社会日本の人口のこれから。減少は止まらない。

日本の人口のこれから。減少は止まらない。

地域の問題を考えるうえで、さらにその先にある日本全体の将来を考えるうえで、人口問題は避けて通れません。
日本の人口はこれからどうなるのか。僕たちが次の世代、さらにその次の世代にバトンを渡すとき、人口減少の先に光はあるのでしょうか。

日本の人口とその推移

日本の総人口は、ついに本格的な減少段階に入りました。総務省が発表する2017年3月1日地点での人口(確定値)は1億2483万人となり、前年に比べて約34万人の減少となりました。2008年(2008年あるいは2011年が人口減少社会「元年」と言われます)にピークを迎えた後、一貫して減少を続けています。この減少は少なくとも数十年間は続くでしょう。

総人口の推移

(出典:総務省統計局

こちらは日本の総人口の推移です。戦争中を除くと一貫して増え続けてきたものの、下り坂(いまのところ緩やかですが)に差し掛かってきています。

 

人口減少が本格的に到来

死亡数が出生数を大幅に上回る

算出時期が違うために差引の数値は34万人とはならないのですが、厚生労働省が発表した2016年の速報値(概数)で内訳を載せると、

  • 出生数:97 万 6979 人(前年:100 万 5677 人)
  • 死亡数:130 万 7765 人(前年:129 万 0444 人)

となります。

出生数が100万人の大台を割ったということがニュースになっていますが、それよりやはり見るべきは両者の絶対数の開きでしょう。とりもなおさずこの差分がそっくりそのまま(日本人の)人口減少に直結します。とんでもない数値です。

社会動態はプラスであるものの社会的コストが課題

入国者数から出国者数を差し引く(これに日本人の国籍の移動も加味する)ことで求められる社会動態は13万3892人のプラス(2016年確定値)となっていますが、上記の日本人の人口減少、いわゆる自然減を補うまでのレベルではありません。差し引きで20万人のマイナスといったところ。

ちなみに、出生数が最大となったのは戦後1949年の269万6638人なので、この数字と比べるとかなりの落差が分かります。

別の論点ではありますが、外国、とりわけ移民政策を積極的に行ってきた欧米では、移民2世・3世に対する社会的な維持コストが問題となっています。

またこれと同時に、いわゆる” Skilled Worker”と言われる高度人材が行う仕事と介護等の不足人材を補う単純労働者が行う仕事の中間層にあたる部分にも移民の採用が広まっているという批判も起こっています。

 

人口推計の方法と注意点

最も重要なのは「国勢調査」

人口に関連するデータを発表する機関としては主に総務省、厚生労働省、それから法務省があります。特に小さな市町村の人口を調べようとする際には、どうやってデータを取得するかが地味に大きな数値の開きとなって出てきてしまうので、多少横道には逸れますがトピックにあげたいと思います。

マスターデータとしてとにかく重要なのが、総務省が5年に一度行う国政調査によって得られる人口データです。

そして、この国勢調査の数字を基準として出生数や死亡数を加減するのですが、このデータを厚生労働省から引っ張ってきます。各市町村からの報告を集計して作成される「人口動態調査」です。これに総務省が作成する「出入国管理統計」による出入国者数を加減することで任意の地点の人口を算出(推計)することができます。

実数ではなく、あくまで市町村の報告がベースとなった推計値ということです。

国勢調査が行われてからの経過年数には細心の注意を払う

さらに話が入り組むのですが、都道府県別の人口を推計する際にはどうするかというと、これは総務省自身が算定した数値を使用します。

さてどうするかというと、住民票。各市町村が作成する住民票データから得られる住民基本台帳データを全国から集計することで、地域間の移動データが捉えられるようになります。「住民基本台帳人口」と呼ばれるものになりますが、この数値をまた先ほどの国勢調査から得られた数値に加減することによって得られます。

ここで何に注意をする必要があるかというと、

「人口の推計を行った時期が、直近の国政調査が行われた年からどのくらい先であるか」

ということです。出生や死亡数はある程度誤差なくカウントすることができるはずですが、転出や転入の際に住民票を移していないケースなどの影響で、実際の数値と市町村が認識している数値には年々隔たりが出てきます。

国政調査を行うことで人口推計の基準値の切り替え(おおよそ国政調査の翌年)が行われますが、ちょうどこの直前に誤差が最大になる可能性が大きくなり、特に転入超過や転出超過が過度な市町村でこれは顕著に表れます。

大島のケースでは、国政調査で発表されてきた5年ごとの人口の推移から想定される町の予想人口に対し、これ300人ほど上回っていた記憶があります。人口が8,000人程度の地域なので、かなりの誤差になります。
 

これからの人口予測

最も精度が高い予測のうちのひとつが人口推計と言われています。これまでも、そしてこれからもそうでしょう。不確定要素はありますが、それでも非常に確度の高いものです。

国立社会保障・人口問題研究所が2017年4月に発表した最新の将来推計人口によると、中位シナリオの場合、

2065年の

  • 総人口は8,808万人
  • 老年人口割合(高齢化率)は38.4%(生産年齢人口割合は51.4%)

と推計されました。

なお、この中位シナリオのままずっと期間を延ばしていくと、2115年の総人口が5,055万人となります(ただ、年齢3区分の割合はほとんど変わりません。つまり、年齢の構造が変わらないまま人口だけが減っていくということです)。

前回調査における2065年の推計人口は8,135万人でしたので、相当に改善しています。これは主に近年の出生率の増加の影響によります。ただ、この出生率の増加は主に30歳代以上の世代の影響が強く、長期的に見てこの出生率通りの推計が出るとも限りません。

 

次回記事では、人口減少によって地方でどのようなことが起こり得るのか、これから目指すべき場所はどこなのか、ということについて書きたいと思います。

【筆者紹介】
愛甲大 株式会社イタドリ 代表取締役

1990年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、大学生向け無料コピーサービス「タダコピ」を展開する株式会社オーシャナイズに入社。社長室・経営企画室を経て2014年5月に株式会社イタドリを設立、代表取締役に就任。

伊豆大島地域ブランド「おおしまの」を立ち上げ、東京都中小企業振興公社の成果事例に選出、2018料理王国100選を受賞。
東京都白書にも掲載されたほか、日本政策金融公庫と財務省が行った「第一回 東京島しょ活性化実現会議」では基調講演を務めた。