この記事の目次
北海道のおすすめ地ビール
全国の特定地域で製造されている地ビール誕生のきっかけとなったのは、1994年(平成6年)の酒税法改正にあります。法改正により、年間最低製造量が2000klから60klまで緩和。全国の小規模醸造会社もビール造りに参入可能となり、個性的なビールが続々誕生しました。
地域の原料を使用するなど、メーカー独自のこだわりを持った少量製造のビールが地ビールと呼ばれていますが、明確な定義はありません。また、世界各国で造られているビールに多くの種類があるように地ビールにも多くの種類あり、発酵・色などで分類がされています。
国内の地ビール醸造会社は200社前後とも言われており、各地でユニークな地ビールを味わえますが、北海道は地ビール製造業者が特に多いことでも知られています。
網走ビール
1994年(平成6年)の酒税法改正以前より、東京農業大学生物産業学部と地ビールの開発研究を行っていた網走ビール。
1998年(平成10年)の網走ビール株式会社設立後は、帆立や牛乳、網走を代表する流氷など、地域の特産物を副原料とした個性的なビールを多く製造・販売しています。
また、日本の地ビール製造においては少数の三釜方式を採用。二つの釜を使用するドイツの伝統製法「デコクション法」でビールの風味やコクを出し、三つめの釜で副原料を加え網走ビール独自の味を生み出しています。
流氷ドラフト
仕込み水に網走の流氷を使用した「流氷ドラフト」。オホーツク海を表現した青い色は、天然色素であるクチナシを使用しています。
「ビールの味を保ちながら美しい色合いを」と試行錯誤を重ねた後に誕生した、すっきりした味わいのビールです。
ABASHIRIプレミアムビール
網走産の大麦麦芽で作られたビールです。自家焙煎した麦芽を一部使用したことで、うま味がアップ。苦味と甘み、香りのバランスが絶妙で飲みやすいビールは、2012年(平成24年)にモンドセレクションの銅賞を受賞しています。
はこだてビール
醸造水として最適と言われる函館山の天然地下水で造られているビールです。
副原料を使用しない函館ビールは、主原料の麦芽とホップ・酵母・水で醸造。沸騰直前に入れ香りと苦味をつけるホップ、上面醗酵により豊かな香りを生み出す酵母、成分のうち90%を占める水は、天候にかかわらず毎朝函館山の麓から汲み上げられ、輸送車で運ばれます。
全国地ビール醸造者協議会「ジャパンビアグランプリ2000」や、日本地ビール協会「2002インターナショナル・ベア・コンペティション」ストロングエール部門での金賞受賞など、品質の高さは折り紙付きです。
五稜の星(ヴァイツェン)
小麦麦芽を50%以上使っている、ヴァイツェンビールです。フルーティでやわらかな味わいのビールで、泡立ちが細かく、白い濁りがあるという特徴を持っています。
明治館(アルト)
濃色麦芽を使用し、上面発酵で造られているアルトビール。深みのある赤銅色のビールは、独特な苦味と深い味わいがあります。
北の一歩(エール)
大麦麦芽を使用し、上面発酵で造られているエールビールです。
北の夜景(ケルッシュ)
酸味のあるフルーティーな味わいが特徴のケルシュビール。すっきりしたキレのある飲み味と苦味が特徴です。
ノースアイランドビール
「北海道の地でクラフトビールを」と、カナダで修行した醸造士が2003年(平成15年)に札幌市で設立したSOCブルーイング。2009年(平成21年)に江別市に移転した際、醸造設備を増設し、ピルスナーやヴァイツェンといったレギュラービールのほか、限定ビールも製造しています。
多くの人々に多種多様のビールを楽しんで欲しいと、創業当時からこだわりのビールが醸造されています。
6種飲み比べセット
ノースアイランドビールのレギュラービール、6種セットです。
- 風味と香りが楽しめる「ピルスナー」
- 芳醇な香りを楽しめる「ブラウンエール」
- 北海道江別産の小麦「ハルユタカ」から造られた「ヴァイツェン」
- 濃厚で深みのある黒ビール「スタウト」
- 柑橘系の香りと苦味が強い「インデイアペールエール」
- 黒ビールにコリアンダーがマッチした「コリアンダーブラック」
と、個性的な味が勢揃いしています。
ニセコビール
2014年(平成26年)開業したニセコビール。ニセコ山系の湧き水を使ったピルスナーの「山吹」、ペールエールの「残照」をはじめ、北海道ならではの個性豊かなビールを醸造しています。
ポーターの「蝦夷」には、北海道産の鰹節・昆布・しいたけが。ほかにも、季節限定のニセコ産かぼちゃから造られる「パンプキンエール」や、ぶどう果汁のフルーツビール「Rosee Biere」などがあります。
山吹(ピルスナー)
美しい黄金色のピルスナーは、苦味と甘みのバランスが絶妙。すっきりさわやかで、飲みやすいビールです。
残照(ペールエール)
ホップの柑橘系の豊かな香りと麦芽の香りがマッチした、茶褐色のエールビールです。
蝦夷(ポーター)
北海道産の鰹節・昆布・しいたけを使った、北海道ならではの個性を持った黒ビールです。
もはやカクテル!北海道の果実を使ったフルーツビール
カクテルのようなビール「フルーツビール」とは
北海道は、フルーツの国としての一面も持っています。
北海道を代表するフルーツを使ったビールは、香り豊かで口当たりもなめらか。フルーティでカクテルのような味わいなので、ビールが苦手な方も飲みやすい特徴を持っています。
リンゴ、洋梨、赤肉メロンをはじめとした北海道のおいしい果物とコラボレーションしたビールは、フルーツの種類によって異なる味わいを楽しめます。
フルーツビールの製造方法
フルーツビールは、ビールを主発酵させた後に果汁を入れて造るタイプと、ビール発酵前に果汁を入れて造るタイプがあります。
日本で造られているフルーツビールの多くは、ビールを主発酵させた後に果汁を入れるタイプです。ビールをフルーツで割ることになるため甘く、アルコール度数も少なめです。
ビールに発酵前に果汁を入れるタイプは、本来のビールの味わいに果実の香りや風味がするものになります。ビールの原料であるホップには苦味があるため、果物の甘味、酸味のバランスを整えるのが難しいと言われています。
北海道でおすすめのフルーツビール
北海道麦酒醸造「北海道フルーツビール6本セット」
「いろいろなフルーツビールを味わってみたい!」という方におすすめのなのが、北海道麦酒醸造の「北海道フルーツビール6本セット」。
北海道産のフルーツ果汁が15%~30%とたっぷり入っており、口当たりの良さとおいしさが人気のフルーツビールです。デザート感覚で楽しめるビールは女性からの支持も高く、お祝いごとやパーティなど、さまざまなシーンでも活躍すること間違いなし。
- 洋梨を使ったPear Lager (ペアラガー)×2本
- リンゴとはちみつのHoney Apple Ale(ハニーアップルエール)
- 赤肉メロンのMelon Ale(メロンエール)
- ベリーたっぷりのCherry & Berry(チェリー&ベリーエール)
- 白ブドウのNiagara Ale(ナイアガラエール)
がセットになっています。
網走ビール株式会社「桜桃の雫」
色が大変美しいさくらんぼのビール。日本最北端のさくらんぼ産地、網走のさくらんぼを使用しており、さくらんぼの香りと味わいもしっかり楽しめます。
甘みが強いと感じる方が多く、ビールが苦手な方にもおすすめ。日本の地ビール製造会社でも数少ない三釜方式で造られているビールです。
北海道の地ビール、いかがでしたでしょうか。醸造所が多い北海道では、地ビールも多種多様。特産物を副原料として作られているビールもあり、個性的な味を持つものが多いことも特徴の一つです。北海道に足を運んだ際はもちろん、北海道らしさを味わいたい時におすすめです。