食品・食材好き嫌いの分かれる味「パクチー」に隠された驚きの効能!

好き嫌いの分かれる味「パクチー」に隠された驚きの効能!

独特の香りを持つため、味より香りで食べられないという人も多いパクチー。好き嫌いがはっきり分かれる香草、パクチーとコリアンダーの違い、歴史や香りの特徴、パクチー嫌いの原因についても紹介します。

パクチーとコリアンダー

パクチーとコリアンダー

パクチーとコリアンダーの違い

生で見ると見た目も香りもそっくりの、タイ料理に欠かせないパクチーとカレーのスパイスとして用いられるコリアンダー。

「何がどう違うの?」と話題になることもしばしばですが、結論から言うと、パクチーとコリアンダーは同じもの。パクチーはタイ語で、コリアンダーはパクチーの英語名です。

日本では使用状態によって名前が異なり、生のまま料理に使う場合はパクチー、葉や種を乾燥させて細かく砕いたパウダー状のものをコリアンダーと呼び分けています。また、中華料理で使われる香菜(シャンツァイ)も同じもの。パクチーは多くの呼び名を持っているのです。

セリ科の植物であるコリアンダーは、古くからパウダー状の香辛料として用いられてきました。歴史は紀元前にまでさかのぼり、古代エジプトでは料理や医療のほか、儀式にも用いられていたと言われています。

その後はアジアや南米にも広まり、日本に伝えられたのは10世紀ごろ。ポルトガル語を由来とする和名「コエンドロ」と呼ばれていましたが、独特の強い香りを持つコリアンダーは日本の料理に馴染むことが難しく、ほとんど口にされることはありませんでした。

1980年代、世界中で広まりを見せたエスニック料理は日本でも流行し、タイ語であるパクチーの名で呼ばれるようになりました。好き嫌いがはっきりと分かれるパクチーですが、2015年ごろからはパクチーブームが起きるほどパクチーファンが増加。パクチーを使った料理も続々登場しています。

パクチーの和名は「カメムシ草」

パクチーは、コリアンダー・香菜(シャンツァイ)・コエンドロと呼ばれるほか、「カメムシ草」と呼ばれることもあります。

悪臭を発するカメムシの臭いに似ていることから付けられた俗称ですが、コリアンダーはギリシャ語の”koris”が由来という説もあり、全く関連がないということでもないようです。また、パクチーとカメムシの臭い成分はほぼ同じ、という説もあります。

パクチーの種類

いくつもの名を持つパクチーは、「パクチータイ」「パクチー・ラーオ」「パクチー・ファラン」と3つの種類に分かれています。

パクチータイ

日本でよく食べられているパクチーです。香菜(シャンツァイ)と呼ばれているのもこのパクチー。セロリとレモンが混ざったような香りで、葉・根・種も料理することができます。

パクチー・ラーオ

ラオス国境近くのタイ東北部からタイに伝わったことからラーオ(ラオス)の名が付いています。パクチー・タイより香りが強く、噛んだ時のほろ苦さが特徴。細かな葉が羽のように広がっているパクチー・ラーオは、ハーブのディルの名でよく知られています。

パクチー・ファラン

熱帯アメリカで生まれた品種のため、タイ語で“西洋”という意味のファランが名に付いています。細長い葉の周りにギザギザが付いており、パクチーより強い香り。タイ東北地方の料理には欠かせません。

 

パクチーに隠された驚きの効能

パクチーに隠された驚きの効能

パクチーに含まれる栄養素

食事のアクセントとなるだけでなく、優れた栄養素にも注目が集まっているパクチー。体内でビタミンAに変化するβカロテンが多く、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンBも豊富に含まれています。

カリウム、カルシウム、マグネシウムや鉄のほか、精油成分のリナロール、ゲラニオール、ボルネオールなども含んでいます。

パクチーに期待できるさまざまな効能

豊富な栄養成分を持つパクチーには、さまざまな健康効果が期待されています。

βカロテン

体内でビタミンAに変換される。抗酸化作用や免疫増強の働きがあり、風邪の予防や粘膜保護の効果も。

ビタミンC

細胞と細胞をつなげるコラーゲン生成に必要な物質。皮膚や粘膜を健康に保ち、メラニン抑制、風邪やストレスへの抵抗力を強める働きもある。

ビタミンK

血液を凝固させる働きがある。骨の形成など、骨の健康維持にも欠かせない。

カリウム

細胞を正常に保ち、血圧を調整する働きがある。

抗酸化作用・風邪予防・血管・血圧・骨・細胞の健康維持のほか、美肌効果・体内の有害毒素の排出(デトックス)・食欲増進・免疫力アップなど、さまざまな効果が望めます。

 

パクチーの味は克服できる?

パクチーの味は克服できる?

嫌いなのは遺伝子の問題?

クセの強いパクチー。おいしさにハマる人がいる一方、「どうしても食べられない」という人が多いのも事実。「みんながおいしそうに食べているし、栄養素も多いから」とチャレンジしてもやっぱりダメという場合、実は遺伝子に原因があるかもしれません。

人間は、匂いを嗅ぎ分ける遺伝子をいくつか持っています。その中のひとつ、「OR6A2」という遺伝子を持っているかいないかでパクチーの好き嫌いが変わるのではないか、という研究結果が発表されているのです。

ヨーロッパでは「OR6A2」の遺伝子を持つ人が約半数とされており、さらにそのうち15%が「パクチーは石鹸の香りがする」と認識しているとも。

パクチーの匂いはアルデヒドという成分からもたらされますが、アルデヒドは石鹸や香水にも使われるもの。「パクチーは石鹸の香り」と認識する人がいてもおかしくありません。

「OR6A2」に変異がある場合はアルデヒドへの反応が強く出て、脳内で不快な臭い・危険な臭いとして認識されます。遺伝子レベルの話のため、気持ちだけでパクチーを食べようとしても難しい場合があるかもしれません。

また、シナモンやバニラにもアルデヒドが含まれています。こちらも苦手な人が見受けられる香辛料。シナモンやバニラ、香水が苦手という人も、遺伝子が関わっているのかもしれません。

パクチーを何とか克服したい人向け商品

「それでもやっぱりパクチーが食べたい!」という方におすすめの商品を紹介します。

タイの台所「パクチードレッシング」

パクチー入りのドレッシング。新鮮な生のパクチーが刻まれているので、しっかり香りがするのがポイント。とろっとクリーミーなドレッシングには隠し味にナンプラーが使われており、ほどよい酸味も感じられます。

サラダはもちろん唐揚げにもぴったり。茹でた鶏肉や冷奴に、あるいはディップとしても使うことができます。

Xin chao!ベトナム「パクチーラーメンカップ」

パクチー好きにはたまらない、パクチーの香りをたっぷり楽しめるラーメン。ほどよい酸味が味わえるラーメンには乾燥パクチーのほかエシャロットやにんにくも入っており、深みのある味わい。お湯を注ぐだけでOKのカップラーメンタイプなので、気軽に食べられます。

 

いかがでしたでしょうか。古来から食べられていたパクチーには栄養もたっぷり。好き嫌いは遺伝子レベルで分かれるとも言われていますが、「なんとか食べてみたい」という方はドレッシングなどから始めてみるのもおすすめです。