特産品大阪名物になれるか?大阪の農業を支える「なにわ特産品」とは

大阪名物になれるか?大阪の農業を支える「なにわ特産品」とは

江戸時代には「天下の台所」と呼ばれ、現代でも「食い倒れの町」と形容されるなど、大阪は食の都として栄えてきた知名度の高い都市です。今回は、食の都大阪の農業を支える「なにわ特産品」について紹介します。

大阪の農業の現状と課題

大阪の農業の現状と課題

大阪の農業においては、農地の宅地化や、商業地の開発による都市化で農地が大きく減少したことが課題として挙げられます。

また、都市化により農業者が減少したうえ高齢化が進んでいます。さらに、後継者がいないという理由で農地の転用も進んでおり、結果的に野菜の生産面積・生産量が減少傾向にあるという現状です。

一方で、大消費地に近い都市農業であるという利点を活かした直売所の開設は賑わいをみせ、地元で生産された農産物の安心感は、「地産地消」へ関心の高い消費者ニーズにもマッチしています。そして、地域の食文化を見直し地元の伝統野菜の生産拡大を図ろうとする動きへもつながっています。

地産地消への取り組みは地域の活性につながるか 地産地消への取り組みは地域の活性につながるか

 

大阪を支える農産物「なにわ特産品」

大阪を支える農産物「なにわ特産品」

なにわ特産品とは

農地の減少や農業者人口の低下により消えていく、地域独特の歴史や伝統を有する農産物のなかにも、大阪府内には全国に誇れるものがたくさんあります。

そこで1993年、大阪府とJAグループは、府内でまとまった生産量があり伝統的に優れた独自の栽培技術で生産されている農産物を「なにわ特産品」として選定しました。その後の2006年には対象が追加・拡大され、21品目が選定されています。

なにわ特産品一覧

1993年に選定された農産物は下記の品目です。

  • 泉州水なす
  • 大阪ふき
  • 大阪なす
  • 紅ずいき
  • しゅんぎく
  • 泉州きゃべつ
  • 泉州たまねぎ
  • 大阪きゅうり
  • 泉州さといも
  • 大阪えだまめ
  • えびいも
  • 能勢ぐり
  • 大阪みかん
  • 大阪ぶどう(デラウェア・巨峰/ピオーネ)

2006年には生産動向の変化や時代のニーズにあわせて下記が追加され、合計21品目へと拡大しました。

  • 若ごぼう
  • 大阪こまつな
  • 大阪みつば
  • 大阪ねぎ
  • 大阪たけのこ
  • 大阪いちじく
  • 大阪もも

 

なにわの伝統野菜の認証制度

なにわの伝統野菜の認証制度 なにわの伝統野菜の認証制度

(引用:大阪府HP

なにわの伝統野菜認証制度とは

「なにわの伝統野菜認証制度」とは、古くから府内で生産されて歴史と伝統をもつ独特の野菜を「なにわの伝統野菜」と認証する制度で、平成17年10月から開始されました。この認証制度を通して、なにわの伝統野菜を広く消費者にPRし、「地産地消」と「大阪農業の振興」を図ることを目的としています。

なにわの伝統野菜は以下3つを全て満たすことが条件となっています。

  • 概ね、100年前から大阪府内で栽培されてきた
  • 苗、種子の来歴が明らかな大阪独自の品目・品種であり、栽培に供する苗、種子の確保が可能
  • 府内で生産されている/li>

認証マークは、下記のように使用されます。

  • 生産を認証するものとして、生産者が出荷する野菜に認証マークを添付し「なにわの伝統野菜」であることを表示する
  • 加工、外食、販売、飲食店などが店頭や看板などに認証マークを表示し、販売する食品、調理品が「なにわの伝統野菜」を原料としていることをPRする

なにわの伝統野菜一覧

なにわの伝統野菜は以下の18項目です。それぞれの産地や旬、特徴をピックアップしてご紹介します。

難波葱(なんばねぎ)

大阪市難波が原産地のため「難波葱」と呼ばれています。難波といえば今は繁華街として賑わっていますが、江戸時代には周辺で盛んに栽培されていました。

旬は12月から2月で、葉の繊維がやわらかく強いぬめりと濃厚な甘みが特徴です。

毛馬胡瓜(けまきゅうり)

大阪市都島区毛馬町が原産地です。果実の長さは約30cm、太さは3cmと細長く、2/3が淡緑白色で黒いぼ系のきゅうりです。旬は7月。末端部には独特の苦味がありますが、しっかりとした歯ごたえが残ることから奈良漬に重宝されてきました。

玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)

大阪城の南東にある黒塗りの門であった玉造門付近が発祥地です。見た目は長さ約30cm、太さ約10cmの長円筒型。濃緑色で鮮明な縦縞模様があることが特徴です。

旬は6月から8月で、粕漬けなどの漬物に合います。

勝間南京(こつまなんきん)

大阪市西成区玉出町(江戸時代の旧地名が勝間村)が発祥地です。見た目は扁平で縦に深い溝とコブがあり、直径15cm〜20cmほどで重さは800g〜1,000gと小ぶりなことが特徴です。

旬は7月から8月。果肉はねっとりとしていて水分が多く、熟すと赤茶色になり甘みが増します。

金時人参(きんときにんじん)

大阪市浪速区付近の特産品で「大阪人参」と呼ばれています。可食部分である根身は約30cmで、深紅色が特徴的です。

旬は12月から2月。肉質はやわらかく甘みと香りが強く、お正月の雑煮やなますなどに使用されます。

大阪しろな(おおさかしろな)

大阪市北区天満橋付近が発祥地で、江戸時代から盛んに栽培されていました。「天満菜」とも呼ばれるアブラナ科の葉野菜で、葉が鮮明の白色で平軸があることが特徴です。

早生種、中生種、晩生種とあり1年を通して収穫されます。

天王寺蕪(てんのうじかぶら)

大阪市天王寺付近が発祥地で、江戸時代から栽培されています。根の部分は白く扁平で約8cm~10cmの大きさ。ひげ根が多く、葉は60cmと長いことが特徴です。葉の切れ込みが深い切葉と、葉の切込みが浅く葉の形が丸い2系統があります。

旬は11月から1月。甘みが強く肉質が緻密で煮物にしてもくずれしにくく、生食の場合も歯ごたえが良いため漬物やサラダにも合います。

田辺大根(たなべだいこん)

大阪市東住吉区の田辺地区が発祥で、江戸時代から栽培されていました。長さが20cm、太さは9cmほど。根部は白色の円筒型、末端は少し膨らんでいて丸みを帯びています。また、大根の葉には「毛じ(もうじ)」と呼ばれるトゲがあるのですが、田辺大根にはそのトゲがないことが特徴です。

旬は11月から1月。緻密で甘みがあり、煮くずれしにくく加熱調理向きで葉も食べられます。

芽紫蘇(めじそ)

大阪市北区源八付近が発祥地で、芽紫蘇などの芽物は「源八(げんぱち)もの」と呼ばれるようになりました。

年間を通して収穫されており独特の香りと色合いが特徴です。

服部越瓜(はっとりしろうり)

大阪府高槻市が原産地で江戸時代から栽培されています。大きさは30cm、重さは800g程度まで成長し、薄緑色で淡い白縞があります。

旬は7月から8月で、シャキシャキとした歯ごたえが特徴的です。

また、古くから近隣の酒どころであった富田の酒粕を使った漬物として加工されており、「富田漬」の名称で販売されています。

鳥飼茄子(とりかいなす)

大阪府摂津市の鳥飼地区で、江戸時代にはすでに特産品として定着していました。丸ナスの一種で、やや下ぶくれの形が特徴です。

旬は7月から9月。皮はやわらかく果肉が緻密で甘みがあります。煮くずれしにくいことから田楽や煮物などの料理にも合います。

三島独活(みしまうど)

大阪府茨木市、旧三島郡にて江戸時代から栽培されています。小屋の中に並べたウドの株の上にわらとほし草を重ねることで外気に触れさせず、発酵させた熱を利用して温度を保ちながら育てるという独特の農法です。そのため、一般的な白うどに比べて色が白く、また、太く大きいことが特徴です。

旬は2月から3月。アクが少なく甘くてやわらかい食感です。

吹田慈姑(すいたくわい)

大阪府吹田市で江戸時代以前から自生していました。普通のクワイに比べて小さく、「まめくわい」「姫くわい」とも呼ばれています。

旬は12月。えぐみが少なくほくほくした食感です。甘みがありお正月の縁起物として欠かせない農産物です。

泉州黄玉葱(せんしゅうきたまねぎ)

大阪府泉南地域(岸和田・貝塚・泉佐野・泉南・田尻町)で明治時代に選抜された品種です。今井早生品種は「まぼろしのたまねぎ」とも称され、形状が扁平で水分を多く含んでいることが特徴です。

旬は4月から5月。食感はみずみずしくやわらかく甘みが強いのですが、水分を多く含むことから日持ちはしません。

高山真菜(たかやままな)

大阪府豊能町高山地区で江戸時代から栽培されています。大きさは20〜30cmほどあり、茎の部分がやわらかいことが特徴です。

旬は12月から3月。くせがなく甘みがあり、様々な料理に用いることができる野菜です。

高山牛蒡(たかやまごぼう)

大阪府豊能町高山地区で江戸時代から栽培されています。色が黒く太いものは中が空洞になっていることが特徴です。

旬は12月。香りが良いことに加えやわらかく、さらに筋が残らないことから人気があります。

守口大根(もりぐちだいこん)

大阪市北区にある大阪天満宮付近が発祥の「大阪宮前大根」の香の物を、豊臣秀吉が「守口漬」と名付け、これが「守口大根」と呼ばれるようになりました。細長い形が特徴的で長いものだと2m近くになり、世界一長い大根としても有名です。

旬は12月で、糟漬けなどに利用されます。

碓井豌豆(うすいえんどう)

大阪府羽曳野市碓井地区で、明治時代にアメリカから輸入された種子での栽培が発祥です。小型でさやと豆の色合いが淡いことが特徴です。

旬は4月から5月。甘みが強く、豆ごはんによく使われます。