グルメ石狩鍋だけじゃない!北海道で定番のおいしい郷土料理

石狩鍋だけじゃない!北海道で定番のおいしい郷土料理

言わずと知れた日本最北端の都道府県、北海道。高温多湿の気候が多い日本のなかでも梅雨が訪れない地域であり、独自の文化が育まれてきました。また、非常に広大な面積のために、同じ北海道内でも全く異なる食文化が存在しています。今回は北海道の魅力ある郷土料理からご当地料理までをご紹介します。

北海道を代表する郷土料理「石狩鍋」

石狩鍋とは

いまや全国にもその名が知られている石狩鍋。サケの身のぶつ切りに中骨などの「あら」を入れ、キャベツやタマネギ、豆腐、こんにゃくなどの具材といっしょに煮込み、味付けは味噌仕立て。仕上げにサケや味噌の旨みを引き出すために山椒(さんしょう)をかけるのが本場の石狩鍋です。

また、隠し味にバターや牛乳を入れるなど、お店や家庭によって少しずつ調理法も異なります。

石狩鍋のルーツ

そもそもは、北海道の石狩市にある料亭「金大亭(きんだいてい)」が作り出した鍋料理が始まりとされています。

石狩市に流れる石狩川は、毎年9月から12月ごろにかけて産卵のためにサケが遡上(そじょう)します。1880年に創業した石狩市老舗の「金大停」が石狩川の恵みであるサケを鍋料理のメインとして選んだことは、土地柄、自然なことでした。

今でもコース料理の締めとして石狩鍋を提供している人気店でもあります。

石狩鍋と三平汁の違い

石狩鍋とよく似た料理に「三平汁」があります。これは塩引きしたサケやタラと、ダイコンやニンジン、そしてジャガイモといった根菜を塩汁で煮込んだ北海道を代表する郷土料理です。

同じくサケを使用することが多いため石狩鍋と比較されることが多いのですが、石狩鍋が味噌仕立てで生のサケを煮込むのに対し、三平汁は塩引きのサケなどの魚を塩汁で煮込む、という違いがあります。

自宅で簡単に石狩鍋が楽しめる!(麺本舗吉粋 石狩鍋セット)

そんな北海道の名物「石狩鍋」ですが、通販での取り扱いもあります。

「麺本舗吉粋」という北海道産のソバを主に販売しているお店ですが、石狩鍋も極上の味です。

ポイント
世界自然遺産として知られる知床で漁獲された質の高いサケを使用。

 

汁物の郷土料理

汁物の郷土料理

広大な土地の北海道には石狩鍋以外にもご当地を代表する郷土料理が数多くあります。そこからいくつかご紹介します。

函館の郷土料理「くじら汁」

北海道の南に位置している函館。そこで正月を代表する郷土料理が「くじら汁」です。くじら汁とは、塩クジラと山菜、野菜で作る汁料理です。東北を中心に似た料理が日本各地で食べられていますが、正月の定番料理として定着しているのは函館近辺のみです。

塩くじらとは、クジラの表皮・脂皮を塩付けした食材のことを言います。クジラ汁が函館近辺で正月料理として定着した理由は、クジラが「漁の神様」として崇められていたことに由来しています。くじら汁を新年からいただくことで、その年の大漁への願いを込めるのです。

古民家カフェ茶房菊泉 くじら汁

函館で古民家を使ったカフェを営む「古民家カフェ茶房 菊泉」では、あっさりした塩味ベースのくじら汁を堪能することができます。建物も函館市の伝統建築物に指定されており、その内装も落ち着きと風情があります。

また、甘いものが好きな方には特に嬉しいオリジナルの各種スイーツもあります。函館市を訪問の際は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

釧路の漁師料理「鉄砲汁」

続いては、北海道の東部に位置している釧路市の漁師料理「鉄砲汁」をご紹介します。これは、カニを入れた味噌仕立ての汁のことで、カニの足を箸でつついて食べる仕草が鉄砲の弾詰めをしている姿に似ていることからこの名前が付きました。

釧路では、花咲ガニを使用することが本来の鉄砲汁であると言われています。2000年以降は漁獲量が少なくなっている高級食材で、非常に濃厚な味がすることが特徴です。

麺本舗吉粋 てっぽう汁缶詰

麺本舗吉粋では「てっぽう汁缶詰」が通販で取り扱われています。オホーツク海で漁獲されたカニを殻付きで水煮した缶詰です。薄めて食べる濃縮タイプのスープなので、季節の野菜と煮込み、味噌やしょうゆなどで味付けした鉄砲汁で食べることはもちろん、カニ雑炊などのさまざまな楽しみ方があります。

 

ご飯がおいしい郷土料理

ご飯がおいしい郷土料理

北海道には鍋や汁もの以外にもおすすめしたい郷土料理があります。次は、お米を使用した絶品の料理をご紹介します。

駅弁でも有名「烏賊飯(いかめし)」

「烏賊飯(いかめし)」は、北海道の南西部に位置する渡島地方の郷土料理。げそや腹わたを取り除いたイカに、主にもち米を詰め込み、醤油ベースの出汁で炊き上げた野性味のある料理です。米以外にイカに詰める具材には、タケノコや山菜類、油揚げがあります。

今では各地で駅弁としても有名な烏賊飯ですが、そのルーツは函館本線森駅を拠点とする阿部弁当店でした。1941年の戦時中に食糧統制で米が不足していたため、当時大漁であったスルメイカを用いて、そのなかに米を詰めることで米の節約をするために考案されたものでした。

そのころからもち米が使用されていたため、腹持ちが良く非常に評判であったとされています。

いかめし阿部商店 元祖森名物いかめし

駅弁のいかめしを生み出した「いかめし阿部商店」の「元祖森名物いかめし」は、通販でも購入可能な商品です。イカをまるごと使用したワイルドな料理をぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか。

根室のご当地料理「エスカロップ」

続いて紹介するのは、北海道の最東端に位置する根室を代表するご当地料理「エスカロップ」です。エスカと省略されるほど北海道ではお馴染みの料理で、ピラフの上に薄切りのトンカツを乗せ、デミグラスソースをかけた洋風の仕上がりです。

始まりは1963年に根室市のとある洋食店が考案したもの。そのころのエスロカップは、ピラフではなくナポリタンスパゲティ、トンカツではなく仔牛のソテーや仔牛のカツが乗せられていました。これが時代とともにスパゲティではなくピラフ、仔牛から豚が使用されるようになっていきました。

名前の由来はさまざまありますが、フランス語の「薄切りの肉」という意味のエスカロップが最も有力な説です。

ニューモンブラン「エスカロップ」

根室でエスロカップの名店と知られているのが人気の洋食屋「ニューモンブラン」です。タケノコ入りのバターライスの上にトンカツが乗った、お店オリジナルのソースがかかった絶品の料理です。

B級グルメ「オリエンタルライス」

最後は、同じく根室を代表するご当地料理「オリエンタルライス」を紹介します。これは、ドライカレーの上に焼いた牛のハラミを乗せ、仕上げにステーキソースをかけた非常にワイルドな料理です。

名前の由来ですが、実は全く不明のため、いつ、誰が名付けたのか分からない謎が多い料理でもあります。そんなミステリアスな部分にも魅力があるといえます。

どりあん「オリエンタルライス」

「どりあん」は根室市にある洋食屋で、基本的なオリエンタルライスを味わうことができます。店舗内も洋風で落ち着きのある雰囲気が漂ったおすすめのお店です。

 

なかなか東京ではお目にかかれない北海道の郷土料理、いかがでしたでしょうか。さまざまな魅力ある北海道の地。訪れた際にはその食文化を堪能してみてください。