フードバンクにボランティアとして協力できること

フードバンクにボランティアとして協力できること
諸外国に数十年の遅れをとってゆっくりと浸透してきているフードバンク。その活動は大きな流通システムと考えることができ、プレイヤーは多くあります。個人でできる簡単なものから法人レベルのものまで、順を追って紹介していきます。

ボランティアの土壌が整ってきたフードバンク

ボランティアの土壌が整ってきたフードバンク
【前記事:フードバンクをうける・協力する前に知っておくべき基礎知識

十分な安全性があるにもかかわらず市場に流通しなくなった食品を、その食品を必要としている人のもとに届けるフードバンク。

外国には各フードバンク団体をとりまとめて政策提言や助成金等の申請を主な業務として行う中心的な組織がありますが、日本においてはこれを専門として行う組織が存在しませんでした。

ネットワークとガイドラインの確立

しかし、2013年にセカンドハーベスト・ジャパンを母体とする「日本フードバンク連盟」が公益認定をうけ、フードバンク団体の認証やフードバンクの啓発運動、さらには独自の助成を通じた全国ネットワークの構築に本格的に動き出しています。

そして、このフードバンクの取り組みも徐々に浸透しはじめ、ガイドラインによって、無償での食品の提供や転売の禁止、品質の維持について共通の基準が策定され、フードバンク団体のみならず食品の寄贈者・受益者を含めた総合的なネットワークが確立されつつあります。

そこで、具体的に私たちに何ができるか考えてみましょう。

 

私たちにできること~各種支援の方法~

私たちにできること~各種支援の方法~
フードバンクにおいてはさまざまなプレイヤーが存在しています。ネットでの寄付といった簡単なアクションからボランティアまで、この活動を支援する方法はさまざまです。

オンラインでの寄付をする

直接食品の提供ができない場合でも、ネットで支援を行うことができます。クレジットカードや銀行振込、場合によってはお米券の寄付も受け付けられています。

寄付の金額のうち、法人(主に外資系企業による寄付が多い)が約7割、個人が約2割(他は財団法人や学校法人など)となっており、まだ個人からの寄付は相対的に低い水準となっています。

食品の寄付をする

フードバンクの核となる食品の寄付は、法人・個人とも、各フードバンク団体が指定する条件を満たしていれば可能です(法人の場合には申込書の提出や合意書の締結が行われることが多い)。

特に必要とされている食品は米、野菜、魚の缶詰など、私たちが主食として食べている食材がメインになります。また、困窮世帯にとっては普段あまり食べられない高級なデザートやコーヒー・お茶などの嗜好品も喜ばれます。なお、送料については発送者の負担となることが多いので注意が必要です。

提供ができない食材

フードバンクは、多くの人から食品の提供をうけ、さらにそれを多くの人に届けるという性質上、高い品質管理が欠かせません。

・お弁当やおにぎり、サンドイッチ
・食べ残しの食品
・賞味期限が切れている、あるいは記載がない食品

これらについては、管理・輸送にかかる時間や衛生・安全上の懸念もあり、一般的には提供を行うことができません。

フードドライブにおいて協力する

家庭から出る食品ロスは年間で200万トンから300万トンと言われています。余っている食材を各家庭が特定の場所に持ち込み、これらをフードバンク団体や施設へと届ける活動が「フードドライブ」です。学校や職場・公共施設などの多くの場所で行われており、少量の持ち込みでも役に立てるのが魅力です。

パートナーとして協働する

外国と違ってフードバンクに関する法整備が行われていない日本では、フードバンク団体とその活動を支援する法人との結び付きが弱いのが現状です。

設備投資や事業連携、あるいはイベントに対する寄付など、一般企業やメーカーが積極的にこれらの活動を支援していくことが活動の普及につながるでしょう。

ピックアップ拠点を開設する

食品の支援が必要になったとき、自分から取りに行くこともできます。その食品を管理している場所がピックアップ拠点です。

食品の引き取りや保管場所、食品の提供の際に対応を行う人員など、少しハードルは高くなりますが、いわば小さな「フードバンク団体」として運動の拠点に携わることができるのは大きな魅力でしょう。

ドライバーになる・拠点倉庫の運営を手伝う

活動の広がりをうけて、食料を提供するだけではなく、さらに積極的な関わりができる人も求められています。特にドライバー(配送)においては、企業が自社のトラックを有効活用する手段にもなります。

それぞれが違う役割を果たしますが、いずれもフードバンクのシステムを維持する大きな機能です。自分にとって、そして社会にとって良いと感じられそうであれば、ぜひチャレンジしてみましょう。

 

家庭からの支援も可能にする「フードドライブ」

家庭からの支援も可能にする「フードドライブ」
大口の供給はメーカーや農家がメインとなっていますが、各家庭における廃棄も日々発生しています。しかし、フードバンク団体が各家庭に集荷に向かっては移動コストが大きくなるため、別の方法を考えなくてはいけません。

学校や公共施設でまとめて回収

そこで生まれた取り組みが「フードドライブ」です。これは、フードバンク団体が学校や職場・公共施設に回収場所を設置し、個人は家庭から余った食品をその場所に持ち込むという方法を採ります。

提供元が個人であるためにトレーサビリティの観点からは適切な管理が求められますが、提供される食材の絶対量の確保や食品ロスに対する問題意識を提起するためには有用でしょう。

加えて、回収をした当日に施設に取りに来てもらう、あるいは届ければ保管にかかるコストも不要になります。

一方で、フードドライブ特有の課題も発生しています。家庭から提供される食品はその出所の特定が難しいことが理由で受益者から避けられることもあり、さらには食品の種類も偏っている場合が多く※、満足な栄養の摂取の観点からは必ずしも望ましいものではありません。

※外国においてはフードバンクのための国の予算が確立されている場合もあり、アメリカのように適切な栄養水準の確保を目的として国が食品を購入し、フードバンク団体に寄付しているケースもある。

【関連記事:フードバンクと行政の関わり方

 

食品の保管や提供にかかわる安全管理

食品の保管や提供にかかわる安全管理
多くの協力者から食品の提供をうけ、それらを無償で施設などに提供するという事業の性質上、食品の適切な管理や責任の明確化は必須となります。

製造業者から直接提供をうける場合だけでなく、例えば小売業者から提供をうける場合においても、その商品の所有権はどこにあるか・責任はどこにあるかを明確にしたうえで、確認書を取り交わすことが望ましいでしょう。

これは施設に対しても同様です。援助をうけた食品の責任の範囲や第三者への提供、事故の際の取り扱いなど、考えられるリスクは事前に確認書において確定させておくことが重要になります。

 

東京オリンピックが行われる2020年に向けてプロジェクトも始まっているフードバンク、まだまだその歩みは始まったばかり。できることを、できることからはじめてみましょう。

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