ライフスタイルマイナスイオンとはいったい何?本当に効果はあるの?

マイナスイオンとはいったい何?本当に効果はあるの?

マイナスイオンが生活に取り入れられて久しいですが、その注目度が衰える様子はありません。「体に良い」とされるマイナスイオンとは具体的に何なのでしょうか。また、本当に効果はあるのでしょうか?

そもそもマイナスイオンとは?

そもそもマイナスイオンとは?

プラスイオンとマイナスイオン

マイナスイオンの説明をするためには、まず「イオン」と呼ばれる原子の存在について理解する必要があります。原子とは、簡単に言うと「物質の元となる最も小さい存在」です。元素記号を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

例えば、水を表す化学式は「H₂O」ですが、これはHで表される水素原子とOで表される酸素原子が組み合わさって水になっていることを表しています。

原子自体はプラスもマイナスも帯びていないのですが、その原子の周りにプラスやマイナスの電荷を持つ粒子が集まり、そこで初めて「電荷を帯びた原子」、つまりイオンとなります。

原子を核として考えた時、

  • プラスの電荷が多ければ「プラスイオン」
  • マイナスの電荷が多ければ「マイナスイオン」

となります。

マイナスイオンが存在する場所

マイナスイオンが多く存在する場所としては、主に以下が挙げられます。

  • 森林
  • 水辺(滝・川・湖・池・海。特に滝などの水しぶきが飛ぶ場所に多い)
  • 公園の噴水やミストがある場所
  • シャワーやホースで水まきを行った場所

全体的に見て共通しているのは「水分が豊富である」という点です。森林は土地全体がしっとりと水分に覆われ、植物がマイナスイオンを放出しています。水辺は乾燥を防ぎ、蒸発した水分がマイナスイオンとなって空気中を漂います。マイナスイオンが発生する場所は空気中の潤いが保たれ、多くの人の癒しともなっています。

プラスイオンによる影響

プラスイオンは、プラスの電荷を帯びている原子のことを指します。プラスイオン自体は自然界に存在しており、昔ながらの暮らしでは大きくバランスが崩れることはなかったのですが、人間の暮らしが進化していくのにともなって大気中のプラスイオンが増加し、生活するうえで問題となっています。

プラスイオンは体内に入ると血液の酸性度を上昇させます。酸性度の上昇は、同時に細胞の中の酸性度が上昇することを意味します。人間の身体は約60兆個もの微少な細胞でできており、細胞膜を通じてビタミン・ミネラルや酸素を吸収することで生命を支えています。

しかし、酸性度が上昇して細胞が破壊されてしまった場合、栄養の吸収が不可能になるのです。さらに、ほかの細胞や内臓へと破壊活動が連鎖的に起きてしまうこともあります。

酸化の状態を長くそのままにしておくと、ガンや高血圧症・虚弱体質・更年期障害・糖尿病などさまざまな病気につながる恐ろしさがプラスイオンにはあるのです。

私たちの身の回りで起きている環境汚染が深刻化し、空気中にあるゴミが増えることでプラスイオンも増加しています。また、不摂生な生活によって体内に入る酸素量が減って酸欠状態になることでも、血液は酸性化します。

このような状態が長く続くことで「酸性体質」となり、上記の症状が少しずつ見られるようになるのです。酸性体質は特別な生活環境や食生活によって現れるものではなく、

  • 子どものころにあまり身体を動かすさず、勉強やゲーム漬けで過ごしていた
  • 長期的にタバコを吸っている
  • 空気の入れ換えをあまりせず、閉め切られた部屋で暮らしている
  • コンビニ弁当やインスタントラーメンを食べることが多く、食事が不規則

など、日常生活において常に起こりうるという点を理解しなければなりません。

 

マイナスイオンは本当に効果があるのか

マイナスイオンは本当に効果があるのか

肯定的な意見

日常のストレスで精神的に疲れた時、シャワーでリフレッシュしたり休暇を取って自然の多い場所へ旅行をすることも多いでしょう。マイナスイオンを意識しているわけではなくても、自然とマイナスイオンを求めて行動していることが少なくありません。

マイナスイオンには、主に以下の効果があると考えられています。

  • ストレスの軽減
  • リラックス効果
  • 空気環境の改善
  • 髪の毛や肌の潤いの増加
  • 体内の新陳代謝の促進
  • 免疫力や病気に対する抵抗力の強化

長年病気を抱えている人が都会の生活を離れて自然の多い場所で療養をするという行為は、化学が発達した現代でも行われています。マイナスイオンが人間に与える効能と発生する場所の関係を考えると、人間ははるか昔からマイナスイオンの存在を肌で感じて生きてきたのかもしれません。

否定的な意見

マイナスイオンの効果が多くの人に広がるきっかけとなったのは、2000年代初頭にテレビ番組で放送された特集でした。メディアで大きく取り上げられたことから各メーカーがこぞって「マイナスイオン効果」をうたった商品を開発。

爆発的な売り上げとなった商品は、モデルチェンジを繰り返しながら私たちの生活に溶け込んでいきました。

しかし、このマイナスイオン効果は必ずしも全ての人が受け入れているわけではありません。その原因として考えられるのは「科学的立場から見た時のマイナスイオンの曖昧さ」です。

「マイナスイオン」という呼び方は日本特有のもので、世界的な呼び方に合わせると「陰イオン」「負の荷電粒子」または「大気イオン」となります。

「原子がマイナスの電荷を帯びている」状態であることに変わりはありませんが、「マイナスイオン」という呼称が一人歩きをしてしまっており、「陰イオン」とも「負の荷電粒子」とも「大気イオン」ともとれる説明が逆に科学的な否定意見へつながる結果となっているのです。

「マイナスイオンが発生する環境は自然が多く、癒される」、これは確かに多くの人が感じていることですが、「マイナスイオンという存在がはっきりとしていない以上、科学的には証明できない」というのが反対派の意見です。

 

根強い人気の「マイナスイオンドライヤー」

 根強い人気の「マイナスイオンドライヤー」

イオンドライヤーとは

ドライヤーを使用すると、髪の毛が静電気で広がってしまったり、状態が悪いと頭皮にまで悪影響が出てしまったりすることがあります。

イオンドライヤーは使用する際にイオンを発生させるもので、マイナスイオンが持つ効果を利用しながら髪の毛を乾かし、髪全体のコンディションを整えて悪影響を防ぐことを目的としています。

イオンドライヤーの効果

イオンドライヤーの具体的な効果としては、以下が挙げられます。

  • 髪のパサつきをなくし、まとまりやすくする
  • 静電気を防ぐ
  • 髪の毛の保湿効果をもたらす
  • キューティクルを整える

髪の毛はもともと微弱なプラスの帯電があるため、マイナスイオンを放出するイオンドライヤーは効果的とされています。しかし、実際に行われたとあるイオンドライヤーの実証試験では商品の説明にあるような効果が現れず、誇大表記であったことが問題となりました。イオンドライヤーの使用を根拠とした実験結果は得られないという専門家の指摘も挙がり、その評価は賛否が分かれています。

その一方で、イオンドライヤーの愛用者からは使用感の良さを支持する声も多数見受けられます。「髪のパサつきで悩んでいたが、まとまりやすくなった」「使用後の髪の手触りが変わった」、このようなユーザーの生の声は、使用者にしか分からない繊細で貴重な意見と言えるでしょう。

おすすめのマイナスイオンドライヤー

現在多くの種類が販売されているマイナスイオンドライヤーですが、店頭で比べてもいまひとつピンとこないかもしれません。そこで、数あるマイナスイオンドライヤーのなかでも特に注目されている商品を紹介します。

TESCOM マイナスイオンヘヤードライヤー TID920

マイナスイオンパックで潤いのある髪を実現するドライヤー。パワフルな風量がより早く髪を乾かし、乾いた髪にはマイナスイオンがパックのようにまとわります。初めてのイオンドライヤーで迷っている方におすすめです。

Panasonic ヘアードライヤー ナノケア

マイナスイオンよりもさらに多くの水分を含んだ微粒子である「ナノイー」で、髪の内部にまで水分を浸透させてしっかりと保湿を行うドライヤー。毛先までまとまる髪の毛は、その仕上がりの良さから高評価を得ています。

 

マイナスイオンが生活に取り入れられて久しいですが、その注目度が衰える様子はありません。しかし、マイナスイオンを求める現代人に必要なのは、心と体が癒される環境そのものかもしれないとも感じられます。