食品・食材長野県で愛され続ける「戸隠そば」の美味しさ、魅力を徹底解明!

長野県で愛され続ける「戸隠そば」の美味しさ、魅力を徹底解明!

長野県民のソウルフードともいえる信州そば。そのなかでも神話の世界が息づく土地で食される「戸隠そば」は、また格別といわれています。自然の豊かな恵みによって香り高く美味しく仕上がった戸隠そば、その魅力を探ります。

信州の味「戸隠そば」

戸隠そばとは

戸隠そばは、戸隠山が山岳信仰の場として栄えた平安時代に、修験者の携帯食料だったものが村に伝わったとされています。

修験道には五穀断ちという、5種類の穀物を断って行う修行があります。そのなかにそばは含まれていないことから、修験者が口にできる数少ない食べ物のひとつとして大事な栄養源となっていました。

修験者がそば粉を水で溶いて口にしていたものが村に伝わり、それが熱湯でよく練ってまとめた「そばがき」と言われるような形になっていきました。江戸時代になって今のようにそばを細く切る食べ方が広まったころ、戸隠そばも同じ方法で食べられるようになりました。

五穀
米・麦・粟・豆・黍(きび)を指すことが多いが、古くからその内容は固定されていない

戸隠そばの特徴

戸隠そばには、以下のような特徴があります。

  • 「挽きぐるみ」と呼ばれる、そばの実の殻だけを取り除いて粉にしたものを使用する
  • 黒っぽい色をしていて、野性味あふれる豊かな味と香りがする
  • 麺をのばすときに四角ではなく丸くする
  • 一本の麺棒で麺を打つ
  • 水をあまり切らずに「ぼっち盛り」と呼ばれる盛り方で、地元の根曲がり竹で作られたざるに盛り付けられる

ぼっち盛り

特徴の中でも目に付く「ぼっち盛り」というものですが、そばの束ひと口分の量のことを戸隠そばでは「ぼっち」と言います。そして、5ぼっちをざるに盛ったものを「ぼっち盛り」と呼ぶのです。

「5」という数には意味があります。戸隠に伝わる天岩戸伝説にまつわる神々の「天鈿女命(あめのうずめのみこと)」「天表春命(あめのうわはるのみこと)」「天手力雄命(あまのたぢからおのみこと)」「八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)」そして戸隠を守護する地主神の「九頭竜大神(くずりゅうおおかみ)」の5柱に由来しているのです。

MEMO
5ぼっち盛りが基本とはされていますが、地元の地蔵堂を加えた6ぼっちや大盛りの7ぼっちなど、地域や店舗によってもそばの束は違います。

信州そばと戸隠そば

信州そばとは、長野県(信州)で作られるそばのことを指します。そば粉の配合割合が40%以上であるなど、長野県信州そば協同組合によるいくつかの認定条件をクリアすることで、商標登録である「信州そば」を名乗ることができます。

戸隠は、長野県長野市に合併される以前に戸隠村として存在していました。昼と夜の温度差の大きい高原地帯で、朝晩霧の発生しやすいところで育つ「霧下そば」と呼ばれるそばの産地です。霧下そばは、味・香り・コシの全てにおいて優れた全国的にも人気のそばです。

霧下そばを使った戸隠そばは信州そばのひとつで、信州を代表するそばのひとつといえます。

 

戸隠そばを通販で

戸隠そばを通販で

信州戸隠そば株式会社 十割乾麺 信州そば

製品化すること自体が難しい十割そばの製品化に成功。また、通常は塩を使用する乾麺作りにおいても、長年の研究・開発によって、そば粉のみでの製品化を実現しました。

つなぎや食塩などを一切使わずに100%そば粉だけで作られたそばを十割そばと言いますが、この十割そばは濃厚な味と香りが楽しめます。しかし、そば粉だけで粉をひとまとめにするのはとても難しく、そば粉の他につなぎとして小麦粉などが使われているものがほとんどです。小麦粉にはグルテンが含まれているのため、うまく粉をまとめることができるからです。

このつなぎの割合が2割なら「二八そば」。1割なら「九割そば」と呼ばれるものになります。

乾麺なので長期保存ができ、贈答用にも喜ばれます。手打ちでしか味わえなかったそば本来の豊かな風味やのど越しをご自宅でも味わうことができます。

 

半ざる食べ歩き?毎年恒例「戸隠そば祭り」

半ざる食べ歩き?毎年恒例「戸隠そば祭り」

戸隠そば祭りとは

毎年10月下旬、新そばの時期に戸隠神社で行われます。

前夜祭のお焚き上げでは、使えなくなったざるや新そばが出たときに店先に吊るされるそば玉を感謝の気持ちを込めて燃やします。翌日には新そば献納祭が行われ、白装束のそば職人が神様の前で新そばを打ち戸隠神社の祭神にお供えします。

注意
その後、献納されたそば粉で打つ献納そばを参加店舗や宿泊施設などで食べることができますが、献納そばは提供できる数が決まっています。食べ損ねると1年待つことになるので注意が必要です。

そば祭りに合わせて新そばの食べ歩きイベントも開催されます。半ざる(3ぼっち)が食べられる2000円(4枚綴り)のチケットを買って、参加店の新そばの味を食べ比べてみましょう。

食べ歩きは1カ月近くにわたって行われますので、日を改めて訪れるのも楽しいですね。

 

魅力がいっぱい「日本三大蕎麦」

魅力がいっぱい「日本三大蕎麦」

日本中で蕎麦の食べられる地域はたくさんありますが、今回ご紹介した「戸隠そば」に加えて「出雲そば」「わんこそば」の3つを「日本三大蕎麦」と呼びます。

「戸隠そば」に並ぶ「出雲そば」「わんこそば」の美味しさの秘密や楽しみ方をご紹介します。

出雲そば

出雲そばは島根県出雲地方で食べられているそばです。玄そば(げんそば)と呼ばれる外側の黒い殻のついたままのそばの実を挽いて作られるので、黒っぽい色をしています。玄そばを使うことで、そばの香り豊かで趣あふれる味わいが楽しめます。

出雲そばの食べ方として知られているのが、「割子そば」と「釜揚げそば」です。

割子そば

「割子」とは、出雲地方で重箱のことを割子と呼んでいた名残です。

割子そばは、そばの入った器を3段重ね、食べるときは1段目の器から薬味とそばつゆをかけていただきます。1段目のそばを食べ終わったら残ったつゆを2段目の器のそばにかけて食べる、といった具合に3段目まで繰り返します。

釜揚げそば

釜揚げそばは、茹でたての温かいそばにそば湯をかけ、そこに薬味とつゆを好みの量だけ入れて食べます。

新そばの季節でもある10月、出雲には日本中の神様が集まり出雲大社では神在祭が行われます。
以前はこの祭りのときに屋台が並び、釜揚げの温かい新そばが食べられました。

わんこそば

わんこそばは、岩手県盛岡市や花巻市などで食べられているそばです。「わんこ」とはお椀を指す方言で、ひと口分に小分けされてお椀に入れられた温かいそばを薬味と一緒にいただきます。

お椀のそばを食べ終わると、給仕の人の「はい、どんどん!」「はい、じゃんじゃん!」といった元気な掛け声とともに、瞬時に次のそばがお椀に投入されます。終了するにはお椀にフタをすればよいのですが、このタイミングが難しく、お腹がいっぱいなのになかなか食べ終わることができません。給仕との攻防もわんこそばの楽しみのひとつですね。

なぜこのような食べ方をするようになったのでしょう。
はっきりとした記録はありませんが、二つの説が有力とされています。

ひとつは、宴席などの締めにそばが出される「そば振る舞い」という風習からという説です。大人数をもてなすのにそばを少しずつ盛って、たくさんおかわりをしてもらおうとしたことが元になったというものです。

もうひとつの説は、陸奥盛岡藩のお殿様が江戸に行く途中で花巻に寄った際に出された漆のお椀に少量盛られたそばを大変気に入り、何度もおかわりをしたという逸話からという説です。

 

そば本来の豊かな香りと風味を楽しめる戸隠そば。歴史のロマンに触れながら地元でいただくのももちろん、通販で気軽に楽しむのも良いですね。そば好きなら一度ならずとも試してみたいものではないでしょうか。