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特産品とは
特産品は”おいしい”だけでなく、それによって各土地の気候や風土も知ることができます。特産品を手がかりにさらに深く日本の文化に触れてみてはいかがでしょう。そして、なぜ作られたのか、どのようにして誕生したのか、ということを考えながら特産品を見てみると、さらにおいしく頂けるかもしれません。
特産品のPRに一役も二役も買っているゆるキャラは、地域の魅力がたっぷりつまったキャラクターです。見ただけで何が特産なのかわかるゆるキャラを通して、各地の特産品をご紹介します。
ゆるキャラから学ぶ各地の特産品(北海道、東北地方)
「たら丸&べに子」(北海道)
(出典:北海道ファンマガジン)
北海道の西積丹、札幌のほぼ左に位置する岩内町のゆるキャラ「たら丸&べに子」。魚の風貌をした彼らは、一度見たら忘れられないようなインパクトを持っています。
スケトウダラの延縄漁発祥の地として知られている岩内の名産は、捕れたばかりのスケトウダラから取り出した白子で作ったかまぼこ「たつかま」。
白子のもっちりした食感を味わえる「たつかま」ですが、白子は痛みやすいため、以前は地元の人しか口にできない郷土料理でした。しかし、商品化されたことによって現在では全国各地で口にすることができるようになっています。
スケトウダラをモチーフにした双子の兄妹であるタラコ唇のたら丸&べに子は、岩内町が日本アスパラガスの発祥地・産地であるということから、手にはアスパラガスを持っており、こちらもしっかりアピールしています。
「メロン熊」(北海道)
「ゆるキャラなのに怖い!」メロン熊を見て衝撃を受ける方も多いのではないでしょうか。
メロンの名産地である夕張市・北海道物産センター夕張店のゆるキャラ「メロン熊」。おいしい夕張メロンを食い荒らし変貌した「メロン熊」は、実際にメロン畑がヒグマに荒らされたことを発端として誕生しました。
牙をむく姿に子どもは泣き、他のゆるキャラや人に噛みつくパフォーマンスには大人も引いてしまうほどです。ゆるキャラなのにゆるくないという恐ろしい風貌ながら、ヒグマが食い荒らしてしまうほどおいしい夕張メロンを世に知らしめるために、一生懸命活躍する姿が愛されています。
以前より「夕張といったらメロン!」と言われていましたが、メロン熊の登場によってさらに夕張メロンの知名度がアップしたのは間違いありません。
「雲丹(うんたん)」(青森県)
(出典:雲丹ホームページ/佐井村観光協会)
青森県・下北半島の西側に位置する佐井村は、景勝地も多く北前船の寄港地としても栄えた村です。海の幸も山の幸も豊富な佐井村のゆるキャラ「雲丹(うんたん)」は、巨岩・奇岩の並ぶ仏ヶ浦からウニかごでやって来ました。
姿と肌の色は佐井村の雲丹、そして首飾りは毎年行われている仏ヶ浦まつりで用いられる数珠を。ベルトには佐井村の村鳥ミサゴ、パンツの色は美しい夕日をイメージしています。
かわいい顔立ちをして全身で佐井村をPRしている雲丹ですが、青森県全国ゆるキャラ相撲大会で3年連続優勝した実力者です。
全国へ佐井村のすばらしさを紹介している雲丹は、佐井村の小中学生から募集したデザインをベースとして作成された、佐井村の愛情がたっぷりつまったゆるキャラです。
ゆるキャラから学ぶ各地の特産品(関東地方)
「ながれ~」(千葉県)
「都心から一番近い森の街」と呼ばれる千葉県流山市は、白みりんの発祥の地でもあります。
「甘くて飲みやすい飲用酒として発展した流山の本みりんが大好き!」という「ながれ〜」は、流山をPRするために生まれた年齢7800歳の山の妖精で、流山市の市民団体「恋するNagareyama」のゆるキャラです。
まん丸の目に赤い「山」型の口、前掛けをしめたゆる~い風貌ですが、興奮すると噴火するという特徴を持つアツいキャラでもあります。
都心にアクセスしやすい住宅都市の流山には、みりん醸造で栄えた明治時代の建物や土蔵、日本初の西洋式運河・利根運河など、歴史も自然もたっぷり。
ながれ~は、流山市非公認のゆるキャラでありながらも流山市を全力で盛り上げています。
「かぴょ丸くん」(栃木県)
(出典:ベリーグッドローカルとちぎ)
全国で生産されるかんぴょうの中で、栃木県が占める割合はなんと90%以上!
栃木の名産であるかんぴょうは、夕方に花咲く瓜科の植物・夕顔から作られます。7月から8月にかけて収穫されるのですが、ふっくらした夕顔の大きな実を細長く剥いて干したものがかんぴょうです。
栃木県産かんぴょうのイメージキャラクターである「かぴょ丸くん」は、見るとほっこりしてしまう優しい顔立ちをしています。名前は、夕顔を丸ごと乾燥させた実とかんぴょうをイメージして一般公募でつけられました。
愛らしい和風の装いの「かぴょ丸くん」が好きなものは「おとん」と呼ばれる小山ブランドの豚肉です。かんぴょうとともに、しっかりおとんもPRしています。
内気な出不精という「かぴょ丸くん」ですが、小山のイベントにはよく顔を出しているようです。
「コロ坊」(神奈川県)
(出典:寒川町ホームぺージ)
パッチリした目が特徴のコロ坊は、神奈川県寒川町の特産品である「さむかわ棒コロ」の応援団長です。
さむかわ棒コロは、ソースで味付けされた具を棒状にしたコロッケです。
作る際に、
- ライスペーパーを使用する
- 20cm位の棒状にする
などいくつかルールが定められていますが、これらを守ればアレンジOK!寒川町内のいくつもの店舗で販売されています。
「味付けされていて棒状なので食べやすい」と人気の棒コロは、その形状から「太くて長い縁」につながると言われており、コロ坊と握手すると良いことが起こるという話も!イベントなどでは得意のゆる~いダンスを披露し棒コロをPRしているので、出会うことができたら握手してみてはいかがでしょうか。
ゆるキャラから学ぶ各地の特産品(中部・関西、九州地方)
「まーちゃ」(愛知県)
(出典:西尾市観光協会)
抹茶生産量が日本一という愛知県西尾市。多くの茶畑が広がる西尾市にはおいしいお茶を飲めるお店がたくさんあり、抹茶を使ったお菓子も豊富にそろっています。
西尾市の特産品「抹茶」をイメージして作られたのが、かわいらしい男の子「まーちゃ」です。抹茶茶碗でできた顔、茶筅の頭で、胸には茶葉のペンダントがついています。そして忘れずに後ろもチェックしてください!尻尾は茶杓でできています。
おっとり穏やかでひょうきん者のまーちゃは抹茶を使った食べ物が大好きで、特技は「お点前(おてまえ)」です。お茶と歴史の町である小京都・西尾のPRだけでなく愛知県警の交通安全サポーターに就任したりと、愛知県全域で活躍しています。
「いでたん」(京都府)
(出典:おいで。井出町商工会)
木津川の支流、玉川沿いに500本のソメイヨシノが花咲く京都府南部の井出町。「さくらまつり」で知られる井出町の美しい田園風景は、古来より人々を魅了しつつ旧跡や遺構も数多く残されています。
そんな井出町のゆるキャラいでたんは、井出町の魅力がたっぷりつまったキャラクターです。かぶっている帽子は玉川に住む美しい鳴き声のカジカカエルで、「IDE」と描かれたポケットには特産品のお茶とみかん、さらには竹の子が顔を出し、黄色いズボンのボタンは井出町の花であるヤマブキが材料です。
好きな食べ物は、井出町の人々が昔から「ごちそう」としている食べ物を詰め合わせた「井出のあじわい弁当」です。歴史・文化・自然など、井出町のオススメを余すところなくピックアップした元気いっぱいのゆるキャラです。
「かし丸くん」(佐賀県)
(出典:かしましましまweb)
佐賀県鹿島市のゆるキャラ「かし丸くん」。「鹿島をまるごとPRする!」ということからその名がつきました。
着物姿でかぶっているかわいらしい帽子は、日本三大稲荷神社のひとつである祐徳稲荷神社にまつわるキツネと、特産品であるみかんを合わせたものです。着物には鹿島の花であるさくらが、袴の模様は「肥前浜宿酒蔵通り(ひぜんはましゅくしゅぞうどおり)」の「白壁土蔵(しらかべどぞう)」を表しています。斜め掛けしたポシェットのむつごろうは、干潟の上で行う大運動会やガタリンピックで使うガタスキーの上に乗っています。
鹿島市の歴史と文化、特産品をひとつにまとめた姿のかし丸くんは、いろいろなイベントで活躍しています。
「ゆるキャラから学ぶ各地の特産品」いかがでしたでしょうか。
ゆるいかわいさだけでなくインパクトで勝負をしているゆるキャラも多くいますが、どれもひと目見ただけで、その土地の特産品や特徴がわかります。
全身で自分の愛する土地をPRするゆるキャラは、みな一生懸命。ご紹介したのはごく一部です。ぜひ他のゆるキャラもチェックして、日本各地の特産品を見つけてみてください。