人気のドライフルーツ「干し柿」の効能やおいしい食べ方をご紹介!

人気のドライフルーツ「干し柿」の効能やおいしい食べ方をご紹介!
干し柿は、気温と湿度の低い冬の時期に作られる日本の代表的なドライフルーツです。あめ色の柿の果肉と濃厚な甘味、もっちりとした食感は、古くから貴重な甘味料として重宝されてきました。今回は、長く親しまれてきた「天然のお菓子」である干し柿についての疑問と効能、さらには名産品についても紹介します。

カビにも気を付けて!干し柿の見分け方・作り方

カビにも気を付けて!干し柿の見分け方・作り方
(写真:photoAC)

カビ付きかどうかの見分け方

干し柿は、乾燥の工程や保存の際に水分に触れることでカビが発生しやすい食べ物です。

干し柿の表面には白い粉が付着していますが、これはカビではなく「柿霜(しそう)」と呼ばれるものです。柿霜とは、乾燥により柿に含まれる果糖とブドウ糖が表面に出てきて結晶化したもので、古くは「砂糖より甘い」と言われる貴重な甘味料として重宝されていました。

カビ付きかどうかについては、見た目と臭いで見分けることができます。柿霜は柿の表面が白一色になっているのに対し、カビの場合は一部に灰色や緑色が含まれています。さらに、カビ付きの場合は異臭も発生します。

カビが生えていても食べられるのか?

干し柿にカビが生えている場合でも、少しであればアルコール35度ほどの焼酎をブラシやペーパータオルなどに付けて拭き落とすと食べられるようになります。

しかしながら、異臭を強く感じる場合には内側までカビが浸透して風味も落ちている恐れがあるため、食べない方が得策です。

干し柿の作り方

干し柿は、「渋柿」と呼ばれる実が熟しても甘くならず渋みのある品種を使用し、柿の果実を乾燥させて作ります。11月ごろに原料となる生柿が収穫されて作業が開始されますが、水分量が25%程度になるまで乾燥させたものは「ころ柿」、比較的水分量の多いものは「あんぽ柿」と呼ばれています。

ほぼすべてを決める「乾燥」工程

まず、サイズを選別しながら柿の皮をむきます。この後、柿を連にして吊し「柿すだれ」を作って乾燥させます。乾燥させ過ぎると硬くなり、一方で乾燥が足りないと弾力のない干し柿となってしまうため、仕上がりを左右する大切な工程となります。

直射日光で乾燥させると表面だけが乾いたり黒く変色したりするため、日光に当たらないようにして時間をかけてじっくり行います。時間をかけることによりしっかりと水分が抜けるとともに、渋みの要因であるタンニンが不溶化して渋みが消え、糖分が凝縮された甘い干し柿になるのです。

1週間から10日ほど経って表面が乾燥してきたところで柿を揉んで弾力を確認します。また、この時に種を取り除きます。さらに数日置いて適度に乾燥したら、柿すだれから柿を外してへたを取ります。

その後、藁の上に置いて冷たい風にさらし、表面の糖分が結晶化して白い粉が浮き出てきたら完成です。

カビ対策のポイント

カビは、湿気があって温度が高い場合に発生しやすくなります。そのため、干し柿作りは気温の下がる11月中旬以降が適しており、風通しが良く雨に当たらないところに干すこと、柿同士がくっつかないように干すことがカビ対策のポイントです。

また、吊す前に熱湯や焼酎に漬け込むことで柿に付着したカビを殺菌することができるので、その後の工程でカビが発生しづらくなります。

 

干し柿の効能

干し柿の効能
(写真:photoAC)

干し柿に含まれる栄養素と効能

生の柿のままでも栄養価は高いのですが、干すことで旨味とともに栄養も凝縮されます。

ビタミンA

人参やカボチャと同様にβカロテンが豊富な干し柿は、体内に摂取されることでビタミンAに変換されます。ビタミンAは免疫力を強くし、高血圧予防にも効果があります。

食物繊維

干し柿に含まれる食物繊維は、便秘や肥満解消に効果的で腸のバランスを整える作用があります。また、コレステロールの排出にも効果的です。

タンニン

干し柿の原料である渋柿には、渋みの成分としてポリフェノールの一種「タンニン」が多く含まれています。タンニンは水溶性のため生のまま食べると渋みを感じますが、干すことで不溶性に変化するために渋みを感じなくなるという特徴があります。

また、タンニンには二日酔いの解消に効果があるほか抗酸化作用もあり、生活習慣病の予防効果も期待できます。

柿霜による効果

干し柿の表面の柿霜は漢方薬としても取り入れられており、口内炎やのどの痛みにも効果があると言われています。

食べすぎには注意?

干し柿は生柿に比べて水分が抜けている分、カロリーや糖質量が高くなっています。生柿は100gあたり60kcal程度であるのに対し、干し柿は100gあたり276kcalにもなります。縮んで小さくなっているため、食べすぎには注意が必要です。

また、食物繊維が豊富なため、食べすぎると腹痛を引き起こすこともあります。

 

おすすめのおいしい干し柿

おすすめのおいしい干し柿
(写真:photoAC)

干し柿 紀州自然菓「あんぽ柿」

紀州自然菓「あんぽ柿」は紀州の柿のみを原材料にしている完全無添加の干し柿で、自然の果実の旨味がぎっしり詰まった、まろやかでとろけるような食感と上品な甘味が特徴です。

標高が高いため朝晩の寒暖差が大きく谷から風が吹きつけるなど、干し柿作りに適した環境で太陽の光を適度に浴び、水分量を50%も残して仕上げたソフトな干し柿です。とろりとした滑らかさは、ほかの干し柿にはない食感。

世界的な食の評価機関である国際味覚審査機構(iTQi)において、最高評価である3つ星を6年連続で受賞した逸品です。

くり屋南陽軒 栗きんとん入り干し柿

100年以上にもなる栗きんとん作りの歴史をもつ老舗「くり屋南陽軒」が作る「栗きんとん入り干し柿」は、さまざまなメディアでも取り上げられている岐阜県中津川地区の銘菓。「最高級の干し柿」と称される長野県飯田産の市田柿のなかでも、肉厚で最もやわらかい柿を使用しています。

種は丁寧に取り出され、そこには新鮮な地元の栗と砂糖だけで炊き上げた栗きんとんが手作業で詰め込まれた、手間のかかった和菓子です。

内田フルーツ農園 甲州百目 枯露柿(干し柿)

山梨県甲州市にある内田フルーツ農園は、年間を通してさまざまな果物の生産から加工品の製造・販売までを手掛ける観光農園です。

「甲州百目」は、水分量の少ない枯露(ころ)柿のなかでも特に高級品とされるもの。ほかの柿よりも大きいうえ、味わいも深く、天日でじっくり乾燥させることで甘味と食感が凝縮されています。

市田柿ミルフィーユ

「市田柿ミルフィーユ」は、お取り寄せのグルメ番組のほか、さまざまなメディアでも取り上げられている変わり種の人気商品。江戸時代には将軍にも献上されていたと言われる長野県南部のブランド干し柿である「市田柿」の間にバターを重ね合わせて仕上げたスイーツです。

干し柿の自然な甘さとバターのコク・塩味が溶け合うことでとろけるような食感が生まれる新感覚スイーツで、お茶菓子としてだけでなくワインやブランデーなどの洋酒ともよく合います。

 

寒い季節になると家の軒先に吊して乾燥される干し柿は、古くから冬の風物詩でした。先人たちは、渋柿が乾燥によって甘さたっぷりのおいしい干し柿へと変化することを知り、その味わいを楽しんできたのです。

長く親しまれてきた日本の代表的なドライフルーツ「干し柿」を、ぜひ味わってみてください。

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