食品・食材知れば知るほど食べたくなる!さくらんぼ「佐藤錦」の魅力とは

知れば知るほど食べたくなる!さくらんぼ「佐藤錦」の魅力とは

果樹王国の山形県では数多くのおいしい果物が生産されていますが、なかでも全国的にその名を馳せ、特に存在感を放っているのが「佐藤錦」。その歴史や特徴をご紹介し、魅力に迫りたいと思います。

さくらんぼ「佐藤錦」とは

佐藤錦の起源・ルーツ

佐藤錦が生まれた東根市は、最上川を主流とする乱川(みだれがわ)の扇状地で、水はけが良い畑地でした。

1875年に内務省によって西洋果樹の苗木が配布され、そのなかにさくらんぼも含まれていましたが、収穫期や日持ちしない性質がネックとなり生産量は伸びませんでした。

そこで、さくらんぼの新しい品種を作れないかと考えたのが佐藤栄助(1867~1950年)です。1912年、酸味は強いが固くて日持ちのする「ナポレオン」と、甘いが日持ちのしない「黄玉」を掛け合わせました。そこから改良を重ねること16年、ついに「佐藤錦」が誕生したのです。

当初、佐藤氏はこの新品種を「出羽錦」と命名しようとしました。しかし、開発を支援してきた友人の岡田東作から、生みの親である佐藤氏の名前を入れることを提案され、「佐藤錦」になったというエピソードがあります。

佐藤錦の特徴

山形県のさくらんぼ栽培面積のおよそ8割を占める代表品種となった佐藤錦。鮮やかな真紅に色付いた果実をほうばると、乳白色の厚い果肉からたっぷりの果汁が口のなかに広がります。濃い甘さとほどよい酸味は絶妙。大きさは1粒7gほどですが、12gほどの大玉も出回っています。

 

佐藤錦の旬や名産地

佐藤錦の旬や名産地

佐藤錦の生産地

佐藤錦の発祥地である東根市を中心とし、天童市や寒河江市、山形市などが主な生産地です。

旬の季節

その年の生育状況にもよりますが、最も美味とされるのは6月~7月上旬になります。4月~6月上旬までは温室栽培、6月中旬からは露地栽培のものが出回ります。手間をかけて育てられた温室栽培ものは早い時期に楽しむことができる高級品で、露地栽培ものは大ぶりで甘みが強いことが特徴です。

佐藤錦のさくらんぼ狩り

山形市と南陽市の間に位置する上山観光フルーツ園が経営している「山形チェリーランド」では、佐藤錦のさくらんぼ狩りを楽しむことができます。収穫時期はおおよそ6月中旬~7月上旬となりますが、5月~6月の天候に左右されるため、直前に農園のサイト上で開始時期などの確認が必須です。

こちらでは佐藤錦のほかにもさまざまな品種のさくらんぼが栽培されており、特に農園で開発された「大将錦」は酸味が少なく甘みの強い大玉で人気となっています。そのほかにもオリジナルの初夏の香や貴美錦、フランスワン、姫錦といったさくらんぼがありますので、佐藤錦の収穫前後でも楽しむことができますし、時期が被れば食べ比べをすることもできます。

また、山形チェリーランドから500mほど離れた場所にある「上山観光フルーツ園」では9月からぶどうや梨狩りができ、季節によってさくらんぼ以外のフルーツ狩りも楽しめますので、山形観光の際にはぜひ押さえておきたいスポットです。

 

佐藤錦を通販で

河北町のふるさと納税 平成30年山形県河北町産さくらんぼ

さくらんぼの名産地である東根市、天童市、寒河江市に隣接する山形県西村山郡河北町。美しく豊かな水と風土、寒暖差の大きい気候で育つさくらんぼは、甘みが強く高品質として知られています。

この河北町へふるさと納税をすると、お礼として上級品の佐藤錦が送られてきます。ふるさと納税のサイトを通して定額以上の寄附をした後に確定申告をすることで税の控除があるため、実質2,000円程度の自己負担で1.0kgバラ詰(500g×2パック)の佐藤錦がもらえることになります。

寄附をして河北町を支援することで、丹精込めて栽培された佐藤錦をお得に味わえるなんて嬉しいですね。ご自宅用はもちろんのこと、贈答品としても喜ばれること間違いなしです。

配送時期は平成30年6月中旬~下旬(天候・生育状況などで前後あり)、申込は先行予約で数量に達するまでとなります。気になる方はお早目にチェックされることをおすすめします。

有限会社佐藤錦 初さくらんぼ「佐藤錦」L玉桐箱入300g

佐藤錦の元祖である佐藤栄助を祖先に持つ有限会社佐藤錦が販売している「初さくらんぼ「佐藤錦」L玉桐箱入り300g」は、新年を彩る特別な贈答品にぴったりの最高級品です。

超促成栽培で育てられる佐藤錦は、夏季に大型の鉢に植えられた樹を冷蔵で保存した後、温室へ移して温度管理をしながら大切に栽培されます。

L玉(22m以上)の真っ赤な佐藤錦が桐箱に整然とならんだ姿は圧巻で、まさに新春を祝う特別な逸品。青果市場の初競りの関係で、出荷は1月初旬の1日限り、数量限定品になります。

 

佐藤錦が抱えている問題

佐藤錦が抱えている問題

さくらんぼの自家不和合性

さくらんぼの特性として「自家不和合性」というものがあります。同じ品種の樹だけを栽培してもさくらんぼは結実しないので、他の品種でかつ親和性が高い(相性が良い)花粉が必要となります。

畑で自然に受粉させる場合は、結実させたい樹に対しておよそ3割の受粉樹をともに栽培し、ミツバチやマメコバチなどを介して受粉させます。

注意
受粉樹も結実するため商品価値の高い樹を選びますが、開花時期が異なると互いに受粉しないので注意が必要です。

人工受粉させる場合は、受粉樹の花粉を付着させた毛ばたきを結実させたい樹の花に接触させます。あらかじめ採取して保管しておいた花粉をボンテンなどに付着させて受粉させる方法もあり、手間はかかりますが開花時期がずれる問題を解消することができます。

佐藤錦と相性が良い受粉樹としては「ナポレオン」という品種が挙げられます。かつては缶詰加工用として需要がありましたが、さくらんぼの生食での需要に追いやられ、樹が栽培されなくなってきたという実情があります。

佐藤錦の不作へとつながりかねないナポレオンの減少ですが、代わりとなる品種として「紅さやか」や「高砂」、「紅秀峰」などがあります。ナポレオンのような親和性を発揮できるかどうか、生産者も注目しています。

温暖化による異変

各方面で問題となっている温暖化ですが、さくらんぼの栽培においてもその影響が指摘されています。猛暑では葉・枝・幹に高温障害(焼け)が生じ、樹自体が弱ってしまいます。また、年間を通して気温が高くなることで、花芽の発育阻害、2つの実がくっつく双子果の多発、開花時期の前倒し、結実率の低下などが引き起こされます。

さくらんぼのなかでも特に低温条件を要する佐藤錦にとって看過できない温暖化ですが、地球規模の問題であるため簡単に解決することはできません。しかしながら、夏季の遮光や結実率を上げるための丁寧な受粉作業、受粉樹の組み合わせなど、生産者は試行錯誤しながら日々取り組みを行っています。

 

真っ赤な愛らしい形に、甘酸っぱく爽やかな風味がギュッと詰まったさくらんぼ。その代表格である佐藤錦の歴史から特徴、昨今の課題などについてご紹介しました。さくらんぼ狩りやふるさと納税のお礼品、通販でのお取り寄せで、魅力あふれる佐藤錦を味わってみませんか。