山椒のさまざまな効能と最高級の山椒「ぶどう山椒」

山椒のさまざまな効能と最高級の山椒「ぶどう山椒」
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」このことわざのとおり、山椒の実は小さくても圧倒的な存在感があります。古来より薬用・料理用と幅広い活躍を見せる山椒について紹介します。

山椒・花山椒・花椒の違い

山椒・花山椒・花椒の違い
(写真:photoAC)

山椒(さんしょう)とは

山椒は日本で古くから親しまれている香辛料です。北海道から屋久島まで日本の広い地域の山地に自生しており、木の芽(若葉)・花山椒(花)・青山椒(未熟な青い実)・実山椒(完熟した実)・粉山椒(皮)などのあらゆる部分が使われ、その爽やかな辛味は日本料理のアクセントとして欠かせない存在です。

学名は「Zanthoxylum piperitum」。「piperitum」には「胡椒のような」という意味がありますが、山椒は日本と朝鮮半島南部原産のミカン科サンショウ属の低木、胡椒はインド原産のコショウ科コショウ属のつる性と、それぞれ別の種類の植物です。

花山椒(はなざんしょう)とは

花山椒は山椒の花を食用にしたものです。山椒の木には雌雄があり、どちらも4月から5月にかけて小さな黄色い花を咲かせますが、花山椒には雄花しか使われません。

雌花は実を付けてから「実山椒」として使われます。花には実を食べたときのような辛さはなく、優しい良い香りがするので吸い物や酢の物などにおすすめです。

くらし快援隊 花さんしょ(産地厳選 花山椒)風袋込

1週間から2週間が旬という他部位に比べて希少価値の高い食材である花山椒は、実の部分のような鋭い辛さはありませんが、優しい風味と清涼感が味わえます。

「くらし快援隊」では、短い旬の時期を逃さず国内のさまざまな産地から花山椒を集めています。花が開く直前のつぼみを丁寧に手摘みし、その鮮やかなグリーンは爽やかな香りとともに春の訪れを感じさせます。

花椒(かしょう)とは

中国原産の山椒で「カホクザンショウ」という山椒の実の果皮を香辛料にしたものです。熟した実がまるで赤い花が咲いているように見えることからその名が付きました。鮮烈な強い香りと舌が痺れるような辛さが特徴で、日本人にもなじみの深い四川料理の麻婆豆腐にはこの花椒が使われています。

ユウキ 花椒辣醤

「麻辣醤(マーラージャン)」とも呼ばれる中華調味料。豆板醤の辛さの麻(マー)に花椒の痺れるような辣(ラー)を加えた異なる二種類の辛さは、強烈でありながらクセになるおいしさです。これを使うだけで本格的な四川料理の味わいに。

 

山椒の効能

山椒の効能
(写真:photoAC)

山椒に含まれる主な栄養素

カルシウム

カルシウムは体内に取り込まれると99%は骨や歯を作る働きをしますが、残りの1%は筋肉の収縮・出血があったときの血液凝固・神経の興奮の抑制・細胞の機能の調節といった働きをします。

鉄分

鉄分は体中に酸素を運ぶ働きをするヘモグロビンの成分になっています。鉄分が足りないと、貧血・動悸・息切れといった症状が出ます。女性は特に意識して摂取した方が良いとされる栄養素です。

カリウム

細胞の浸透圧の維持・心臓や筋肉の機能の調整・ナトリウムによって上昇した血圧の低下といった、体内が一定の状態を維持するための働きをします。

モリブデン

人が必要とするモリブデンは微量ですが、代謝のために必要な必須ミネラルの一つです。鉄分が不足したときに、肝臓に備蓄された鉄分の利用を促し血液生成を助けます。

クロム

インスリンの働きを助ける作用があるため、糖尿病の予防に効果が期待されます。脂質代謝を活発にし、血液中のコレステロールや中性脂肪を正常値に下げ、高血圧や動脈硬化を予防する働きをします。

山椒に含まれるこれらの栄養素は人間の生命維持に必要なミネラルで、骨や歯を作り、血液や体液を正常に保つなどの重要な役割を担っています。

山椒による効能

山椒を食べたときに感じる辛さは「サンショオール」という辛味成分によるものです。サンショオールは青山椒のときに最も多く含まれ、麻酔のような働きがあるため、青山椒をそのまま食べると舌が麻痺したようになります。

このサンショオールには基礎代謝の向上や内臓の働きを活発にする作用があります。体内の水分や血流を整え、むくみの改善や血行を良くするほか、胃の調子を整えて消化不良の改善による食欲増進が起こるなどの効果があります。

古くから鎮痛・駆虫・健胃薬として使用され、熟した実の果皮の部分は生薬として用いられてきました。味覚を鋭敏にする作用で旨味や塩味を強く感じることから、減塩などの成人病に対する予防効果も期待されています。

ただ、山椒の実は食べ過ぎると下痢や嘔吐などの症状が出ることもあります。大量に摂取した場合、ひどく酔ったような状態になったり意識障害を起こしたりすることもあるので、適量にすることが大切です。

 

紀州和歌山が誇る「ぶどう山椒」

紀州和歌山が誇る「ぶどう山椒」
(写真:photoAC)

日本一の山椒生産地 和歌山

和歌山県での山椒の歴史は、江戸時代に自生していたものを薬用に栽培したことから始まりました。国内で生産されている山椒の収穫量は、和歌山県が約70%を占めています。和歌山県の優良な県産品を推奨する「プレミア和歌山」にも、日本一の収穫量を誇る山椒を使った品が数多く選定されています。

また、ふるさと納税の返礼品にも生の山椒の実や山椒の加工品のセットなどが使われています。

紀州独自の品種「ぶどう山椒」とは

ぶどうのような実が多くなることから付いた名前です。主に和歌山県の有田川町を産地とし、粒は大きく肉厚、香りは爽やかで刺激的です。有田町では「緑のダイヤ」とも呼ばれる最高級品のぶどう山椒を、有田みかんに続くブランドにすべく推し進めています。

旬は5月~8月ごろで、5月に未成熟な状態で収穫される実山椒(みざんしょう)は主に佃煮に、6月~7月に収穫される完熟した乾山椒(ひざんしょう)は粉末にして香辛料として使われます。また、果皮部は薬効成分が多く生薬としても使われています。

最高峰のぶどう山椒「紀奥山椒」

香辛料・漢方の専門家の間でも評価の高いぶどう山椒ですが、そこから厳選された品質の高い山椒だけが「紀奥山椒」を名乗ることができます。濃厚でありながらも柑橘系のような爽やかな香りと豊かな風味が特徴で、ほかの山椒に比べるとその味と香りに驚かされます。

うなぎとの相性は間違いないですが、鍋や焼き鳥、さらにはカレーやパスタといった洋風料理に合わせてもおいしくいただけます。ぬか床に入れると風味と香りが良くなるため、愛好者も増えています。

樽の味 山椒佃煮

ぶどう山椒の最高峰「紀奥山椒」をたっぷりと使って天然の材料だけで作られた佃煮は、山椒の自然な味が楽しめます。紀奥山椒の香り高い風味が引き立つよう、醤油には白醤油を使用。カツオ・サバ・イワシ・アジ・昆布・しいたけで取った出汁も全て天然の素材にこだわっています。手間もコストもかかりますが、それにふさわしい逸品に仕上がっています。

紀奥山椒の濃く豊かな香りと旨味、山椒独特の痺れるような辛さにご飯が進み、お酒のつまみとしてもおすすめです。

 

うなぎにかけるイメージが強い山椒ですが、実際は和洋問わずさまざまな料理に使える万能調味料です。優れた栄養素が含まれた健康維持にもぴったりな山椒を、もっと取り入れてみてはいかがでしょうか。

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