ビジネス働き方改革でも注目を集める「RPA」とはいったい何なのか

働き方改革でも注目を集める「RPA」とはいったい何なのか

先進国を中心に、人材不足・人件費など労働に関する数多くの課題が発生しています。高齢化率が21%超えて超高齢社会に突入した日本でも労働人口・労働生産性は減少の一途をたどっています。そのなかで急速に普及しているのがRPA(ロボット・プロセス・オートメーション)です。

RPAとは

RPAとは

RPAの意味

RPAとは、これまで人間の手で行われてきた仕事をルールエンジン・AI・機械学習などの認知技術を取り入れたロボットが代わりに行うことで、業務の自動化と効率化を図る取り組みのことです。

また、事務処理・業務処理をはじめとする定型作業をRPA化させる取り組みだけではなく、RPAツールや業務自動化ソリューション全般を指してRPAと呼ぶこともあります。

RPAとRDAの違い

RPAとよく似た言葉にRDAがあります。RDAはロボティック・デスクトップ・オートメーション(Robotic Desktop Automation)のことで、RPAと同様に業務の自動化と効率化を図ることができます。

RPAはサーバーを経由して業務を行っているのに対して、RDAは各パソコン自体に導入されるものです。そのため各PC間で連携されることはなく、複数のパソコンで利用したい場合にはRPAを利用する方が現実的です。

 

RPAの3つのクラス

RPAの3つのクラス

難易度クラスによる分類

RPAは搭載されている機能と対象となる作業の難しさに応じて3つのクラスに分けられます。なかでもクラス2とクラス3には機械学習(マシンラーニング)による自動学習機能が付いているため、高度な作業もこなせます。

しかし、機能が高度になるのに比例して導入のコスト(イニシャルコスト)と運用のコスト(ランニングコスト)も増加するため、無駄な費用を省くためにも仕事に合わせて最適なクラスを選ばなければいけません。

クラス1:RPA(Robotic・Process・Automation)

RPAは、いままでは人間によって行われてきた定型業務を迅速かつ的確にこなすソフトウェアロボットであり、複数アプリケーションの連携を必要としている作業に適しています。

  • ルールエンジン
  • 画像の認識
  • 座標の取得
  • 業務フローの管理

などの機能を搭載しており、判断基準と対処方法を細かく設定することでイレギュラーにも対応できるようになります。しかし、設定から漏れたエラーには一切対応できないため、RPAを導入する際には細かな部分まで設定を行わなければなりません。

クラス2:EPA(Enhanced・Process・Automation)

EPAは、アンケートの集計や自由記述式の問い合わせ・動画や音声データなど、非構造化データを取り扱う作業のシステム化に適しています。細かな設定をしていなくてもイレギュラーに的確に対応できるため、RPAが苦手とする非定型業務を任せられます。

ユーザーからの問い合わせに対する早急な自動回答・データ分析による売上予測など、EPAの導入は経営戦略の幅を大きく広げることになるでしょう。

クラス3:CA(Cognitive・Automation)

CAは、情報の整理や分析に加えて意思決定までを行える自立型のソフトウェアロボットです。あらかじめ与えられた膨大な情報を元に学習と成長を続けるディープラーニング(深層学習)は、業務を効率化させるだけでなく、作業プロセスの分析と改善方法の検討・再実施をも可能にします。

高度なAIを搭載しているCAを導入することで、人間とほぼ同水準の意思決定とサービスの提供が実現可能になるでしょう。

クラスが上がるにつれてコストが増大していくため、現状ではクラス1が実用的です。また、クラス2・クラス3になると、AI(人工知能)が必要となります。

クラス1と混同されがちなもののなかにExcelで使用される「マクロ」があります。

両者の違いとしては、

「マクロ」

  • 単一のアプリケーションに対しての自動化
  • 専門的なプログラミング知識が求められる

「RPA」

  • 複数のアプリケーションを連携させての自動化が可能
  • プログラミング知識があまり必要にならない

という点が挙げられます。

 

なぜいまRPAが注目されているのか

なぜいまRPAが注目されているのか

以前からその技術は存在していたにもかかわらず、RPAという名前をよく聞くようになったのは最近になってからです。RPAが注目を集めた社会的背景には以下が考えられます。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)業務自動化の導入が見据える未来 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)業務自動化の導入が見据える未来

生産年齢人口が減少したことによる慢性的な人材不足

RPAが注目を集めるようになった最大の原因は、生産年齢人口が減少したことによる人材不足でしょう。

「高齢社会白書」によると、15歳以上65歳未満の人口を指す生産年齢人口は2015年から2060年の間に約3290万人減少すると予測されています。2015年の生産年齢人口が7708万人であるため、45年の間に4割以上もの人材が減少するであろうという予測は、日本国民に大きな不安感を与えました。

生産性の向上や業務の補助のために活用されてきた「アウトソーシング」と「派遣社員」、これらはその業務を担当できる人材がいてはじめて成立するものであり、人材不足が進んでからも安定的に業務委託を行える保障はどこにもありません。

また、

  • 業務を行うための知識伝達と技術指導
  • 製品の品質を維持するための環境の構築
  • 管理者の配置

など、外部に委託するにも多くの手間とヒューマンリソースが必要となることから、より良い代替案を求める声も少なくありませんでした。

RPAツール・RPAソリューションを提供している企業が上記の現状を打破するために、

  • 絶対に辞めることがない
  • 年中無休で24時間働き続けられる
  • 定型業務を自動化できる

という性能を積極的にアピールしたことで、一躍注目を浴びるようになったのです。

デジタルデータに関わる環境の変化

これまでは紙媒体として扱われることが多かった契約書類・アンケート用紙・会議資料がさまざまな企業でデジタル化していることもRPAが注目を集める理由の一つとなっています。

RPAはデジタルデータの整理・処理を得意としていたものの、紙媒体などのアナログデータを正確に取り扱うことを苦手としていたため、長い間、日の目を見ることはありませんでした。

しかし、時代は流れて、ITインフラ・クラウドシステムの普及、パソコンやスマートフォンなど情報通信機器の低価格化によってデジタル化が進み、RPAの活躍の場が一気に広がりを見せたのです。

AI技術の高度化

AI技術が発展してEPAが誕生したこともRPAの普及に拍車をかけることになります。

決められたルールにのっとって処理を行うのみならず、アナログデータを正しく読み取ってデジタルデータへ変換したり、複数の選択肢の中から最善の対処法を選択し実行できるようになったことで、RPAは数多くの需要が発生しました。

 

高性能の認知技術を企業内で活用するために業務自動化と業務効率化に向けた取り組みが行われており、今後10年~20年の間に日本国内における労働人口の約49%がAIとロボットに置き換えられると言われています。これからのRPA技術の発展に目が離せません。