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16時間断食の前に……食事を減らすことの効果
今回は16時間断食の効果や痩せない理由について考えていきますが、まず、そもそも断食が健康やダイエットに効果がある、あるいは、必ずしも1日3食を食べる必要はないと言われる理由について押さえておきましょう。
消化のために必要なエネルギーはフルマラソン約一回分
「お腹が空いたから」「12時になったから」など、普段そこまで気にすることなく食事をする人も多くいると思いますが、実は、消化吸収のためには膨大なエネルギー量が必要になります。
1日3食を食べた場合で考えると、なんとフルマラソンを一回走りきった量に相当します。ものすごい量のエネルギー消費ですね。16時間断食では、24時間のうち16時間は何も食べず残りの8時間で食事を摂りますが、例えば3食ではなく2食にした場合、その1回分の食事に対応する消化吸収のエネルギーを健康や美容の維持のために転換できるわけですね。1日断食など、本来の意味での断食の効果もこの点から説明されることが多いです。
人間は飢餓状態に強い
人類が誕生してから今日までの間、99%以上にわたって飢餓状態が続いていたことをご存知ですか?
実は、3食十分に食べられるようになったのはつい最近のことなのです。
そのため、人類の体内には飢餓遺伝子というものが存在していて、足りない栄養素を補填しながら生きていくことができます。人間は、水がなくても5日、水だけでも3週間は生きられると言われているほどです。
逆に、摂り過ぎた栄養素を処理する遺伝子は持ち合わせておらず、満腹に対しては万能ではありません。長期的に食事を切らしてしまうのは問題がありますが、健康な方は16時間断食など短期間であれば生命維持に大きな支障はありません。
例えば、病気の時は「しっかり食べないと治らない」と言われることもありますが、これはあまり食べ物がなかった時代の話です。栄養失調によって病気が発生した時代であれば、十分な食事を摂ることでよくなり得ましたが、今は食べ過ぎが原因で生活習慣病になるケースも多いですから、日本などの先進国では、食を取り巻く状況はまさに一変したと言えますね。こちらも同様に断食に効果があると言われる理由の大きなものです。
16時間断食の効果
もともと断食は宗教上の修行として行われていました。しかし、さまざまな効果が発見されたことで、いまでは多くの人が実践しています。
とはいえ長期間何も食べないのは大変ですし、気持ちも滅入ってしまうかもしれません。そんな時にお手軽に始められそうなのが16時間断食です。そこで、ここからは16時間断食に期待されている効果を紹介していきたいと思います。
ダイエット・メタボの改善
胃の消化能力が低下すると、消化不良を引き起こして食べた物が中性脂肪に変化しやすくなります。16時間断食をすることで内臓が少しでも休まり、体内の代謝が向上してダイエットやメタボの改善効果につながる可能性があるでしょう。
胃腸の調子・便秘の改善
現代人は昔の人に比べて食べ過ぎの傾向が強いため、消化器官は常にオーバーワークの状態です。16時間断食によって胃や腸を少しでも休ませることができれば、消化能力や吸収力を高めて本来の働きを取り戻すことができます。
また、不摂生な食事によって腸の消化能力が低下していたり蠕動(ぜんどう)運動がまひしていたりすると、お通じが悪くなります。16時間断食によって空腹を感じさせるとモチリンというホルモンが腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発化させて、便秘の改善やデトックス効果に期待が持てます。
美肌効果
消化不良による便秘は、肌へも悪影響を及ぼします。便秘によって食べ物が腸内で腐ると腐敗ガスを出し、腸が荒れてしまいます。そうすると本来は排出される老廃物が吸収され、皮膚にできものができたり炎症が起きたりしてしまいます。16時間断食で便秘が解消されれば、結果的に美肌効果も期待できるかもしれません。
免疫力の向上
白血球の一種であるリンパ球は、増加すると免疫力を向上させると言われています。そのうち70~90%は小腸に存在していて、腸内環境が悪化するとリンパ球が刺激されて減少したり炎症を起こしてしまうため、16時間断食で腸内環境が改善されれば、免疫力の維持・向上効果が期待できます。
リフレッシュ効果
腸内環境の良し悪しは、気持ちの上がり下がりにも関係すると言われています。心のバランスを保つセロトニンというホルモンは腸内で作られているため、腸内環境の改善は気持ちを落ち着かせることにつながるのです。さらに、16時間断食で1日2食にする場合には消化に使うエネルギーが減るため脳に血液が流れやすくなり、普段より脳が活性化します。
血液の浄化
食べ過ぎの状態が続くと、血液が浄化される早さよりも汚れる早さの方が上回り、血液は汚れてドロドロになります。そこで、16時間断食をすることで腎臓や肝臓への負担が減り、血液の浄化が期待できると考えられています。
16時間断食しても痩せない。。デメリットにも注意
リバウンドしやすい体質になる可能性も
エネルギーを摂取できないということは、体内にある筋肉や脂肪を分解して栄養を補うことを意味するため、適切なやり方で行わないととても危険です。例えば、リバウンドや摂食障害を起こしたり太りやすい体質になってしまったりする恐れもあるのです。
お腹が空き過ぎて逆に食べ過ぎてしまう
16時間断食がうまく行かずに断念してしまった人の声で多くあるのが、「逆に食べ過ぎるようになった」というものです。このような状況になってしまうと、カロリー過多で太ってしまうだけではなく、血液や内臓の機能にも悪影響を及ぼしてしまいます。
例えば、タンパク質は摂取しすぎると腸内で腐敗して窒素残留物がアンモニアや硫化水素などのアミン類を発生させ、これらの腐敗ガスが血中に入り込むことで血液を汚してしまいます。さらに、腐敗ガスを解毒するために肝臓・腎臓が活発に働くため、肝臓・腎臓疲労の原因にもなり得るのです。
現代は過食が進み、それによって生活習慣病を引き起こす人も増えています。16時間断食を行うことで、単に痩せるだけではなく美肌や健康などのさまざまな効果にも期待ができます。興味のある人は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょう。