革を作れることから低コストで提供できます。
また、姫路レザーを語るうえで忘れてならないのは「姫路の白なめし」です。これは、化学薬品を全く使用せず塩と菜種油でもみあげて天日干しして仕上げる技工で、とても高い評価を受けています。
栃木レザーは企業名・姫路レザーは地域ブランド
栃木レザーは栃木レザー株式会社が加工した革を指し、姫路レザーと姫路で作られたすべての革を指すものになります。地域ブランドと表現するのが適切かもしれませんね。また、栃木レザーは企業ブランドのためにタグが存在しますが、姫路レザーにはタグなどの証明書がほとんどありません。
革を見て栃木レザーと姫路レザーの違いを見分けるのは業者でも難しいのですが、なめし加工の違いで経年変化の差が出てくるようです。
最初の綺麗さを維持する姫路レザーに対して、使うほどに革の良さや色合いを出して一緒に歳をとっていける栃木レザー。一番の大きな違いはここにあるでしょう。
一度味わうと他の製品では満足できなくなってしまうほど魅力的なエイジングが楽しめる栃木レザーですが、いつか使ってみたいと思った方も多いはず。この機会にぜひ、栃木レザーを使った革製品を手に取り、世界が認めた職人の技を堪能してみてはいかがでしょうか。